迷わん vs ミニゴリラ

前回はミニゴリラ単体をレポートしたが、今回は「迷わん」と「ミニゴリラ」の比較テストだ。前回のネタを読んでないヒトはそちらも読んで頂きたい。

今回は、銀プレッサバンに「迷わん」と「ミニゴリラ」を並べて付けて同じ目的地に向けてナビらせてみた。見た目のサイズはご覧の通り。筐体全体もデカいが画面もデカいゴリラ。ハードウェアスイッチが乱立する迷わんに対し、ミニゴリラにはスイッチは存在せず、すべてタッチパネルのソフトウェアスイッチになっている。

タイトル写真は出発地を100mスケールで表示させている。同じスケールで表示させると画面に映る範囲はゴリラの方が圧倒的に広い。左の迷わんでは表示されていない信濃川がミニゴリラには表示されている。迷わんを250mに設定し、ゴリラを200mに設定すると見た目の範囲はかなり近くなるが、画面のサイズが違うので迷わんの方が小さく見える。

今回は長岡市内から新潟市内のアストロ工具屋を目指す。


ゴリラでルート表示。迷わんはルート全体を表示させる事は出来ない。


左が「迷わん」右が「ゴリラ」(以下同様)。

迷わんの右上には「1:43」と表示されているが、これは目的地まで1時間43分で到着するという意味で、カウントダウンされていく。左上の「65Km」が目的地までの距離で、現在時刻の表示は出来ない。 つまり、ずーっと止まっていても表示は更新されない。

一方、ゴリラは左下に目的地までの距離と到着予想時刻が表示されていて、右上が現在時刻だ。迷わんと違って、到着予想時刻なわけで、ずーっと止まっていると、その分だけ予想時刻は遅れていく。逆に速いペースで走ると早まっていく。

これ、到着予想時刻を表示するのと、到着までの時間を表示するのと、どちらが便利なのか? 私は予想時刻を表示してくれた方が良いと思うのだが? 残り時間の表示だと、予定より進んでいるのか遅れているのか解らない。到着予想時刻だと、休憩すればその分だけ遅くなるし、ペースが遅ければその分け遅くなるので、今後の予定が読み易い。

ちなみにゴリラの到着予想のアルゴリズムは、高速道路80Km/h、一般国道45Km/h、地方道30Km/hで走ったとして計算している。これがかなり正確に命中するのだが、それぞれの平均速度の設定を変更する事も可能だ。私はそのまま使っているが、かなり正確に命中するので感心している。


これは、出発から数分の、とある交差点...。


お前ら...ナニ考えてるんだ?(^^; つか、「迷わん」よ、お前が逆に行ってるとしか思えないぞっ!

ナニが起こったのか? 実は、迷わんとミニゴリラで全く違うルートを選択したのである。迷わんは国道116号を選択、ゴリラは国道8号を選択した。ちなみに、長岡中心部から新潟に向かう場合、地元民ならほぼ全員が迷わず国道8号を選びます(笑)。

迷わんの言う事は無視して国道8号方面を目指す。迷わんはリルートするが、やはり116号に戻そうとする。それも無視しているうちにやがて8号線に向かうようになった。だが、一般道から国道まで導く細かい道は迷わんとミニゴリラで微妙に違う。私は双方を無視する形で走る。双方が同時にリルート開始っ!

迷わんは「リルートします」と騒いでからリルート。ゴリラはナニも無かったかのように静かにリルート。リルート速度はほぼ同等でどちらもかなり速いのだが、傾向として、迷わんは元の道に戻そうとする、ゴリラは前進方向で新たな道を選択する、という感じが強い。

なんとか8号線で落ち着いたのもつかの間、なぜか迷わんは8号線から外れてあらぬ方向へ向かおうとする。なぜだ? ありえないぞ、迷わん。


白いのが国道8号線ルート、黒いのが高速道路、右側の黄色線が迷わんが選んだ加茂市を通る謎のルート。左側の黄色が迷わんんが最初に選んだ116号線ルートだ。

で、何度かリルートするも、なぜか加茂市を通ろうとする。なぜに加茂るのか?距離を優先しても主要道路を優先しても、加茂る必要はまったく無いハズ。迷わん、思いっきり迷う(笑)。

それでも無視し続けるウチにあきらめて国道8号を選択。そこからは特に問題無かった。


コンビニ休憩後のエンジンスタート直後。瞬時に地図画面が出て衛星を捕捉するのはミニゴリラ。迷わんは「起動中...」の画面が長い。起動後も警告文が出たままになり、OKを押さないとしばらくそのままになる。

そして目的地到達直前で、最後の左折まで案内したのはミニゴリラ。最後の左折を案内せずに「目的地周辺です」で終了したのは「迷わん」だった。リルート時はあきらめが悪いのに、到着時はあきらめが早い。

その後、立体駐車場の中でグルグル回る。暗い立体駐車場の中で、ミニゴリラは周囲の照度に応じて自動的に減光&反転表示されるが、迷わんは明るい昼間表示のままだ。迷わんは18時になるまで自動減光はしない。この為、実際に夜になったとしても、日が長い時期や日が短い時期には減光のタイミングが実際の明るさに合わずにズレるわけである。

その立体駐車場から出た直後、迷わんは数秒で衛星を捕捉、自位置を表示した。ミニゴリラはそれから送れる事約10秒で自位置を表示。起動は遅いが、起動していれば衛星を捉えるのは迷わんの方が早いようだ。

帰りは高速道路を使った。18時を過ぎて迷わんも反転表示された。


暗闇に浮かぶ両機の画面サイズはこんな感じの見た目になる。3.5inと4.5inの差は意外と大きく見える。ゴリラの方が明るく見えるが、これはオートディマの減光具合の設定が明るめになってる為。


高速モードで表示。この先のインタ情報などが表示される。ミニゴリラは右画面を消す事が出来るが、迷わんは高速道路では自動的にこのモードになってしまい、右画面を消す事が出来ない...のだが、左画面を消して右画面を全域に拡大する事が出来るのはナゼなのか?(笑)。迷わんでは、右画面が邪魔で、高速を降りた直後の道を予測しにくく、道に迷う事が実際に有るらしい。

ミニゴリラではSAやPAの機能も表示される。レストランが有るとかスタンドが有るとか軽食が食えるとかはアイコンで表示され、画面をタッチすると、更に詳細な情報が文字で表示される。SAの特徴やお勧めのお土産情報まで表示されるようだ。

迷わんではオービス情報や取締りが頻繁に行われている場所での警告が出るらしいが、ゴリラにはそんな機能は無い。この点は迷わんの方が上だと思った。

それ以外ではジャンクションや出口での側道の表示、インタの表示など、迷わんとは比べ物にならないくらいゴリラの方が見易く解り易かった。

さて、それでは目的地を実際に検索した場合の使い勝手を見てみよう。

市内某所から長岡駅を目指すとする。長岡駅を検索するのは両機とも割と簡単だ。


だが、検索結果を見るとなると両機には大きな差が有る。ゴリラではルート全域が見渡せるスケールで全域が表示される。しかし、迷わんでは500mより広域な表示が出来ない為、ルートの確認は文字情報のみになる。これではどこを通ろうとしているか解らない。もちろん、長岡駅までの道なので予測は付くのだが、これが知らない土地だったらまったく解らない。

筑波サーキットまでのルートを検索させてみた。ゴリラでは4つのルートを同時検索できる。お任せ、距離優先、一般道、有料道路。


ゴリラ画面。お任せルートと有料道路ルートは同一となった。関越高速、外環、常磐道、かな?


ゴリラ画面。一般道。17号三国峠、50号、県道、かな? 一般道で検索しても場合によっては一部だけ高速を使う事もあるようだが、今回の検索ではオール一般道。


ゴリラ画面。距離優先。関越高速道、354号、県道、かな? 距離優先の場合、一部だけ効率的に高速道路を使っている。私が実際に何度か使ってるのがこのルート。

この検索画面では距離と所要時間が表示されるが、実際に案内をスタートさせると到着予想時刻が表示される。


迷わん、筑波サーキット検索結果。上は2枚とも迷わんの画面だ。迷わんでは複数のルートの比較は出来ないし、検索されたルート全体を見る事も出来ない。ルートの確認は文字で見るしかない。文字で見ると伊勢崎ICを降りてるようで、距離や所要時間から予測すると、距離優先でゴリラの3つ目のルートとほぼ同じルートを選んでいるのではないか? それを確認するには、500mスケールの画面を延々とスクロールさせるか、シュミレーション走行させてみる以外に手は無い。

続いて、私の知人が経営するステキなペンションフレージェを検索してみた。「フレージェ」での検索では両機ともヒットせず。ミニゴリラではお菓子屋さんが数件出てきた。 カテゴリ検索などで出るカモしれないが、どのカテゴリに入っているか良く解らない。そこで、とりあえず携帯電話で「フレージェ」を検索。一発で住所と電話番号が解った。

ゴリラでは電話番号検索で一発表示! 画面上に「フレージェ」と表示されている。完璧だ。

迷わんは...電話番号検索が出来ないので、住所で検索したいのだが、住所の漢字を何と読むのか解らず、検索に苦労する。なんとか検索に成功するが、地番検索までは出来ずに大体の位置が表示された。

実際の運用での検索に関しては、迷わんとゴリラでは雲泥の差が有るように思う。まず、迷わんで致命的なのは電話番号検索が出来ない事。ゴリラでは可能だし、もしも登録されていなくても、電話番号だけでも大体の位置は表示される。そこから手動スクロールで絞り込むのは簡単なわけ。

ところが、迷わんでは電話番号検索が出来ない為、住所検索で追うしかない。手動スクロールさせて探す場合、最広域で表示させても500mスケールにしかならない為、500mスケールを延々とスクロールさせて探す事になる。ゴリラでは日本地図全体が見えるくらいのスケールまで表示できる為、手動スクロールで検索する事もソレほど難しくない。電話番号検索が出来ない事と、広域表示が出来ない事が重なり、迷わんは目的地を検索するのが大変なのだ。


現在地で周辺のコンビニを検索してみた。同じコンビニが同じ順序で表示されいてるのだが、アイコンと共に距離や方向まで表示されるミニゴリラに対し、迷わんは素っ気無い。また、検索数もゴリラ93件に対し、迷わんは20件ほど。これは検索している範囲の差だと思う。


周辺の駐車場を検索。迷わんでは駐車場は存在せず。ミニゴリラでは57件が検索された。


ガソリンスタンド。コンビニとほぼ同等の結果。


周辺検索のトップ画面。12件に分類しているのは迷わん。21件に分類しているがミニゴリラ。迷わんではアイコン表示なので意味が解り難い。ここから迷わんの「ファミレス」を選び、ゴリラの「食べる」を選ぶ。


ゴリラでは次の階層で食いたいモノの種類を選ぶ。27件に分類されいている。


迷わんよりも1階層多いがファミレスのカテゴリまで行くと同じモノが表示される。ゴリラではアイコンと距離と方向が表示されるのはいつも同じ。

より多くの情報を3階層に分けて詳細に分類しているのがゴリラ、2階層で分類しているのが迷わん。

ゴリラではいろいろなお店をアイコンで表示しているが、コレを地図上に表示させるかどうかを細かく設定できる。病院や学校とか警察所などの、一般の地図に表示されているようなランドマークはデフォルトで表示されているが、お店などのランドマークは個別に設定するのだ。


300種類のランドマークを細かく設定可能。例えば、コンビニを表示させたい場合...


すべてのコンビニを表示させる事も出来るし、7-11だけとか、セーブオンだけとか、個別に好きなように設定できる。

このように、各種のカテゴリ別に分けられたランドマーク、それぞれ表示させるかどうかを自由にカスタマイズ出来る。

というわけで、ミニゴリラと迷わん、雲泥の差が有った。512MByteと1GByteの差以上に、ナビとしての出来具合、インタフェイスの解り易さなど、とにかくその差は大きい。

痒いところに手が届くゴリラ、痒いのに手が届かない迷わんって感じかな?(笑)

トップページへ