フュエルバンク EVO II
2009エコランアタック

今年のエコランの為のネタを捜しに某トバックスへ行ってみた。 そこで発見したのがコレ。無料貸し出しお試しが可能らしい。 今流行の電気系オカルトグッズだ。タダで借りて試せるならやってみたい。

私:「すんません、コレ、貸し出しして頂けるんですか?」

店員:「はい。お車は何でしょうか?」

私:「普通の銀プレッサです。GF6っす」

店員:「スバル用のヤツは貸出機で用意出来ないのでコチラのモノになりますが...」(青いスバル用の商品と金色の普通の商品を指差しながら...)

私:「あー、何でも良いっすよ」 (スバル用だと色が違うのかな?)

店員:「排気量は...?」 (with 眉間にシワを寄せながら真剣な表情)

私:「1800っす。安っぽいフツーのエンジンです」

店員:「1800ですか.......。2000cc以上だと...こちらがお勧めです」(5万円のSPIIとか言うモノを指す with 眉間にシワを寄せながら真剣な表情)

私:「いや、だから、1800ですけど...」

店員:「こちらだと付けた直後からちょっと乗っただけで誰でも解かるものスゴイ効果が出ます。」(SPIIを指しながら自身満々 with 眉間にシワを寄せながら真剣な表情)

私:「あ、そう。で、こっちは?」

店員:「こちらだと効果が小さいので、2個付けると言う手も有ります」

私:「....。ソレ1個で良いです」

店員:「こちらのSPIIを買って頂いて、万が一効果が無いと感じたら1ヶ月以内なら返品して頂いて結構です。こちらは本当にスゴイ効果でして、付けた直後からスゴイ効果を誰でも簡単に体感出来ます」

私:「いや、それは要らないので普通の貸出機を貸してください。1週間後に返却で良いですか?」

店員:「1週間後でも構いませんが、1週間とは言わずに5分でも効果をハッキリ体感出来るハズです。ちょっとそのへんを一回りするだけでも十分に解かるハズです」(眉間にシワを寄せながら真剣な表情)

私:「ふーん。で、貸出機を試したヒトってどうしてます?」

店員:「多くの方がお買い上げ頂いてます」(自身満々)

私:「....あ、そうなんですか、ソレはすごいですねっっ!」

で、貸し出し手続きに入る。借りて帰ろうかと思ったら、どうやら取り付けをやってくれるらしい?

私:「いや、自分で付けますよ。バッテリマイナスとコアサポートに付けるんですよね?」

店員:「いえ、お客様が取り付けて効果が出ない場合も有りますので、当店で責任を持って取り付けます」

私:「いや、だって、マイナスとコアサポートでしょ? 私が付けますよ」

店員;「いえ、取り付ける場所によっても効果が違いますし、ただ付ければ良いってモノではないんです。付ける場所が重要なんです」

あー、そう。じゃやってくれよ。んで、某トバックスで付けてもらったのだが、その取り付けは悩むわけでも熟慮するわけでもなく、説明書通りにバッテリマイナスとラジエタコアサポートに共締めしただけ。取り付け場所を磨くとかなんかやるのかと思ったら、フツーに付けただけ。 オレが付けるのとナニか違うのか????? 取り付け方法や場所によって効果が違うと豪語していた店員、どういう判断で説明書通りに付けたのか? また、本当に取り付け場所で効果が違うとして、その違いをどうやって見極め、どう判断して最適な取り付け方法を導き出すのか? 謎は深まるばかりである(笑)。

しかし、マイナスからボディアースって事はアース線に並列に付けただけ。 極性も無いようで、どっち向きに付けても良いらしい。と言う事はコンデンサじゃないしダイオードでも無い。トランジスタなどの半導体も使ってないんだろう。そう言えばこの手の商品には需要なハズのLEDなどの点灯や点滅などの装飾が付いてない。 そもそもバッテリマイナスとボディとの間には電位差が無いので、LED点灯回路も含めてどんな電気回路も電子回路も成り立たないんじゃないのかね?

メーカの能書きによると、静電気を除去して燃焼効率を上げてどーのこーの???? 地面にアース線を垂らした方が簡単なのでは? バッテリマイナスとボディを繋ぐ箱の中にどんな科学的スーパー回路が有ったとしても静電気を除去するなんて不可能では???? 突っ込み所満載。

と言うわけで、とりあえず付けてもらったまま私は触らず、エコランアタックに行く事にする。私自身に変なバイアスが掛かるのを防ぐ為、事前の調査は一切やらなかった。ネット上の検索なども一切やならかった。つまり私はこの商品の詳細をまったく知らない。貰ってきたパンフレットに書いてある能書きとかインプレッションやら講釈書きを読んだだけ。原理も正体も全く知らないまま実験する。

で、いつもの326Kmの定例燃費テストコースを走る。国道と地方の峠、高速道路などを含む実践的なツーリングコース。

長岡のGSをスタート > 一般国道 > 登り峠 > 温泉泊

翌朝 登り峠 > 下り峠 > 国道 > 高速道路 > 長岡IC > 国道 > 長岡のGSでゴール

合計 約326Km

同じ時期、同じコース、同じ走り方、究極のエコランアタック。


305Km定点撮影では燃料計は半分を大幅に越えている。マジ?(^^; そもそも305Kmで撮影したのは、初期の頃、燃料計半分の時が305Kmだったから。なので、305Kmで燃料半分だと14Km/l台なのよ。

で、結果は...?

15.65Km/L

というわけで、タイヤなど他の条件が同一だった2006年をベースに比較すると、98.55%となり、1.45%の燃費悪化となった。事実上誤差の範囲と言え、フュエルバンクに効果が無い事を証明する結果となった。

実験日 走行距離 使用燃料 燃費計算値 01〜04年までの平均値との比 2005年との比 2006年との比 備考
2001/5/4 328.0Km 21.5L 15.25Km/L 101.90% - - 過去最高値
2002/4/27 324.3Km 22.0L 14.74Km/L 98.50% - - トラックに邪魔された年
2003/5/8 327.6Km 22.0L 14.89Km/L 99.50% - - 酵素系添加剤 玉砕
2004/5/10 324.8Km 21.7L 14.96Km/L 100.00% - - 放射線モノ 玉砕
2005/5/10 325.8Km 20.9L 15.58Km/L 104.10% 100.00% - NNL690 事故渋滞有り
2006/5/9 325.6Km 20.5L 15.88Km/L 106.15% 101.93% 100.00% エコタイヤ + エコオイル
2007/5/7 325.9Km 20.0L 16.30Km/L 108.96% 104.62% 102.64% 希薄燃焼 A/F 16.0
2008/5/12 326.5Km 20.10L 16.24Km/L 108.56% 104.24% 102.27% 清浄剤(燃料添加剤)
2009/5/18 326.9Km 20.89L 15.65Km/L 104.61% 100.45% 98.55% フュエルバンクII 玉砕

実は私の事前予想は 15.9Km/L だったのだ。その根拠は、まず製品自体に効果がまったく無いと予想、それ以外の条件が2006年と同一だから。2006年が 15.88Km/L だったので、ほぼそれと同等の記録になるハズだと。不確定要素だったのが、2008年のSTP清浄剤の効果が残っているのかどうかだった。STPは6000Kmごとの使用を推奨しているので、約10000Kmほど走っている今年は清浄剤の効果は切れている? 結果の数字を見るならば、清浄剤の効果はすでに切れいていてリセットされており、尚且つフュエルバンクIIの効果が皆無であった事をデータが完全に証明してくれたのではないか? 私の事前予想すら下回った

というわけで、個人的には何の効果も無い詐欺商品だと断定しましょう。

この詐欺商品を分解してみようかと思ったのだが、借り物を綺麗に分解して元に戻すのが困難と判断して分解するのは諦めた(^^;


高級感あふれるヒートシンク的なアルミケース。ゴールドアルマイト処理。


高そうに見える半透明な絶縁被覆処理が施された極太の配線。そもそもバッテリマイナスとボディを接続する単なるアース線なので絶縁の必要は全く無いのでは?(笑)。


適度な重量感と存在感。効果が有りそうと感じさせる高級感あふれる外観や、それなりの質感を感じさせる重さが重要だ。中身なんか何だって良いのだ。配線なんか中で繋がってない飾りでも良いのだ(笑)。



とりあえずいろいろ測定してみた。ダイオードテスタでは極性は無し。ま、そりゃそうだ。そもそもどっち向きに付けても良いのだから。しかし、私が詐欺商品の企画をするなら、意味が無くても極性を記しておくけどなぁ。その方が意味有りげじゃん?(笑)


抵抗値は限り無くゼロΩ、ケースが途中に存在するだけで中身は直結な単なるアース線では?


ケースには鉄が貼り付く。どうやら中身は磁石らしい。抵抗値ゼロΩで磁石入り????

この商品の中身を分解して紹介しているサイトがこちら。無断リンク失礼(^^; 許可を頂きたかったんですが、ミンカラのサイトに連絡をとる手段がありませんでした(^^;

上記サイトによると、配線は銅のケースの両端に接続されており、この時点で電気回路的には単なるアース線と同じ。銅のケースの中にどんな回路が詰まっていようが、電気的には(電子回路的にも)タダのアース線に過ぎない。その銅のケースの中には磁石とシリコンとトルマリン?と思われるモノが入っているとの事。まさにオカルト宗教状態。

この商品、知ってるヒトも多いと思うが、公正取引委員会から排除命令を受けている。メーカ側は10.15モード燃費測定では効果が無いが、独自調査や専門誌の調査では効果が有り、当該製品の効果は確かなモノだと主張している。今回私は実践的な実走行でテストしたわけで、コレで効果が皆無だった事は間違いない事実。

付けてもらった直後も、私が外した直後も、まったく違いは感じられなかったし、誰でも解かるスゴイ効果というヤツは私にはまったく解からなかった。もちろん燃費の差も無かったわけで、やはり詐欺系オカルト商品だと私は思うのだが?

その何の効果無いオカルト商品に対して各方面から以下の評価が出ている。

公的機関の調査も、レーシングドライバのインプレッションも、雑誌の評価記事も、すべて信用出来ないという事が解かって頂けるだろうか? 上記で紹介されている雑誌やレーシングドライバは、スポンサの意向に合わせた提灯記事を書くという事が証明されたので、ここで晒し者にしてあげます(笑)。

ちなみに、この手の電気系デバイスを自作して実験、驚きの結果を得たF&Fこちらも見た事無いヒトは見てね。ウチのアース実験ネタも脅威的なアクセス数がずーっと続いてます。見た事無いヒトはそちらも合わせてご覧有れ。ウチのホットナイナズマねたも驚異的なアクセスが続いています。


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