BIT CHAR-G Tune up

大流行の兆しを見せるBIT CHAR-Gだが、実は買ったままだと調子が宜しくない。ステアリング操作に対して反応が1テンポ遅れるし、ステアリングの戻りも悪い。狙ったラインに乗らないのでコースを走るのは困難極まる。1.0モータだと速度が遅いのでステアリングレスポンスの遅れも大した影響ではないのでラインをトレースできるのだが、2.2以上のモータだとステア操作の遅れは致命的で、広い場所を自由に走る程度の事しか出来ない。

が、これは本来の姿ではないという事が判明した。簡単な加工で驚くほどのステアリングレスポンスとコントローラブルな特性を得る事が出来るのだっ!

キモとなるのはステアリング可動部品とその摺動部のバリ落しとフロントホイールアライメント調整である(笑)。


まずは透明カバーを外す。このカバーは前側のツメを先に外して後ろにズラすと簡単に外れる。後ろ側から外そうとするとツメが折れので注意(すでに1個所折ってしまった(^^;)。透明カバーが外れたらメカデッキを外す。前側を浮かせてネジが見えればそれでOKなので、あんまし無理矢理持ち上げる必要は無い。コイルの配線を傷めないように気を付けるべし。


ネジを外したらフロントアッパーデッキの前側を支点にして後ろ側を持ち上げて起こすようにするとアッパーデッキがハズれる。するとステアリング機構が露出する。


アッパーデッキ裏面。アップライトやタイロッドに相当するT型のバーが摩擦する部分にバリや凸凹が有るのでそれを綺麗に仕上げる。ニュートラルへ保つ為のリテーナスプリングも摩擦するのでその部分もバリが有るようなら削る。


このパーツの加工が最大のキモ。いわゆるタイロッド?である。このピンセットで掴んでいる先端部分の前側面や角に強烈なバリやデコボコが有る。これが引っかかって巧く動作してくれない。角を徹底的に落とす。上面や下面なども角を落とす。磁石は接着されているのだが、これが落下の衝撃などで外れてズレている場合が有る。この場合は瞬間接着剤などで固定する。接着剤のバリなどが出ている場合はもちろん修正する。尚、磁石の向きを間違えるとステアリングの動作が左右逆になるのでご注意。この磁石はかなり強力なようで、タイロッドを置くと地磁気にさゆされてフワフワとかってに向きが変ったりひっくり返ったりする。工具を近づけると張り付くのでご注意。


ネオI爪氏からもらったチタン製ピンセットが大活躍なのだ。磁石にくっつかないから組み立てが楽なの。


このピンセットでポイントしている部分にも大きなバリが有るので落とす。


アッパデッキを裏返しにしてタイロッドとアップライトを組み、各部がどう摩擦しているのか見極める。摺動部をすべてチェックしてバリを落とすのだ。

ここまでやるとステアリングの左右差は無くなり、左右共に綺麗な小回りが描けるようになる...のだが、やはり2.2以上のモータだとステアリング戻りの遅れが目立つ。切れは良いのだが、戻りがワンテンポ遅れるので切換しが間に合わないし、狙った位置で直進に戻ってくれないのであらぬ方向に進む。これはセルフアライニングトルクが足らんと見た。セルフアライニングはスプリングでやっているわけだが、このスプリングを強くするとステアリングが切れなくなる恐れが大だ。やはりここは正統派にホイールアライメントでやるべし。


アップライトに余っている穴に適当なシャフト(この場合は適当なサイズの精密ドライバ)を突っ込んで、このシャフトとタイヤを掴んでハンドパワーでハブシャフトを曲げる(^^;。こ作戦でハブシャフトを曲げる事でトー角度とキャンバは自由自在なのだが、キャンバは付ける必要無さそう。尚、この技を最初に実践したのは友人Tである(笑)。

実はステアリング回りのバリ取りを徹底的にやった私のFDと、バリ取りとトー調整をやった友人TのR34で動きが大きく違ったのだ。トーインを付けたR34は実に素直な動きでコントローラブルだし、ステアリングの戻りも素早くてS字の切換しで狙ったラインにビシっと乗ってくれる。だが、私のFDはステアリングの左右差と切り込みは良くなったものの、戻りがどうしても遅れる。各部のバリ仕上げは同等なので、やはりトーインの問題としか考えられない。そこで私も実際にトーインを付けてみた。


トーインはこれくらい。かなり激しいトーインだが、ガタが多いのでガタをアウト側に押さえるとトーゼロに見えるくらい。ノーマルはガタをアウト側に押すと超トーアウトになる、

で、やっぱしコレが大正解! 直進性は抜群に良くなるし、ステアリングの戻りもスパっと一発で綺麗に戻るようになった。送信機の操作に遅れる事無くビシバシ反応する様子は実に楽しい。狙ったラインに乗るのだ。これなら2.2モータでも快調に走れる。トーイン調整とバリ取りこそがビットチャージチューンナップのキモだっ!

だが、トーインを付けすぎるとアンダーステアがキツくなり、小回りが利かなくなる。でもアンダー気味の方がまともにコントロールできるので良いと思う。テーブルの上で作ったくらいのコースで遊ぶならトーインを付けた方が絶対に面白いぞ。

そもそもコレって2.2モータ付きで発売されてるのに、あとから1.0モータ付きが追加されているってのは、やはり2.2モータだとステア操作が追い付かなくてコントロールできないという問題の対策なのだと思う。根本的にはバリやトーインの問題なわけで、これらを解決する事で2.2モータでも十分にコントロール可能なステア特性を得られるのだ。やはりこれは皆さんもチューンしてこの快調な動作を体感してほしいぞ。

そうそう、モータだが、1.0、2.0、2.6、3.0(と試したが、2.2モータが一番速いみたい。2.6は遅いし、3.0は立ち上がり加速が悪すぎるのと、スロットル操作に合わせてノイズが入るようで動きがギクシャクする。消費電力が大きすぎてノイズが入るのではなかろうか? 3.0モータにはLucifer Roterって書いてあって、かなり期待したのだが...。そんなわけで、2.2モータ付きを買ったヒトはあえて他のモータを買う必要はないと思う。1.0モータ付きを買ったヒトは2.2モータを買う事をお勧め。無い場合は2.6でも良いけど3.0はやめた方が良さそう。ちなみに3.0モータは友人Tと私が買ったのだが、どちらのモータもどちらのマシンでもイマイチで、やはり2.2か2.6の方が調子が良かった。

尚、このページを見てBIT CHAR-Gをバラして破壊してしまっても私は知りません。トー調整に挑戦してアップライトが壊れても私は知りません(^^;;;

最初のBIT CHAR-Gネタへ

トップページへ

.