usa_4.htm (c)nemaki-neko created 1998/10/11 updated 1999/03/29
アメリカ−英語(1)
日本人の中には、学校で英語を専門にやったり、民間の英会話の教室に通ったりする人もいるが、それは全体の人口からみると一部で、大多数は、中学や高校での英語教育しか受けていないのではないかと思う。私もその大多数の一人である。
学校での英語教育は、耳からの英語よりも、目からの英語に比重をおいている。(これは、英会話の教育ができる人材が少ないということも、その一因になっていると思う。)
私は、学校での英語が特別に優秀だったわけではないし、まるきりだめでドロップアウトしていたわけでもない。平均より、少しいいほうかという程度。
得意な順から言うと、「読む」>「書く」>「話す」>「聞く」。
文法をいい加減にしか覚えていないので、「読む」と「書く」以下のギャップが大きく、辞書を使える時間があるかどうか、プラス、発音が難しいことで、「書く」と「話す」以下のギャップも大きい。「話す」と「聞く」は、どちらも不得意だが、こちらが貧しい語彙と怪しい発音で話すことは、なんとか相手に伝わったようでも、それに答えて何か言ってることが聞き取れないことが多いので、「話す」>「聞く」の順。
まず、英語を文字で見ることのほうに慣れ、また、カタカナになった外来日本語にも多く接していると、発音上のギャップは大きい。文字で見ればなじみ深い単語でも、耳で聞けばたちまち未知の単語に変身してしまう。
日本語には50音しかない(実際には、濁点・半濁点、小さい字のァィゥェォャュョッ等があるので、もう少しあるが)のに対して、英語は、文字は26文字しかなくても発音は多い。
また、日本語が「子音+母音(カナ1文字分)=1音節」というリズムであるのに対し、英語の1音節には、多くの場合は、もっとたくさんの音が含まれている。
特に難しいのが、母音で、日本語には「アイウエオ」の5音しかないのに対し、英語では同じ「a」とか「i」「u」「e」「o」という字でも、いろいろな発音がある。
「カスト」と聞こえるのが「cost」だとか、「クリーン」と聞こえるのが「Korean」だとか、「Jazz
men」と聞こえるのが「Jasmine」(これは、一度連れてってもらったことのある、Chinese
restaurantの名前だが、「ジャズ・メン」なんてレストランあっただろうか、と、しばらく考え込んでしまった)だとか、文字で見れば一発でわかるのに、耳で聞いたらわからなく、身振りや他の単語で補足されて、「あっ、そう言ってたのか」と、はじめて気付く。(気付かないままに終っていることは、もっと多いと思う・・)
子音でも、「v」「f」「th」「r」「l」等は、もともと日本語にはない音である。
「v」「f」は下唇を噛むとか、「th」は上歯茎に舌をつけるとか、特徴がわかりやすいので、自分で発音する時は意識するが、耳から聞く時は、いったんカタカナに翻訳してしまっているせいか、なかなか聞き分けづらい。
「r」と「l」の区別にいたっては壊滅的で、聞き分けも難しいし、自分で発音する時も悩んでしまう。ちなみに、日本語の「ラリルレロ」は、「r」でも「l」でもなく、「r」と「d」の中間の音であるらしい。
同じアルファベットを使っていても、言語によって発音が違うということはよくある。
たとえば、
相手は、日本人は「r」と「l」の発音が怪しいということを知っているのかな。
それにしても、文字と発音の対応の多様性という意味では、英語は複雑な部類に入ると思う。一方、名詞に性別がない点では、英語は、他のヨーロッパ系言語に比べて楽である。
学ぶ側からすると、それぞれの言語は、一長一短ある。
そういえば、エスペラント語を発明したのは、ポーランドの人だったかな? その人の母国語が、どういう点で簡単で、どういう点で複雑だったのか、ということは、エスペラント語が生まれた背景として、気になるところである。