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「いもりの黒焼き」--伝説の媚薬--
なんともいかがわしき限りの漢方薬ですね。しかし実際に作られれてきた薬です。
いもりの黒焼きは、本当に「ほれ薬」として効くのでしょうか?? まあ、落語のテーマになっているのですから、効く効かないは別にして、かなりなおもしろい話題です。
落語「縁切り榎木」の舞台を歩く
落語「いもりの黒焼き」
これは、「ほれ薬」つまり媚薬とか催淫剤と呼ばれるものです。
いもりの黒焼きは、ほとんど心理的ないわゆるプラシーポ効果が狙いなのですが、調べてみると「雌雄一対の黒焼き」を販売している漢方薬局もネットで調べれば見つけることができます。
いもりの黒焼きが「ほれ薬」として流行?した経緯については ネットで「いもり全書」「いもりの呪い」のページにリンクしてみて下さい。いもりの生態も説明されています。
これによれば、古来中国でおこなわれたという、女房の浮気発見のために「やもり(いもりではありません)」に、朱(水銀と硫黄の化合物。丹砂。)を食べさせて飼い、その血をとって女房に塗っておくと、もし、他の男と浮気すれば、このしるしが消えるというわけでこれを「やもりのしるし」といいました。それが日本に伝わり、いつしか「やまり」と「いもり」が混同され、なぜか「いもり」が「惚れ薬」とされるようになったという説があります。
しかし「いもり」は交尾するのでなく産卵によって繁殖しますが、おすは激しい求愛ダンスをするので、「惚れ薬」へと連想されたのではないでしょうか。
それでは、イモリの黒焼きの製法です。
イモリが多く出るという、夜、丑の刻(午前1時〜3時ごろ)を狙い、イモリの雌雄が交わっているところを捕まえて、焼いて黒くなった物、黒焼きです。
また、今戸焼き(陶器)で作った鍋にイモリを入れて、石盤の上で焼く方法もあります。
もうひとつ効果的な方法は、節のある竹筒に節を隔てて雌雄を別々に入れて、黒焼きにします。つまり、雌雄が一体になろうと恋い焦がれて、引き合う物質を生成しながら黒焼きとなるというわけです。
製法はともかく、これを粉にして人にふりかけると、相手をひきつける効き目があるというわけです。
(異性でなくても、主人や子供、友人相手に使うこともあったようです。)ただのおまじないのようですが、当時は本当に信じられており、需要も多かったそうです。現在の「フェロモン香水」のような感じですね。
また、繁殖行動は春の気温上昇に従い、水中に姿を現します。オスがメスの行く先にまわりこみ、紫色の婚姻色を呈した尾を身体の横まで曲げて小刻みにふるわせるなど複雑な求愛行動を行いますがこのときにオスが分泌するフェロモンであるソデフリンが、脊椎動物初の「ペプチドフェロモン」として報告されている。メスが受け入れる体制になると、メスはオスの後ろについて歩き、オスの尾に触れて合図をり、オスが精子嚢を落としメスが総排出腔から取り込む。これが繁殖のための交配行動で、寒天質に包まれた受精卵は水中の水草の葉にくるむように1つずつ産卵されます。
そうすると、やっぱりフェロモンを出すのだから、ほれ薬効果は有効なんでしょうかね?!!
現在でも、漢方薬の伊藤黒焼き店では販売されています。【意守 イモリ】:黒焼きの伝承では、滋養・強壮に良いと伝えられています。
   








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