Written in Japanese / teksto japane

同人イベント報告

2010.03.20 男の娘☆8

興味があるけど、どんなイベントなのかちょっと不安があって、なかなか参加する勇気が出せずにいるという人の参考になれば幸いです。だいぶ時間が経ってから書いているので、ちょっと不正確なところもあるかと思いますが、あしからず。

ハイライフプラザいたばしの2階で開催された「男の娘」に関係する表現なら何でもOKのイベントです。二部構成で、第一部が同人誌即売会&コスプレ、第二部が懇親会(別途料金)で、どちらの部にもステージショーがありました。テーマが同じなので『男⇔娘ライフ』にも参加していたサークルが多かったです。その際に顔見知りになった作家さんたちとも何人かとは再会できましたが、私のことも覚えていてくれて、ちょっと嬉しかったです。今回は女装コスプレ姿で売り子をされていて、ちょっと印象が違って見えました。規模が小さいので基本は全サークルに回って何かしら買ったので、お小遣いが大変でした。全サークルといっても中には売り子さんが留守中のところもあって、結局買わず終いのところもありました。また、例によって遅れて昼過ぎに到着したので、すでに完売済みのサークルもありました。一冊、表紙の男の娘イラストだけ見て中を見ずに買ったら、中身は女の子のイラストばかりの本がありました。ああ、これが表紙詐欺というやつか……。ちゃんと中身も確認しないといけませんね。(みなさんも目の前の娘がいくら可愛くても、中身を確認しないと痛い目に合いますよ。)

来場が遅かったので買い物の途中で、ショーが始まってしまいました。『天使病』の天使番号9587さんと『百合花-eureka-』のHALさんの共演による歌唱ショーでした。清く澄んだ美しい歌声に場内が崇高にして神々しくも異様な雰囲気に包まれる中、私は舞台に背を向けていそいそと残りのサークルを回って買い物をしていました……。今から思うととても愚かなことをしたと後悔しています。後で調べたら、この天使病はとても興味深いパフォーマンスで、しかも当日が初公演でした。そもそも「天使病」とか「天使番号」とか、かくも素晴らしい造語は凡人の為せる業ではありません。まさに天使病に罹った者でなくてはこのような言語センスを発揮することはできないでしょう。将来、ペンテコステの異言もかくあらんという現場を目の当たりにすることになるやもしれません(大袈裟)。それにしても天使病発症……じゃなくて天使病覚醒をきちんと見なかったのは、なんとも残念で罰当たりなことでした。

(後日、グーグルで検索してみたら「天使病」という表現は他でもたくさんありました。私がものを知らなかっただけですね。でも、このパフォーマンスで初めて「天使病」という言葉を知ることになったのは何かの縁かもしれません。)

しなやかで柔らかいのに力強い歌声のNanoさん扮するシェリル・ノームの歌やドーラー涼ちんの元気いっぱいダンスパフォーマンスなどもありました。

ドーラー涼ちんのダンス

その後、一芸大会が始まりました。一番手はリリー・ブラックに扮した萌野つくしさんによる手品でした。往年の伊藤一葉(古い!)を彷彿とさせる漂々とした芸風でスーパーイリュージョン手作りマジックを披露してくれました。

不文律子さんの歌唱は、当日はかなり遠くから見ていたので印象はそれほど強くありませんでした。しかし後日、その歌唱を動画で見る機会があり、ちょっと印象が変わりました。恥ずかしくて消え入りそうな声で一本調子に歌う様子は決して上手とは言えませんが、何か内面に渦巻く秘めた想いを必死に外に吐き出して昇華させようともがいているようにも見えて、この切なる魂の浄化行為に最後まで目が離せませんでした。

同人歴の長い大先輩女装作家・高城鬼怒香さんによる落語が毎回恒例となっていたらしいのですが、直立不動の何やら神妙な雰囲気で語り出したと思ったら、なんと引退宣言をぶちかましていらっしゃいました。主催側も今回は師匠のために落語用座布団まで用意してあったようですが、突然のことに呆気にとられていました。師匠の落語を一度聴いてみたかったですが残念です。お後がよろしいようで。

これも毎回恒例らしい歌のお姉さんこと折笠麗子さんによる歌のステージがありました。ボーカロイドの亜種(?)らしき格好をしていましたが、引き締まった平らなお腹を出したスタイルがとてもセクシーでした。何か契約上の都合で今回が最後の出演ということでした。女装コスプレの悲喜こもごもを歌った歌詞は会場の共感を呼んでいました。

歌のお姉さんのステージ

ショーの後に残った時間で写真撮影に勤しみ、大勢の男の娘を撮らせていただきました。中にはお持ち帰りしたくなるような可愛らしい娘もいましたが、ナンパ禁止なので我慢、我慢……。まあ、本当は小心者なので声を掛けられなかっただけです。女装のレベルはピンからキリまでありましたが、美人さんも、そうでない人も、みんな和気藹々とした感じの良いイベントでした。すべての女装者に敬意を表して、全員を撮影したかったのですが、撮り切れなかった人、ごめんなさい。

ここでの扮装の種類は二系統あって、メイド、ロリータ、女子高生などの純粋な女装のパターンとアニメやゲームのキャラクターのコスプレのパターンに分かれていました。ここでも東方Project作品のキャラクターがかなり大きな勢力を作っていました。

撮影した東方キャラクター

魔理沙や橙は複数いたみたいですが撮り切れませんでした。他に慧音や咲夜も撮り逃しました。東方軍団に次いで多かったのが何やら襟がピンク色のセーラー服集団でしたが、同人を自称しておきながら実はアニメやゲームにあまり詳しくないので、何のキャラクターかは分かりませんでした。どうもコンピュータ・ゲームのキャラクターみたいです。東方組とセーラー組がコスプレコーナーを二分していましたが、私は東方コスプレ撮影に熱中していたので、セーラー組のほうは1人も撮る余裕がありませんでした。その他では『まりあ†ほりっく』が人気で、鞠也(静珠?)、茉莉花、かなこが何人もいました。他はローゼンメイデン、初音ミク、シェリル・ノーム、結城蛍など。ちなみに綾波レイのコスプレをしている人に対して、危うく「チルノ撮らせてください」と言いかけてしまいました。東方厨万歳!

キャラ系コスプレのうち半分くらいの方については、後日コスプレ・コミュニティ・サイト『Cure』と『コスプレイヤーズアーカイブ』で身元(?)を突き止め、当日撮った写真を贈呈……というか無理やり送りつけましたよ。概ね社交辞令として好意的なお返事をいただけましたが、肝心の写真は機材がショボくて写りが悪いためか、あまり気に入ってもらえてはいないみたいです。でも次回も撮らせてください。

第一部の締めくくりはジャンケン大会でした。参加企業からの提供品やらお菓子やらコスプレ衣装までいろいろな景品がありました。ちなみに私は荷物を増やしたくなかったので不参加でした。ノリが悪いね。

第一部が終了すると会場は一旦閉められて、第二部に向けて場内の再設営とステージ出演者のリハーサルが始まります。その間、コスプレの人は2階会場前のロビー、私服の人は1階の会議室で待機します。コスプレのまま継続して第二部に参加できるのが売りの一つとスタッフの方が話していました。ちなみに私は恥ずかしながら(?)背広姿でしたが、1階会議室で待機ということを知らずに、会場前ロビーでコスプレの皆さんといっしょに待機していました。ロビーといっても狭い空間で、ここに女装コスプレの人たちがひしめき合っていました。私はのうのうと椅子に座っていましたが、立ちっぱなしの人が多かったです。みんな外見が女性なので、私がつい席を譲ろうとして大丈夫ですと断られる場面もありましたが、たぶんみんな私よりも体力はあると思います。しかし、コスプレ集団の中で自分だけ普通の格好というのは、なんとも気恥ずかしかったです。とりあえず第一部で写真を撮らせてもらったリリー・ブラックさんを見かけたので、話し相手になっていただいて、その場をつなぎました。

第二部は立食パーティー形式で、料理はケイタリングでかなり沢山用意されていました。主催者側も料理が余って残りをスタッフが全部食べなければならなくなると大変なので、第二部への参加もお願いします、などと呼びかけていました。みんな外見が女性なので、大量の料理を前にして、つい料理があまるのではないかと思ってしまいましたが、やはり中身は男性なので乾杯と同時にみんな一斉に貪り食い始めて、あっという間に平らげてしまいました。みんなお腹空いていたんですね。その後、コンビニやマクドナルドで急遽食べ物を買い足したようです。

腹ごしらえも終えて、ショーが始まるまではしばし歓談タイムです。私は知り合いもおらず、話し相手もいなかったので、とりあえず片端から声を掛けて写真を撮りまくりました。同じテーブルに付いていらっしゃった前述の落語師匠も撮らせていただきました。師匠は緑色のネクタイを締めた真希波・マリ・イラストリアスのコスプレ姿でした。私は背広姿でしたが、たまたま同じ緑色のネクタイでした。お揃いのネクタイでツーショットを撮りたいなとも思いましたが、初対面であまり気心も知れておらず緊張していましたし、近くに撮影をお願いできる人もいなかったので断念しました。

アニメ顔チェリス

第二部の演目1番目は、美脚ドーラー『アニメ顔チェリス』によるダンスパフォーマンスでした。話には聞いていたヲタ芸というものを初めて見ました。ゲーム音楽や仮面ライダーの曲に合わせて、チョロチョロと細かくよく動いて、気付けば目が離せなくなる中毒性があります。中身は女性かと思えるほどの美脚でした。

アニメ顔チェリスのヲタ芸

2番目の演目はヴィジュアル系バンド『ねこ☆みみ』のライブでした。懇親会の前半に、ステージ出演者ということも知らずに気安く声を掛けて写真を撮らせていただいちゃいました。ボーカルのみぃたんはスイートでキャワいい感じですが、歌いだすととてもパワフルでした。写真は何枚でもOKと言ってくれたギターのしんさんはコケティッシュで、ポーズを取ると裏返る唇がセクシーキュートでした。キーボードのまきゅーさんは、艶やか、しなやか、お淑やかな鍵盤姫で、その姫オーラに緊張してカメラを持つ手も震えました。ゲスト出演の大友るいさんは、クールでホットな格好良い姉貴でした。演奏中の姿も写真に収めたかったのですが、演奏に圧倒されて聞き惚れてしまい、あまりうまく撮れませんでした。もっと格好良く撮りたかったな。ねこ☆みみの生演奏は、強く、激しく、見目麗しく! 素晴らしかったです。横でチェリスさんが演奏に合わせてヲタ芸をかましながらエアギターを弾きまくっていたのも、見ていてとても楽しめました。(近くで天使番号9587さんが『しゅごキャラ!』の格好でピョンコピョンコ跳ねていましたが、たぶん天使病の症状の一つだと思います。)

ねこ☆みみのステージ

今回の『男の娘☆8』は第8回に因んで、懐かしい人には懐かしい『8時だョ!全員集合』がテーマで、スタッフやチェリスさんも全員集合のはっぴを羽織っていました。第二部終盤の夜8時になると、あるハプニングが起きるとのことでした。ところが、手違いがあったらしく、スタッフ曰く、ハプニングが起きないというハプニングになってしまいました。だいぶてこずった後に、ようやく会場の照明が真っ暗になるというハプニング(?)が起きました。カトちゃんの「ちょとだけよ〜。あんたも好きねぇ〜」でも始まるのかと思いましたが、全員集合関連の曲が流れた後、そのまま何事もなく復旧しました。結局何がやりたかったのかよく分かりませんでした。(後で調べたら、番組公開放送当時、人数制限で入場できなかったファンがブレーカーを落としたため会場が停電になったハプニングがあったそうです。これの再現だったかのな?)

小規模ながら同人誌即売とコスプレのみに留まらず、楽しい演目が盛り沢山でした。全体的に手作り感が強く、主催者のみなさんの面白いイベントを作りたいという想いがしっかりと伝わってきました。主催者、ステージ出演者、一般参加者の距離も割と近く、会場全体に一体感のある良いイベントだったと思います。今後、益々発展していって欲しい反面、あまり巨大化して欲しくない気もします。

最後に掲載許可OKの人が集まって集合写真を撮りました。

男の娘☆8集合写真

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作成者:姫楼しん(きろうしん)/公開日:2010-06-06
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Farita de Sin kiro el Japanio / Aperis en 6 jun 2010
Chefpagho: Konkelspiro