1998 Formula One World Champion Ship

Round 1. Australian GP. Results

Last updated, Mar.11 1998


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第1戦 オーストラリアGP最終結果  3月6日〜3月8日
◇アルバートパーク・サーキット(メルボルン)(5.302Km×58周)

  • 1 M.ハッキネン(マクラーレン・メルセデス)
  • 2 D.クルサード(マクラーレン・メルセデス)
  • 3 H−H.フレンツェン(ウィリアムズ・メカクローム)
  • 4 E.アーバイン(フェラーリ)
  • 5 J.ヴィルヌーブ(ウィリアムズ・メカクローム)
  • 6 J.ハーバート(ザウバー・ペトロナス)

○オーストラリアGP予選結果

○オーストラリアGP結果詳細


○マクラーレン、1・2フィニッシュ!

 1998年F1開幕戦オーストラリアGPの決勝が8日メルボルンのアルバートパーク・サーキットで行われ、M.ハッキネン(マクラーレン)が優勝した。同じマクラーレンのクルサードも2位に入り、2台とも3位以下を周回遅れにするというブッチギリの完勝であった。

 スタートでは、ポールのハッキネンが好スタートでトップを守る。予選2位のクルサードは、3位M.シューマッハに仕掛けられるが2位をキープ。オープニングラップは、ハッキネン、クルサード、シューマッハ、そして4位ヴィルヌーブ、5位には予選7番手からフィジケラがアップ。6位にはハーバートと続く。

 2周目、ラルフとマグヌッセンが接触、それにデビューレースの高木虎之介が絡んで3人ともリタイヤとなる。

 1位2位のマクラーレン勢は快調に飛ばし、余裕で独走体勢を築く。それに何とかシューマッハが付いて行こうとするが、その無理がたたってか5周目にエンジンがブローしてリタイア。シューマッハはコース脇にマシンを止め、ステアリングを投げ捨て怒りの表情でマシンを降りる。

 3位に上がった前年のチャンピオンヴィルヌーブではあるが、走りはかなり苦しいようで、マクラーレン勢に1ラップで2〜3秒も遅いペース。後ろからベネトンのフィジケラに迫られ、何とかそれを凌ぐという展開。その後ろには予選5番手と好調だったハーバートも迫る。6位を走行する同じウィリアムズのフレンツェンも、アーバインやアレジを押え込みながらの苦しい展開を強いられる。

 ハッキネン、クルサードの差は3秒台のまま周回を重ねる。23周目にハッキネンが、続いてクルサードがピットインするが2人とも難なくコースに復帰し順位はそのまま。

 29周目ヴィルヌーブがようやくピットイン。29周はレースの丁度半分となるのでウィリアムズは1回ピットストップ作戦を取る模様。そのために燃料の積載量が多くてペースが上がらなかったものと思われる。
 同じくフレンツェンとフェラーリのアーバインも1回ピットイン作戦で3位4位を走行中に同時にピットイン。しかしアーバインがスタートでギヤが入らず出遅れてしまう。
 36周目にハッキネンがピットイン。しかし、連絡ミスだったのか何もせずにそのままコースに戻り、クルサードに1位を明け渡してしまう。クルサードとの差は10秒。しかし、その後ハッキネンがファーステストを連発してクルサードを追う。
 ところが41周目、ハッキネンはまたもピットインして、メカニックが慌ててタイヤを用意。なんとか無事作業を終えてコースに戻る。その後クルサードもタイヤ交換したので差は変わらず。

 それまで、好走を見せていたフィジケラはリヤウイングを支える柱の付け根が熱で曲がるというアクシデントでコースアウト。そのままリタイヤとなる。

 45周目での順位はクルサード、ハッキネン、フレンツェン、アーバイン、ヴィルヌーブ、ハーバート。フレンツェン以下の順位がどこでどう入れ替わったのかはこの時点では不明。

 ハッキネンはその後もクルサードを追って猛プッシュ。10秒以上あった差は残り4周で1.5秒差にまで縮める。しかし、また2秒以上の差が開いてしまいこのまま行くのかと思われたが、残り2周のホームストレートで明らかにクルサードがペースを落としてハッキネンにトップを譲る。そして、そのままチェッカーが振られ、M.ハッキネンが前年最終戦に続いて2連勝を飾った。2位クルサード、3位以下45周目から変わらず、フレンツェン、アーバイン、ヴィルヌーブ、ハーバートがそのまま続いた。

 レース後の情報で、ハッキネンとクルサードはスタート直後の1コーナに先に入った方が優先権を持つ事を取り決めていたようで、それにクルサードが従ってハッキネンに譲ったようだ。

○マクラーレン時代の再来か?

Last updated, Mar.11 1998
 いやはや、予選でもかなりの速さを見せていたマクラーレンではあったが、ここまで完璧に勝ってしまうなんて。今回のレギュレーションの変更は、チーム間格差を無くしレースを面白くする事も目的だったと認識していたけど、それが完全に裏目に出てしまったようだ。昨年はそこそこ拮抗して近年になく接戦のレースを見る事ができたのに。トレッド(車幅)を狭くしなければならないため、サスペンションはどこのチームもほぼ新設計に近いと思うし、そうなると過去のデータもあてにならなくなる。しかし、強いチームは技術力もあるし、開発するためのお金もある。結局これまでの4強と言われてるチームが上位を占める事には変わりはなかったのだが、そのなかでかつて「無敵ウィリアムズ」を開発したA.ニューウェイが移籍してきたマクラーレンが今回「無敵」への切符を手に入れた格好になってしまった。こんなことになるのなら、トレッドの変更やタイヤの溝なんてレギュレーション変更は必要なかったのに。そのほうが去年の延長でますます接近したレースが見れたかもしれないのに・・・
 それにしても、ニューウェイって凄いね。まだ、開幕とはいえここまで完璧に速いとなるとデザイナーの腕ってことになるからね。それとエンジンも軽くてパワフル、そして壊れなくなったし。なんかこのままマクラーレン中心の展開でシーズンが進むのではないだろうか。
 でも、これまでシューマッハ中心だったグランプリが、ハッキネンやクルサードの争いになるわけで、これはこれで新鮮かもしれない。

 ウィリアムズ時代は完全に崩壊したかなぁ。フレンツェンが何とか3位には入ったが、このままでははたして何勝できるか? このままでは苦しそう。ウィリアムズのテクニカル・ディレクタであるパトリック・ヘッドってこれまでそれほど良いシャーシを作ってきたとは思えない(ホンダやルノーエンジン、A.ニューウェイの力を借りて速いマシンを作ってきたイメージがある)し、チーフデザイナーも新しい人で能力は未知数。そう簡単にマクラーレンに迫れるとはチョット思えない。

 フェラーリも苦しい。解説の今宮さんや亜久里さんが言ってたけどトラクションのかかりが悪く、コーナでの安定性も欠けていて、フリー走行、予選でシューマッハがスピンするシーンが多かったようだ。それでも予選3位はシューマッハの力が大きいと思うが、それでも、決勝ではマクラーレンにじりじり離され、結局エンジンが壊れてしまう。アーバインが4位には入ったが、ウィリアムズ同様苦しい戦いが続きそうだ。

 その他では、ベネトンの若きエースとなったフィジケラの好走と、ザウバー・ハーバートの6位入賞が印象に残る。それとプロストの不振も去年の好調さから際立ってしまった。
 そして、F1初挑戦の高木虎之介は予選で13位。決勝では前を走るクルマの接触事故でコースが汚れ、それに足をすくわれスピン、リタイヤとなってしまったが、比較的高速コースであるアルバート・パークで、非力なフォードエンジンでの13位は凄いと思う。かつてセナがそれこそ弱小チームだったトールマン(現ベネトン)で最高位2位を含む活躍で一気にトップチーム入りしたように、ぜひとも好成績を残して存在感をアピールして欲しい。

 優勝したハッキネンではあるが、途中無線のトラブルからかピットとの連絡が上手くいかず2度も準備が整わないピットに入るというミスがあり、誰もが2位だと思っていたのだが、クルサードが「紳士協定」に従い譲ってくれての勝利。それにしてもクルサードって良い奴だねぇ。あのまま優勝したって、ハッキネンも文句は言えなかったと思うんけどな。でも、セナVSプロスト時代から泥臭い勝負が続いていたので、これはこれで爽やかな幕切れで良かった。ハッキネンも本当に感謝していたし。
 ま、こんなことが平気でできてしまうマクラーレン・メルセデスの強さが末恐ろしく思える開幕戦であった。マクラーレンの強さが本物か? それに対抗できるチームが現れるか? 次回ブラジルが楽しみである。


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