非線型スロットルってナニ?

ロドスタが1800になった時(この1800はのちにSr1と呼ばれる事になる)、スロットルバルブが非線型スロットルになった。これは当時のカタログで偉そうに自慢されてたのだが、あまりにも不評でこっそりと予告無く線形スロットルに変更された(笑)。この切り替わりはマイナーチェンジとも言われなかったので知らない人も多い。FireRoadsterではこのスロットルバルブの違いでSr2とは別に、Sr1を前期と後期に分けている。これについてはこちらに書いたのでご参照あれ。つまり、この非線型スロットルってヤツが採用されてたのはSr1の前期のみであり、その期間はとても短い。もちろんNA6CEは通常の線形スロットルであるのは言うまでも無い。NBシリーズも同様だ。

この非線型スロットルってヤツが何なのかその意味を知らないヒトも多い。特に中古で手に入れたヒトなどは当時のカタログも見てないわけで、何の事だかサッパリ解からんと言われても仕方あるまい。これから中古を買おうってヒトも同様で、当サイトでは酷評されている非線型スロットル付きのSr1前期を避けて購入したいってヒトも多かろう。んで、それに関する質問がやたらと多くていい加減に嫌になってきたのでWebにまとめてみよう(笑)。

スロットルバルブとは、言うまでも無く吸入空気量を制限してエンジンが発生するトルクを制御するモノである。吸気通路途中に設けたバルブで制御するわけ。ここでちょっと考えてみて欲しい。アクセル開度に関係なく、スロットルバルブそのものの開度を考える。スロットルバルブ全閉を0度、全開を90度と仮定する。0度〜10度まで踏んだ時の吸気量増加の割合はかなり大きい。10度〜20度の増加率も大きい。10度と20度じゃ断面積は大違いだ。では、80度から90度まで踏んだ時の増加率はどうだろう? 80度と90度の断面積なんか対して変らん。 同じ10度でも踏み始め付近の10度より、踏み終わり付近の10度の方が吸気量の増加率は小さいのだ。この場合、0度〜10度とか20度まで踏んだ時は大きくトルクが発生するが、80度まで踏んだ状態から更に90度まで踏んだ時はほとんどトルクに差は出ないわけ。そこで、アクセル開度に対するスロットル開度を二次曲線的にしてしまおうってのが非線型スロットルだ。

上のグラフを良く見てその意味を把握して欲しい。スロットルバルブ開度に対してエンジントルクをリニアにしたいってのが非線型スロットル。非線型スロットルよりも線形スロットルの方が踏み初めで大きくトルクが発生する。これは単に踏み初めでは同じアクセル踏み込み量でもでも線形スロットルの方がスロットルバルブの開度が大きいからなんだけど。

この非線型スロットルは実は多くのメーカの多くの車種で採用されている。この方が扱いやすいしスムーズに走れる。特に大排気量大トルク車では当たり前のように採用されている。プライマリスロットルとセカンダリスロットルの2個のスロットルを使っているエンジンもある。FC3SやマークII系GX71以降の1G-GEUなどのエンジンがソレ。

でもね、小排気量ローパワーのロドスタでコレをやってしまったのが大きな間違い(笑)。単にクルマが重く感じてレスポンスも悪く感じるだけなんだよねー。1600に比べて2Kgf/mもトルクアップしてる1800が、1600よりも重く感じるのはコレと4.1ファイナルと数十Kgの重量増が原因だろう。で、あまりにもクルマが重く感じて不評だったSr1は、Sr1後期でこっそりとスロットルを普通の線形スロトットルに戻し、RSリミテッドではファイナルを4.3に戻してフライホイールも軽量化した。そしてSr2へとマイナーチェンジ。16bitのクソECUで燃調と点火時期を変更。これでなんとか巷の評判は取り戻したと...。

んなわけで、要するに非線型スロットルは失敗だったと言うわけだ(笑)。

で、その線形スロットルと非線型スロットルの見分け方を載せておこう。

Sr1後期以降 線型スロットル

↑ただ普通にスロットルワイヤがスロットルバルブを開く構造。

Sr1前期 非線形スロットル。

↑変なリンクを使ってアクセル開度に対するスロットル開度を変更してるわけ。


スロットル単体で並べた。

これでも意味が解からんとか見分け方が解からんと言われちゃどーしよーも無いです(笑)。

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