クリアカップを使った圧電スピーカー

一連の「スピーカを鳴るゲルマラジオ」の製作では、特殊な部品である「600型黒電話の受話器」を使用しています。ここでは、一般に入手可能な部材を使っての、ゲルマラジオ用スピーカーの作製を記載しています。


その1 クリスタルイヤホンを使う

現在販売されてる、クリスタルイヤホンを分解した写真です。小型の圧電スピーカーが使われているのがわかります。構造から、供給する電力のほとんどが空気を振動させるエネルギーではなく、音を出すために真ちゅう板を変形するのに使われていることが想像されます。
よって、振幅はそのままに、振動板の有効面積を拡大し、拡声する方法を考えます。

クリスタルイヤホンの加工

裁縫に使うふとん針(なるべく太い針)を、先端から20mmでカットし、断面をやすりで整えます。
イヤホンの透明な部材をはずし、ゼリー状瞬間接着剤を一滴たらします。折った針にも接着剤を少量つけ、垂直に立ててから、瞬間接着材用スーパー液を落とし、固定します。

組み立て

400mlクリアカップの底に、別の針で穴をあけます。
60mlクリアカップの、隙間にエポキシ接着剤等を充填して2個重ねた底面に加工したイヤホンを接着し、(底の穴に針を通して)400mlの底に貼り付けます。最後に底と針先に接着剤をたらして固定します。
尚、カップの材質は、スチロール樹脂またはPETを使用しないと、接着材が効きませんので注意が必要です。

メガホンを適当にカットして、両面テープとガムテープでクリアカップに接続します。

 

その2 圧電スピーカーユニットを使う

クリスタルイヤホンでは加工する部分が多かったのですが、手持ちの35mm径の圧電スピーカーユニットを使ったところ、、クリアカップとメガホンを接着するだけでOKということがわかりました。
圧電スピーカーに両面テープをはって、クリアカップの底に貼り付けます。尚、底の外側には文字の突起があり、はがれるのが心配なので、内側に貼ってあります。音の大きさ(効率)は、内外に差はありません。
 

結果

UPDATE(訂正)2001/05/26
納得できない回路のゲルマラジオに用いたコイルをつかい、左の回路で動作確認しました。タンク回路は4回目からタップをとりました。以前の回路ではトランスを使用しましたが、100Kで直流を確保することで、トランスを省略できます。600型受話器を使用したスピーカーと比較すると、効率、音質共、若干落ちますが、充分な音量が確保できます。作りやすいので、「その1 クリスタルイヤホンを使う」よりも「その2 圧電スピーカーユニットを使う」の方がお勧めです。

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