支倉凍砂
(はせくら・いすな)作品のページ


1982年生、千葉県出身。2005年「狼と香辛料」にて第12回電撃小説大賞銀賞を受賞し作家デビュー。

  


       

「それをAI(あい)と呼ぶのは無理がある I Can't Call It AI ★☆




2020年11月
中央公論新社

(1500円+税)



2021/01/20



amazon.co.jp

AIが創り出したヴァーチャルな存在が子供たちの貴重な相棒となっている近未来を舞台にした、高校生たちの青春を描く連作ストーリィ。

子供の頃は人型の相棒でも、大きくなるとそのままでは恥ずかしいため、ペット型の姿に変更するらしい。
登場人物たちのAIはというと、トカゲ、小鳥、小鬼、やっぱり女の子と様々。
それらが肩に止まっている姿からは、つい
P・プルマン“ライラの冒険”シリーズに登場するダイモン(守護精霊)を思い出しますが、SFとファンタジーですからかなり違います。

いつも身近にいてなんでも相談できる存在がいたら、どれだけ有難いころだろうと思うのですが、結局は頭の中でもう一人の自分とやり取りしているようなものなのですよね。
でも頭の中だけでやり取りしているより、口に出してやり取りする方がはっきりする、ものでしょう。

AIの存在を除けば、典型的な高校生たちの青春群像劇。
気持ち好く楽しめました。

第一話:文化祭最終日、好きな女の子への告白に踏み切れないでいる木下浩太に対し、友人とAIたちがハッパを掛けます。
第二話:幼馴染の青柳裕彦沢村さくら。裕彦が不登校のさくらから託されたのは、AIクローンのミニさくら・・・。
第三話かなでが今の明るい高校生になれたのは、傍らにいてくれたAIを可愛くしたいと思ったおかげ?
第四話:AIは人格まで創れるのか・・・。
第五話:なんでも屋でデジタルお祓い師を務めている青柳小春、昔馴染みの高校生から頼まれたのはAIの初期化。何故?

第一話/第二話/第三話/第四話/第五話

   


  

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