太陽コートを試す

太陽コートに付いては発売元であ(株)新日本交易のページで非常に詳しく解説されているので是非そちらを見て頂きたい。ボディが汚れる原因や汚れが落ちなくなるメカニズムなども解かりやすく解説されている。ワックスが掛かってないオヤジのクルマに水垢が付かないのに、ワックスでピカピカに磨き上げた自分のクルマには一晩で水垢が付いてしまう謎なども解明できるだろう。

メーカの能書きを要約すれば、太陽コートとは絶対に()酸化しない物質で出来てるという事と、非常に硬度が高くてキズが付かないって事だ。ワックスをかけても艶がなくなってくるのは、ワックス膜の表面が酸化して劣化する為に面の平滑性が損なわれてくる為と、ワックス膜そのものの硬度が低いので洗車などで表面にキズが付いて平滑性が落ちてくる為だ。或いは酸化物質そのものがワックス膜に食いついて落ちなくなる為に艶が無くなる。が、太陽コートは酸化物質と共にコーティング膜が酸化しないので、酸化物質(つまり汚れ)も簡単に落ちるらしい。メーカのサイトでは太陽コートの「艶」については一切語られてないが、酸化せずにキズも付かないのならば、表面の平滑性は保たれるわけで、艶も長期間持続出来るという事に他ならない。ハズ...(^^;。

この太陽コートだが、4月頃にやっていた無料モニター募集に応募したら当たったのだ(現在は無料モニタ募集はやってない)。サンバに使おうかと思っていたのだが、サンバの下地を処理する気合いがなかったので試してなかった。インプレッサバンなら良い実験材料だ。F&FでもメルセデスSLやA160などで実験してるのでそちらもご覧あれ。

さて、コーティングとはいえ万能なわけではない。艶の無い塗装面にコーティングしても艶が出るわけじゃない。やはりコーティング前に完璧な塗装面を作る必要が有るわけだ。ザラザラの塗装面にコーティングしてもザラザラのままにしかならんし、汚れの上にコーティングしてしまったら大変だ。完璧に納得できる塗装面を作り、コーティングはそれを保護するモノ。ボディ磨き編で私が艶に拘って徹底的に磨いたのもこの為の下地作りだったわけである。

<余談>
ちなみにFire号が綺麗なのはコンパウンドで磨いているわけではありません。単に新車時の塗装表面状態を傷めないように維持しているだけです。Fire号をコパウンドで磨いた事は一回もありません。部分的なキズを落とすのに使った事はありますけど、ボディ全体は新車時のままです。ワックスも通常のカルナバ系固形ワックスを使用しているだけです。
</余談>


小さなビンに入ってるのが太陽コート。付属のスポンジでボディに塗る。洗車職人ってのは下地処理剤らしい。酸化物質や劣化ワックス膜などを完全に落とし塗装面を露出させると共に、フッ素などのポリマーが表面に若干残る事で太陽ポリマーの下地を作るらしい。

が、ボディ磨き編で書いたように、この洗車職人ではまったく汚れが落ちなかった。汚れ落しとしては何の役にも立たんって感じ。結局、コンパウンドで磨いて下地を作ったのはボディ磨き編の通り。ロドスタと比べても遜色が無いほどまでに磨き上げてトロリとした艶を放つまでに磨き上げた。コーティングの下地としては申し分無かろう。

ここまで完璧に仕上げた塗装面なら、そのまま太陽コートを塗っても良さそうなもんだが、下地剤として機能するという洗車職人を使わなかった為に効果が疑問だとかと言われたら嫌だ。洗車の必要など無いくらい綺麗なのだが洗車職人を使用して洗車した。ちなみに洗車職人はアルコールで洗車しているような感じ。ニオイはモロにアルコールだ。ま、元々綺麗な状態だったので洗車職人で洗車したからといって何の変化が有るわけでもない。

太陽コートの塗布作業そのものは簡単。単に液剤を塗って伸ばしていくだけ。ノビも良いので作業性は良好だ。20ccも有ればインプレッサバン1台くらいは塗れる。ロドスタなら10ccでも足りるカモ。しかし、塗布の手順がいろいろと面倒なので詳細はメーカのサイトで確認して頂きたい。要は乾拭きと水拭きの繰り返しなんだけどね。この乾拭きをしている感覚はレインXを塗り伸ばしている時の感覚にソックリだ。ヌルヌルギラギラする液剤の過剰成分を伸ばしてる感じだ。これをそっと軽く拭き取っていく。水拭きする事で水分と反応して初期乾燥皮膜が形成されるらしい。それでもギラギラヌルヌルした過剰成分は拭き切れないが、それはそのまま2日ほど放っておいてから洗車すると良いらしい。この2日後の洗車を終らせてからがコーティングの完成となる。尚、塗布直後は2時間ほど雨は避けねばならんらしいし、2日間は洗車もしてはいけないそうだ。

さて、実は私はここで失敗した。塗布後2日ほど雨に濡らす事も無く放っておいたのだが、その後の洗車をする前にブレーキロータの研磨をやってしまった。ボディ全体に非常に細かい鉄粉が載った。このままガレージから出して一晩表に停めた。夜中に雨が降ったようで、翌朝にはインプレッサバンが真っ赤な水玉模様になってしまった。そりゃもう見るも無残な姿だったのだが、絶対に酸化しない太陽コートなら洗車するだけで簡単に落ちるハズだ。が、それが全然落ちない。まったく落ちない。どうやら太陽コートの過剰成分に鉄粉が載り、そこに雨が降って水分と太陽コートが反応して鉄粉を取り込んだまま太陽コートが硬化してしまったのではないかと思う。


こんな感じに赤いシミがボディ全域に残った。どうやっても落ちない。酸化物質を完璧に落とすという洗車職人で洗ってみたがやはり落ちない。わずか一晩でここまで落ちない鉄粉は普通じゃない。やはり太陽コートと共に固まってしまったのだろう。

仕方ないので超微粒子コンパウンドでもう一度磨く事にする。


コンパウンドで磨くとウエスが真っ赤になる。軽くこする程度では落ちなかった。ゴシゴシこするくらいでやっと落ちた。コンパウンドですら簡単に落とす事が出来ないほど強力って事は、それは太陽コートの皮膜がそれだけ硬いって事かもしれない。

さて、これでやっと綺麗になったのだが、コンパウンドで磨いた事で太陽コート皮膜がどれだけ削られたかは判断できない。このままでは正当な評価が出来ないので、もう一度洗車職人で洗って、もう一度太陽コート塗布作業を1からやり直した。今度はヘマをするわけにもいかず、2日間放っておいてから洗車して完璧な面を仕上げた。


これは1回目の洗車の時の表面だ。水は弾かずにベタっとするかと思ったらけっこ弾く。が、Fire号のカルナバワックス塗布直後の弾きよりは甘い。Fire号ならもっと美しく弾くだろう。



約1週間後の雨の時の写真。弾く事は弾くけど、コロコロと転がるほどのモンでもない。


同じく1週間後の雨の時のフェンダとボンネットの境目の拡大写真。

これを洗車してみた。


水をかけて洗車した直後。親水性が高いようでべた〜っと水が広がる。


が、しばらくすると水が切れていって僅かな水滴を残して表面が乾いたようになる。ボンネットとルーフは傾斜が緩いので時間が掛かるが、ボディ側面などは反対側を洗っている間に乾いちゃいくらい。洗車などで水をかけていると親水性のように振る舞うが、雨や夜露などは弾いている。弾き方は落ちかけたワックスって感じ。弾かないわけじゃないんだけどコロコロと転がるほどでもない。でも雨の中を走るとボンネットを水玉が転がってくる。

で、肝心の汚れの付きやすさと落ちやすさについて。カルナバ系固形ワックスに比較した場合、水垢は付きにくい。垂直な黒い線はかなり少ない。で、付いたとしても軽く水洗いするだけで完璧に落ちる。ボンネットなどもうっすらと黒ずんでくるが、かるく水洗いするだけで信じられんほど簡単に綺麗になる。ボディ側面下部に付いた油性ピッチなどは水洗いでは落ちなかったので、ブレーキクリーナを染み込ませたティッシュペーパなどで落とした。そうそう、関越高速と首都高と東関道を一気に走った時、フロントバンパーに虫がいっぱい付いたのだが、帰りに雨の中を走ったら勝手に綺麗になった。これにはちょっとビックリ。

塗布完成後20日間ほど雨ざらし駐車で普通に通勤などに使用し、1週間に1回くらいの洗車をやってみているが、状況は変らない。艶加減は初期のままで変化無し。水垢などは洗えば完璧に落ちる。


写真で解かるかな?青いセーム皮の上側に四角く黒ずんでいる部分がまだ洗ってないところ。それ以外の部分がサッと洗ったところ。


その洗車の翌朝に雨が降るとこうなる。洗車してる時はベタっと親水性になるんだけど、雨はこの程度には弾く。この弾き具合は、コーティング完成直後に比べると弾き方が甘いが、これが本来の姿なんだろうと思う。すぐにこの状態になって、それ以降は弾き具合は同じ感じが持続するだけで変化が無い。

現在のところ、25日間ほどしか走ってないので評価を下すには早すぎると思うが、汚れの落ちやすさと付き難さは実感できる。塗布の手間や下地処理の手間は大きいが、毎日使うクルマとか青空駐車のクルマならやってみる価値は有るかもしれない。(インプレッサバンは青空駐車です)

今後もテストを続け、随時その様子をアップしていきたいと思う。新潟県の冬を越したクルマは通常ならボディ下半分が消雪パイプの地下水によって赤茶けた汚れとなって落ちなくなる。これが太陽コートで防げたとしたら大したモンである。メーカに言わせれば控えめに見ても1年は効果が持続するという太陽コート。インプレッサバンが春先にどうなっているのか楽しみである。

が、どんなに太陽コートが素晴らしくても、私はロドスタにやってみる気は無い。Fire号は誰よりも美しく激しく水を弾く事が使命なのだ(笑)。あの水の弾きがステイタスなの。

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