言語と文字

その他の言語


■ジャワのドロイドのたちの言語

「新たなる希望」で、R2はジャワ族に捕えられ、巨大なサンド・クローラーの中の格納庫に放り込まれます。気が付いて目を覚ますと、そこには同じように捕えられたポンコツ・ドロイドたちがひしめきあっていました。ドロイドたちはめいめいになにやらブツブツつぶやいています。言葉らしきものを話す者もいれば、R2のようにピーピーと音をたてる者もいます。そのうち、昆虫のような顔をした銀色のドロイド(RA−7)がR2に向かって何か話します。何語かは不明ですが、よくある監獄の場面のように、いかにも「新入りか、よく来たな。ここはドロイドの墓場さ」とR2に説明してやっているみたいで面白いです。

そしてその後、妙に有名なパワー・ドロイド(EG−6またはGNKパワー・ドロイド)が登場します。ここで彼は「ゴンク、ゴンク、ゴンクですよ、ゴンク」と言っているというのが、ファンの間での共通認識のようですが、実は私の耳には「ご飯、ご飯、ご飯ですよ、コウイチ」と聞こえます。少数意見でしょうか、全国のコウイチ君?


■サンド・ピープルたちの言語

サンド・ピープル(Sand People 砂の民、砂漠民)またはタスケン・レイダー(Tusken Raiders タスケンの盗賊)たちは、遠くまでよく聞こえる吠え声で意思の疎通を図っています。彼らが言葉を話すのかは不明です。おそらく劇中での雄叫びは、遠くの仲間に合図を送ったり、相手を威嚇するためのものであろうと思われます。


■カンティーナの客たちの言語

「新たなる希望」のきわめつけの場面、カンティーナ(酒場)の場面では、百気夜行もさもありなんというくらいの多種多様なエイリアン連中が酒を飲み、会話を交し、音楽に耳を傾け、殺し合いの喧嘩をし...と、とにかく何でもありの物凄いことになっていますが、ここで聞こえてくる言葉は、銀河標準語やハット語、ジャワ語以外にもいろいろあります。ちゃんと言葉になっているものから、唸り声、鳴き声のようなものまで様々です。


■ガリンダンの言語

モス・アイズリーでドロイドの所在を帝国軍の捜索隊に密告したガリンダンは、ズビーズビーと、DJがレコードをグイングイン引き回すような音を発して話します。ガリンダンはクビンディ(Kubindi)出身のクバーズ人(Kubaz)ということですので、この言語はクビンディ語あるいはクバーズ語ということになりましょうか。この場面でドロイド捜索部隊のサンドトルーパーはガリンダンの言うことを理解しています。この言語を知っていたのか、翻訳装置を持っていたのかは不明です。


■クラウド・シティーのプロトコル・ドロイドの言語

「帝国の逆襲」のクラウド・シティーで、3POは同型で銀色のプロトコル・ドロイド(非公式にはE−3PO)に出会います。同型のよしみで親しげに声をかけると、相手はなにやら意味不明の言語で応じます。それに対して3POはちょっと気を悪くします。かなり失礼なことを言ったに違いありませんが、何語かは不明です。ハット語でしょうか。

THREEPIO: Oh! Nice to see a familiar face.
(3PO:おや! やあ、お馴染みの顔だね。)
SECOND THREEPIO: (mumbles) E chu ta!
(もう1人の3PO:(つぶやいて)イ・チュー・タ!)
THREEPIO: How rude!
(3PO:なんてひどい!)[ESB]

■プローブ・ドロイドの言語

「帝国の逆襲」に登場した帝国軍のプローブ・ドロイド、通称プロボットは、収集した情報を暗号通信で送信します。これは通信コードの一種ですので、言語に含めてよいものか疑問ですが、スター・ウォーズの世界ではアストロメク・ドロイドの例もありますので、あえて言語の一種としてここに記載しました。

THREEPIO: Sir, I am fluent in six million forms of communication. This signal is not used by the Alliance. It could be an Imperial code.
(失礼します、私は600万種類の伝達手段に通じておりますが、この信号は同盟軍では使われておりません。帝国軍の暗号に相違ありません。)[ESB]
また、「ファントム・メナス」にもプローブ・ドロイドが出てきます。ダース・モールはこの小型の球状偵察ドロイド、通称ダーク・アイを使ってタトゥイーンで女王とジェダイを捜索します。ダーク・アイの声をよく聴くと、クワイ=ガンの発見をモールに報告しに来た時に「boy... boy...」(少年が... 少年が...)と言っています。いかにも「少年を発見しました」と片言で報告しているかのようです。しかし、厳密に考えるとその時点ではアナキン少年はまだシスの眼中にはないはずですので、boy と聞こえても意味は違うのかも知れません。


■サレイシャス・クラムの言語

サレイシャス・クラム(Salacios Crumb)とは「スケベなパンくず」の意で、そもそもは撮影現場でのあだ名だったものです。ジャバの取り巻きで、道化とペットを兼ねたような存在。知能・知性があるのか、それとも動物なのか定かではありませんが、言葉を話すのでやはり知的生命体なのでしょう。オウムや九官鳥のように声真似をしているというよりは、自分の考えで言語を発しているように思えます。非常に早口なのでなんと言っているのか聞き取るのは至難の技です。早口なので印象がまったく違いますが、もしかしたらハット語なのかもしれません。


■ナイン・ナンの言語

「ジェダイの復讐」で、ランドは新デス・スターの攻撃隊長に選ばれ、親友ハン・ソロから借りたファルコン号で出撃します。その際となりの副操縦席には、どこでどう知り合ったのか、クリクリ目玉のヒョウキンな顔をしたサラスト人のナイン・ナン(Nien Nunb)が座っています。彼は独自の言語で話します。おそらくサラスト語であろうと思われますが、詳細は不明です。ハット語にも言えることですが、ここでも一方は標準語、もう一方はサラスト語で会話が成立しています。

ナイン・ナンの台詞にも日本語に聞こえる部分があります。反乱同盟軍の艦隊が出撃する時に、ランドとナイン・ナンが言葉を交しますが、この時「オメデトウって、***に言うね」と聞こえます。また、新デス・スターの内部に突入し、狭い通路の中でファルコン号のアンテナをぶつけてしまう場面では「わあ、危ねえ!」と聞こえます。


■モス・エスパの雑踏

「ファントム・メナス」のモス・エスパの街で聞こえてくる音はアフリカの村の市場で収録した音で、聞こえてくるしゃべり声は、これもアフリカのスワヒリ語のおしゃべりを録音したものだそうです。 [SWK6, p.53]


■銀河基準語の方言

「ファントム・メナス」では、銀河基準語の台詞であっても役柄によって訛りを持たせるなどの細かい配慮がなされています。

まず一番始めにはっきりと気付くのが、通商連合の連中の話し方です。彼らが話す基準語は文法的には正しいのですが、発音にはかなり訛りが目立ちます。基準語、というかアメリカ英語とは違って母音も子音も非常にはっきりと発音していますので、日本人にはかえって聞き取りやすくなっています。このことからすると、基準語はニモーディアン本来の母語ではなく、彼らにとっては外国語であると思われます。発音の癖は抜けませんが、文法的には正しいので彼らの教育レベルは高いものと思われます。一部では日本人の話す英語が元になっているという話もあるようですが、必ずしもそうとは言えません。ヨーロッパ人やインド人、その他の民族でもあのような発音をします。日本人英語かどうかの判断は、l音とr音がきちんと発音し分けられているかというところにあると思いますが、残念ながら私も日本人なのでよくわかりません。

次に目立つのが、モス・エスパの商魂たくましきガラクタ商のワトーです。ハット宙域の土地柄ゆえか、普段はハット語を話していますが、お客が基準語を話すとわかれば即座に基準語に切り替えて商談を始めます。ただし、彼の話す基準語は発音、文法とも多少怪しげなところがあります。これは学校や文法書で勉強して覚えたのではなく、実生活の経験を通じて体で習い覚えたことによるものでしょう。つまり、共和国圏内からやってくる柄の悪い犯罪者やパイロット連中の話す、あまり上品とは言えない話し方がお手本になっているものと思われます。また、口癖というほどではありませんが、文末に I think(〜と私は思う)をよく付けて話します。

WATTO: The boy tells me you wanta sponsor him inda race.
(wanta = want to, inda = in the。どちらも口語。)
(レースでおメエさんがこいつのスポンサーになるって、小僧が言っとるぞ。)[TPM]

WATTO: It would be cheaper, I think...
(その方が安かろうぜ、うんそうだ。)

WATTO: We split the winnings fifty-fifty, I think.
(賞金は山分けだ、うんそうだ。)

そして、忘れてならないのが偉大なるジェダイ・マスター・ヨーダです。実はこの人の話し方にも独特の癖があります。語順が通常の基準語と違うのです。基準語、というか英語は割と語順にうるさい言語で、「主語−動詞−目的語」の順番を変えると相手に理解してもらえないということがよく言われます。しかし、なんとヨーダはこの語順を無視して話しているのです。これはおそらく、古めかしい古典的な雰囲気を出して、仙人のような印象を持たせようとする演出であると思われます。ヨーダは英文法の規則をも超越しているのです。アメリカの観客たちは使われている単語とその場の状況からなんとか意味を把握しているのでしょうが、言葉を聞いてから理解するのに多少の時間的ギャップが生じるところが、ヨーダの神秘性を高めるのに一役買っているのでしょうか。

YODA: For eight hundred years have I trained Jedi.
( = I have trained Jedi for eight hundred years.)
(800年の間、ジェダイを訓練してきた。) [ESB]

YODA: Your father he is.
( = He is your father.)
(お前の父じゃよ、彼は。) [ROJ]

YODA: Confer on you, the level of Jedi Knight the Council does. But agree with your taking this boy as your Padawan learner, I do not.
( = The Council confers the level of Jedi Knight on you. But, I do not agree with your taking that boy as your Padawan learner.)
(そなたに授けるぞよ、ジェダイ騎士の位をな、評議会は。じゃが、そなたがあの子をパダワン生徒にすることは、わしは賛成せんぞ。) [TPM]

グンガン方言については、別ページ「グンガン方言」をご覧ください。


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Ver.1 1999.12.12
Ver.2 1999.12.26Ver.3 2000.3.5フォースのともにあらんことを
ベン・アンティリーズ