石田衣良
(いしだ・いら)作品のページ No.3

  

21.6TEEN

 

【作家歴】、池袋ウエストゲートパーク、うつくしい子ども、エンジェル、少年計数機、赤・黒、娼年、波のうえの魔術師、スローグッドバイ、骨音、4TEEN

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LAST、電子の星、1ポンドの悲しみ、約束、反自殺クラブ、東京DOLL、てのひらの迷路、ぼくとひかりと園庭で、眠れぬ真珠、灰色のピーターパン

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21.

●「6TEEN(シックスティーン)」● ★★

  
6TEEN画像

  

2009年09月
新潮社刊

(1400円+税)

2012年07月
新潮文庫化

 

2009/10/22

 

amazon.co.jp

直木賞を受賞した4TEENの続編。
東京の月島に暮らす仲の良い4人組、ダイ、ジュン、ナオト、僕=テツローも、今は高校生。
(ダイのみ、高校生で母親となったユウナと同棲、昼間働き、夜は定時制高校通いと、大きな変化)
各々違う高校に進学し、あるいは生活環境が大きく変わりながらも、仲の良さは相変わらず。
そんな彼ら4人の新たな出会い、経験を描いた10篇からなる連作小説。
今の中学生ってこんなのか、という新鮮な驚きは、もうこの続編では得られません。
あの早熟性と実行力を備えた4人が中学生から高校生になったのですから、もう驚くには当たらない故に。
でもなあ〜、童貞のくせに友達のセックス相談に応じる、解決策を講じるというのは、2度目とはいえやはり絶句しますよ。

どの篇も、ストーリィを長く引っ張らず、短く切り上げているところが小気味良い。
ストーリィの中身については、出来過ぎという面を否めないのですが、一篇一篇、キレがいいので楽しんで読み進んでいけます。それ故に、多少の出来過ぎくらい目を瞑ることにしよう、という気持ちになります。
全体を俯瞰してみれば、高校時代に経験する様々な出来事の連なり、後に思い返せば、高校時代の思い出となるような一片ばかりなのです。
その中で、彼ら4人の仲をかき乱して喜ぶような女子高校生が一人登場。年頃ともなれば如何にもありそうな展開ですが、それでも4人の友情が崩れることないのがいい。

主人公が知り合ったホームレスの哲人。一通りのものは揃っているが、唯一不足しているものが話し相手だという。
その点、何でも打ち明けて相談し合える仲間がいつも近くにいるという4人、何とも幸せな高校生たちです。

おばけ長屋のおばあ/クラインの妖精/ユウナの憂鬱/携帯小説家に出会ったら/メトロガール/ウォーク・イン・ザ・プール/秋の日のベンチ/黒髪の魔女/スイート・セクシー・シックスティーン/16歳の別れ

 

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