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3.車輪の下 4.春の嵐 5.デミアン |
●「郷 愁」● ★★★ |
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1904年発表
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アルプスの小村に生まれたペーター・カーメンチントが、都会へ出て青春時代を過ごし、最後は生まれ故郷に戻るという、青春遍歴を描いたヘッセの処女作。 レジー・ギルタナーやエリーザベトへの恋、美青年リヒャルトやアギー、ボギーとの交流。恋、友情、人生の痛みを知ること、誰でもが辿るであろう成長過程を、主人公ペーターは故郷を離れた旅人の如くに経験していきます。 詩人の心を持ち続けたペーターの青春遍歴を描く、本作品につけられた「郷愁」という邦題は、まさにぴったりのものです。それ故、ストーリィだけでなくこの題名からも、私は本書に惹きつけられて止まないのです。 |
●「青春は美わし・ラテン語学校生・干草の月」● ★★★ |
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1982年04月
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「青春は美わし」 原題:“Schon ist die Jugend”1916 「ラテン語学校生」 原題:“Der Lateinschuler”1905 「干草の月」 原題:“Heumond”1905 |
●「車輪の下」● ★★☆ |
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1906年発表
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通俗的な教育による重圧の犠牲となった少年、ハンス・ギーベンラートの悲劇を描いた、ヘッセを代表する作品です。
本作品は、ヘッセ自身の神学校時代の辛い経験を、そのまま書き記しているようです。ハンスは勿論ヘッセの分身ですけれど、同時に叙情的なヘルマン・ハイルナーもまたヘッセの分身でしょう。 |
●「春の嵐」● ★★★ |
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1910年発表
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この作品においてヘッセは、愛とは何か、愛することの辛さ、苦しさを描いています。
上記のように書くと、本作品は恋愛の辛さのみ描いている作品のように感じられるかもしれませんが、この作品にもやはりヘッセらしい青春時代への讃美があります。 |
●「デミアン エーミール・シンクレールの青春の物語 」● ★★★ |
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1919年発表
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第一次世界大戦後、ヘッセがエーミール・シンクレールという匿名で発表し、大きな反響を呼んだ作品です。 デミアンは、シンクレールという青年の導き手となる存在ですが、本書の主役はデミアンではなく、あくまで真の自分を見つけるため苦悩するシンクレール自身であり、その歩んだ過程にあります。 |