言語と文字

銀河基準語(Galactic Basic)

あまり説明の必要もないと思いますが、銀河中に広く普及している標準語です。劇中、英語で話している部分はすべてこの銀河基準語であるということになっています。実際これがどのような言語なのかは一切説明はありませんが、そこまで深く考える必要もないでしょう。強いて言うならば、やはり英語と同じような形式の言語だと思っていればそう間違いはないと思います。

個人的には「基準語」という訳語には違和感があります。しかし、例えばもっと通りの良い「標準語」という語が使えるかというと、普通は Standard が「標準語」に当たりますので、そう単純にはいかないところもあります。そもそも Basic という原語での表現自体がちょっと特殊なもののようですので、訳語の方も「基準語」がやはり妥当なところでしょう。SWEJでは、この違和感を避けるためか、単なるカタカナ訳語の時流に乗ってか、「ベイシック」とされています。

ところで Basic と聞くと、大抵の人、特にコンピュータに関心のある人は、プログラム言語のBASICを思い出すことでしょう。どちらも同じ「言語」ということで、何となく親近感が湧いてしまうのではないでしょうか。さらにまた、言語に関心のある人ならばC・K・オグデン(Charles Kay Ogden)が考案したベーシック英語(Basic English)を思い出すに違いありません。

ベーシック英語とは、厳選された基本単語850語のみで英語を使うというもので、覚える単語が少なければ習得が簡単だという、悪く言えば安直で短絡的な発想に基づいた新言語案のひとつです。その理念はたいへん素晴しいものでしたが、実際には単語が少ないことでその分だけ熟語表現が増えたり、go, take, get などの意味範疇の広い基本単語を駆使するために、かえって英語の知識が要求されたりして、いまひとつ成功には結び付きませんでした。しかし、使用単語数を制限するという考え方は、辞書の記述のために採用されたり、文章を簡潔にするために応用されたりしていて、必ずしも無駄なことではありませんでした。(ちなみに今でもベーシック英語関連図書は出版されています。)

■引用集


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Ver.1 1999.12.12
Ver.2 2000.3.5
フォースのともにあらんことを
ベン・アンティリーズ