幸田 文 雅やかな文章、その流麗さは他の作家には真似できないものでしょう 1904−1990

書 名

出版

読了

ひとこと

父・その死1949

(中央公論社)
新潮社

2004

「父−その死−」「こんなこと」を収録。文さんの原点となる名品

流れる1956

(新潮社)
新潮文庫

1993

名前を隠して芸者置き屋に女中として住込んだ、作者自身の体験を基にした小説

おとうと1957

新潮文庫

未読

 
 

みそっかす

岩波文庫

1995

文さんの少女時代の周辺記。少女としての揺れ動く気持ち、父親、 そして継母の複雑な屈折を多く含んだ心象風景が描き出されています

番茶菓子1958

(創元社)
講談社文芸文庫

1993

文さんの人柄が偲ばれるエッセイ。日常生活の細事に対する感覚の鋭さ、 みずみずしさ。それを文章に置き換えていく巧みさが見事

1973

新潮文庫

1999

病院における医師、看護婦、患者のそれぞれの闘いをドキュメンタリー風に 描いた作品

崩れ1991

講談社
講談社文庫

1993

自然の中に現れた崩れという傷痕を見て思いを綴ったエッセイ。 「木」ほどの感動には至らず

1992

新潮社
新潮文庫

1993

木に対して、その内に人間性を備えた同胞のように向かい合い、その身に同情して涙する、というエッセイ

台所のおと1992

講談社

2000

豊かな情感を伝える10篇を収録
 

きもの1993

新潮社
新潮文庫

1993

きものを主題にしながらも、主人公るつ子の少女から娘へそして結婚へと 至る成長物語

季節のかたみ1993

講談社

未読

 
 

 

※幸田 文 年譜

年齢

       できごと

1904(明治37)

0才

幸田露伴、幾美子の次女として現墨田区東向島にて出生

1910(明治43)

6才

母幾美子死去

1912(明治45)

8才

姉歌死去、児玉八代子と父が再婚

1926(大正15)

22才

弟成豊死去

1928(昭和3)

24才

酒問屋三橋家の三男幾之助と結婚

1929(昭和4)

25才

長女玉を出産

1936(昭和11)

32才

玉を連れて実家へ戻る

1938(昭和13)

34才

正式に離婚

1945(昭和20)

41才

義母八代子死去

1947(昭和22)

43才

父露伴死去、寄稿開始

1956(昭和31)

52才

「黒い裾」で第7回読売文学賞受賞、
「流れる」で第3回新潮文学賞受賞

1957(昭和32)

53才

「流れる」で第 13回日本芸術院賞受賞

1973(昭和48)

69才

「闘」で第 12回女流文学賞受賞

1990(平成2)

86才

10.31 心不全により死去

 

●副読本●

青木 玉

「小石川の家」

講談社
1994

露伴、文、玉の同居生活。3世代の家族の姿と、名文を味わう楽しみ

「帰りたかった家」

講談社
1997

前著のような幸田家三代にわたる緊迫感はなく、著者の思い出語り

 青木奈緒 「幸田家のきもの」  講談社
2011
祖母、母、娘と三代にわたる女性を繋ぐ、着物の思い出エッセイ

森田誠吾

「明治人ものがたり」

岩波新書
1998

鴎外娘・茉莉さんと露伴娘・文さんを対比し、客観的に語るエッセイ

   


    

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