■ 事件(3) - 金策 -

事件(1963/8/26)の約一週間前,IYさんは借金の返済に困り,TTの大家のOさんにオートバイを担保にして金を借りることにした.TTさん,IYさんとOさんで交渉になったが,OさんはIYさんに金を貸しても戻ってこないという理由で,オートバイを売るというなら金を渡すと主張し,オートバイは担保だというIYさんと話がまとまらなかった.ところが,そこに借金の取り立てがきたため,とりあえずIYさんはOさんから金を受け取って支払いをし,この場は,条件が曖昧なまま収まってしまった.

1963年8月25日のTTさん,IYさんの行動は,時刻は正確ではないが,だいたい以下のようなものである.

15時過ぎ:Oさんがオートバイを他人に転売してしまったため憤慨したIYさんとOさんがTTさん宅で口論
16時過ぎ:IYさんと金融ブローカーTSさん,八日市場に金策に行く打合
19時20分頃:IYさんとOさんがTTさん宅で再び口論
19時50分頃:IYさんがTTさんの車を運転してIAさんと借金の形に取られていた家屋敷の権利証を銚子EH宅まで借りに行く
20時20分頃:IYさんとIAさんがTTさん宅に戻り,IYさんはTTさんの車で一旦自宅に戻って夕食(ご飯,味噌汁,おしんこ)をとる
20時45分頃:TTさん宅に戻ったIYさんがTTさんの車を運転して金融ブローカーTSさんと八日市場に出発
22時40分頃:TSさん運転で八日市場の金融業EMさん宅出発(22:40〜45頃).EMさん宅でIYさんはグレープカルピス(普通の大きさのコップ)を飲む

オートバイの件についてIYさんは相当興奮していたようで,IAさんに鎮静剤でも飲んだらとか,IMさんに運転するのは危ないと言われ,判決文にも「大いに憤慨し,その相手と強く争論したため,痛く興奮」とか「尚興奮しながら」と書かれている.

IYさんが千葉県八日市場に出かけたのは,以前からTTさんがIYさんから頼まれていた金策が,TTさん,Oさん,金融ブローカーTSさん,八日市場の金融業者EMさん,の順番に話が進み,IYさんと金融ブローカーTSさんで八日市場の金融業者EMさんのところに行くことになったためである.IYさんは約800平米の家屋敷の権利証を担保にして120万円を借りようとしていた.八日市場のEMさんからの借り入れができれば借金を返すということで銚子のEHさんから家屋敷の権利証を受け取ったらしい.



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