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「究極」というのは、私が勝手に思っているだけですが、LANケーブルをコイルとした場合の浮遊容量を「活用」して、最少部品のゲルマラジオを作製してみました。回路は次のとおりです。

本来バリコン等でとる同調を、コイルの自己共振周波数で実現します。ケーブル長(全長で、直径ではありません)との関係は次の通りです。

測定中の様子です。仮止めに洗濯バサミを使用しています。

測定方法

カテゴリー5E(1000BASE-T)をX軸記載の全長に切り、上記回路(ダイオード、クリスタルイヤホンを接続)にて、周波数カウンタ付のグリッドディップメータ(自作)にて測定。

接続は
 緑 −−> 巻初め
緑/白 −−−  緑
 橙  −−− 緑/白
橙/白 −−−  橙
 青   −−−橙/白
青/白 −−−  青
 茶  −−− 青/白
茶/白 −−−  茶
  巻終り<−−茶/白

よって、1ターンとは8回巻き、2ターンは16回巻きとなります。測定時の形状は、完全な円形とはいえませんが、楕円でも、共振周波数に大きなズレは起こらないようです。 

実際の製作

たとえば文化放送(1134KHz)であれば、上記の表から252Cm(2ターンの場合)、305Cm(1ターンの場合)を切り出します。そして、上記のとおり半田付けし、巻き始めにはダイオードを介し、巻き終わりにはそのままクリスタルイヤホンを接続します。各接合場所を絶縁し、全体もビニールテープで巻いたほうが良いでしょう。2ターン以上の場合は、たるみと「ひねり」に注意して同じ方向にまるめ、、非金属の結束バンドでしばります。
私の家は木造で、送信所から約15Kmですので、2ターンで充分聞こえます。音が小さいようなら、1ターンにしたほうが感度が上がります。
左の写真は文化放送用2ターンのゲルマラジオです。ディップメータで測定すると1110KHzと若干のズレはありますが、混信もなく、クリアに聴こえます。実際には、円の形状を確保するために、骨材としてクリーニングハンガーの針金を全周の3分の1ほどに切り、一緒に結束していますが、もし全周に骨を入れる場合は、非金属が必須です。
尚、かなり鋭い8の字の指向性がありますので、設置方向には注意が必要です。このぐらいの大きさですと、首または肩にかけて使えるので、便利です。

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「究極のLANケーブルラジオ」は、実験としては大変おもしろいのですが、構造上、ひとつの放送局しか受信できません。そこで、少し実用的?な、バリコンを使ったLANケーブルラジオを作ってみました。ポリバリコンの容量とコイルの浮遊容量の関係で、周波数の可変範囲を大きく出来ませんので、中波帯をすべてカバーするには1000KHz以下用と以上用の2台が必要です。

回路は、最も一般的なものです。コイルには、LANケーブル(カテゴリー5でも5EでもOK)を使います。580KHzから1000Khz以下用として240Cm程度を2ターン、1000KHz以上用としては150Cmぐらいの1ターンで良いでしょう。接続は、一応、他と同様に
 緑 −−> 巻初め
緑/白 −−−  緑
 橙  −−− 緑/白
橙/白 −−−  橙
 青   −−−橙/白
青/白 −−−  青
 茶  −−− 青/白
茶/白 −−−  茶
  巻終り<−−茶/白   としました。
今回もクリーニングハンガーの針金を骨材として、1/3周ほど使っています。ポリバリコンは一般的な250pFや、100円ラジオから取り外した2連バリコン(容量は合わせて250pF、中央端子がコモン)が使えます。結束バンドでLANケーブル、針金と一緒ににくくり付けます。空中配線ですが、安定して動作します。
完成したラジオを肩にかけて、バリコンまわし、放送が聞こえたら一番よく聴こえる方向に合わせて受信します。ケースの加工が必要ありませんし、寸法も精度を必要としませんので、一連の製作のなかでは、比較的「簡単にできる」ラジオだと思います。

結果として、2ターンコイルでは、NHK第一・第二・TBS、1ターンコイルではTBSと文化放送が、充分な音量で受信できました。

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