言語と文字

ウーキー語(Wookiee)

チューバッカでおなじみのウーキー族の言葉です。ウーキーたちは、吠え声や唸り声で意思伝達を行ないます。しかし動物の鳴き声とは違い、もっと複雑な内容まで表現できる言語であるようです。ウーキーたちは他の言語を理解することはできますが、発声器官の構造上、それを話すことはできません。従って、ウーキーと非ウーキーの会話は、一方がウーキー語、もう一方が銀河基準語で話すということがごく普通に行なわれています。ハン・ソロはチューバッカの言うことを十分に理解できます。

チューバッカの「台詞」はとても魅力的で、その場のその状況にぴったりと合っていて、いかにも何が言いたいのかが、わかるような気がします。怒った時、悲しい時、誇らしい気分の時など、本当に芸達者です。「帝国の逆襲」でルークともどもハン・ソロがエコー基地に戻らず、止むを得ず防寒扉を閉めた時の、あの悲痛な遠吠えは聴く者の悲しみを誘います。「ジェダイの復讐」でツタを伝ってAT−STに飛び乗る時の雄叫びはまさしくターザンです。

■ウーキー語の例

ウーキー語を書き表すことは難しいので、ここでは1つだけ面白い例を紹介するにとどめます。

■ウーキー語の創造

ライオン、クーガー、あなぐま、熊などの鳴き声や唸り声を寄せ集めて、その時々のチューバッカの感情を表わすのにふさわしい声をつなぎ合わせてつくったそうです。当初は動物の鳴き声をつなぎ合わせて言葉(英語)に聞こえるようにしようと考えていたそうですが、最終的には吠え声だけになりました。以下にベン・バートのインタビューを引用します。

"I was originally hired to work on the Wookiee --- what they initially considered as the most difficult voice," the sound designer reveals. "George suggested we combine animal sounds to make it seem like Chewie was talking. 「僕はもともと、ウーキーのために雇われたんだ。初めはウーキーの声が一番やっかいだと思われていたんだよ」と音響デザイナーは打ち明ける。「ジョージは、動物の鳴き声をつなぎ合わせて、チューイが話しているようにしようと提案したんだ。」
"I started by recording animals. But it's very difficult to make animals vocalize. You can't just walk up to cage and record. They aren't going to make sounds for you. I had to find specific animals who were trained or had a master knew thier personalities such that if you brought some melted butter within their view, they would freak out and you would get something. I ended up getting the best results by exposing one animal to another. Take a baby tiger and put him in a cage next to a bear and bear goes berserk. 「まず動物の声を録音することから始めた。でも動物に鳴かせるのはずいぶんと難しいことなんだ。ただオリに行って録音するというわけにはいかない。連中は録音のために鳴き声を出してくれるなんてことはないんだ。特別に調教された動物を探し出すか、あるいはその動物の個性をよく知った飼い主と一緒じゃないとだめなんだ。とろけたバターを目の前に差し出すと、メロメロになって、なにかしら声を出すとかね。最後には、ある動物を他の動物の前にさらすことで最高の結果が得られたよ。赤ちゃん虎を、熊のとなりのオリに入れたら、熊は荒れ狂うよ。」
"Out of this collection of actual animal sounds, I extracted fragments --- grunts, snorts, bleats, whatever they might be --- from different animals, such as lions, cougars, badgers and bears. I made lists of the sounds. Here are all the noises that sound sad to me, the angry sounds, friendly and so on. I grouped them by my interpretation of what basic emotion was there and started putting them togather. 「この実際の動物の鳴き声のコレクションから、僕は部分ごとに抜き出したんだ。ブーブーいう声、鼻を鳴らす音、甲高い鳴き声、なんであろうとね。ライオン、クーガー、あなぐま、熊なんかのいろんな動物からだよ。鳴き声の一覧をつくったんだ。ここには僕には悲しそうに聞こえる音がみんなあって、ここには怒った声、親しげなもの、なんて具合にね。その声にはどんな感情がこもっているかを判断して分類してから、それらを1つにまとめていったんだ。」
"The next problem was to match the sounds to the Wookiee anatomy. Chewbacca is a furry biped, presumably with lungs, and a mouth. The sound had to be something that you could believe would come from a character who looked like that. And since the mouth would only open and close like Kermit the Frog's, you couldn't give him consonant sounds, because it didn't look right. The sounds had to look as if they were being done in the back of throat. Then, you must find the right emotional feeling. Ultimately, these pieces are all strung togather." 「次の課題は、音声をウーキーの体の構造に合わせることだった。チューバッカは毛皮で覆われた2本足の生き物で、たぶん肺があって、口もある。その声は、そういう姿のキャラクターが発っしてるんだと信じられるようなものじゃないとだめなんだ。それに口がカエルのカーミットみたいにただ開いたり閉じたりするだけなんだから、子音は使えないよ。だってそれじゃあ、おかしく見えるからね。喉の奥でつくられるような声でなきゃならないんだ。それから、その感情にふさわしい感じも出さなきゃならない。最終的に、これらのことがすべていっしょにまとめられたんだ。」
[SLYB17, p.32-33]

■引用集


ヤルア議員


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Ver.1 1999.12.12
Ver.2 2000.3.5フォースのともにあらんことを
ベン・アンティリーズ