1997 Formula One World Champion Ship
Round 16. Japanese GP. Results
Last updated, Oct.13 1997

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第16戦 日本GP最終結果
◇10月10日〜10月12日 三重県鈴鹿サーキット
(5.864Km×53周)
- 1 M.シューマッハ(フェラーリ)
- 2 H−H.フレンツェン(ウィリアムズ・ルノー)
- 3 E.アーバイン(フェラーリ)
- 4 M.ハッキネン(マクラーレン・メルセデス)
- 5 J.ヴィルヌーブ(ウィリアムズ・ルノー)
- 6 J.アレジ(ベネトン・ルノー)
○M.シューマッハ、チームプレーで今期5勝目!
チャンプ争いは最終戦へ
1997年F1第16戦日本グランプリの決勝が12日三重県鈴鹿サーキットで行われ、ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)が今期5勝目を挙げた。チャンピオン争いトップのJ.ヴィルヌーブは5位となり、1点差でトップを守ったが、チャンピオン決定は最終戦へレス(スペイン)に持ち越された。
スタートでは、ポールのヴィルヌーブが、苦手のスタートを上手く決めてトップを死守。ついでシューマッハ、ハッキネン、アーバイン、フレンツェン、アレジと続く。しかし2周目、4位のアーバインが逆バンクで外側からハッキネン、そしてシューマッハを一気にかわして2位に浮上。さらに3周目のシケインの飛び込みでヴィルヌーブをかわしてトップに立つ。その後アーバインは、ヴィルヌーブより3秒以上も速いタイムでトップを快走。ヴィルヌーブとの差を8周目でおよそ12秒と広げる。あまりのアーバインのラップの速さから、燃料を少なく積んで3回ピットインすると予想される。
9周目、木曜日に引退を表明した片山右京がスプーン・カーブ手前にマシンを止めるシーンが映し出される。どうもスタート前からマシンが不調だったらしい。
もう1人の日本人ドライバー中野信治はここまで15番手を走行。前のマルケスをパスしようとアタックするが、抜き所の無いコースでなかなかパスできない。しかし、15周目に1コーナの飛び込みでマルケスをパスする。
14周目、上位陣でハッキネン、ベルガーがピットイン。ついで、アレジ、クルサードが続く。3回ピットインと思われたアーバインは今だ入らず。しかし、17周目ようやくピットイン。どうも2回ピットインで行くようだ。18周目にはM.シューマッハもピットインして、無難にコース復帰する。一方のウィリアムズは今だ動かず、ヴィルヌーブ、フレンツェンが暫定的に1位2位。しかし20周目にヴィルヌーブがまずピットイン。無難にコース復帰したかに見えたが、シューマッハを押さえる事がでぎず3位に後退。次の周フレンツェンがピットイン。これで上位陣はすべて1回目のピットインを終え、この時点での順位は、アーバイン、シューマッハ、ヴィルヌーブ、フレンツェン、ハッキネン、アレジ。
22周目、中野信治がシケインの手前でコントロールを失いコースアウト。シケインをショートカットしてコースに復帰し、スロー走行のまま1周してピットに戻るが、右リヤ・サスペンションが壊れているらしく、そのままリタイアしてしまう。
24周目、それまで2位に10秒以上差をつけてトップを走っていたアーバインが、チームメイトのシューマッハにトップを譲り、ヴィルヌーブをブロックするチームプレイに出る。これでシューマッハは、楽々ヴィルヌーブとの差をひろげていく。
31周目、アーバインのブロックを逃れるため、ヴィルヌーブが早めにピットイン。しかし、給油口にホースが上手く入らず13秒以上もの時間がかかってしまう。そのため同時にピットインしたハッキネンにも前に行かれ苦しい展開に。逆に楽になったフェラーリの2台はトラブルなく2回目のピットインを終える。
37周目、フレンツェンが2回目のピットイン。フレンツェンはこの前の周、ファーステストを出している。ウィリアムズ・チームは今回はトラブルなくフレンツェンをコースに送り出し、フレンツェンも上手くアーバインをブロックしてシューマッハとの間に割り込む事に成功する。
42周目での順位は、シューマッハ、フレンツェン、アーバイン、ハッキネン、ヴィルヌーブ、アレジ。
その後、シューマッハが周回遅れに引っかかる間に、フレンツェンが1秒差にまで迫るが、シューマッハが逃げ切り今期5勝目を挙げる。2位にはフレンツェン、3位アーバイン、4位ハッキネン、チャンピオンを争うヴィルヌーブは5位、6位アレジとなった。この結果チャンピオン争いは、今回のヴィルヌーブの出走が認められた場合はヴィルヌーブが1点差でトップ、逆に認められない場合はシューマッハが1点差でトップとなるが、その裁定は3週間後、最終戦は2週間後。とにかくどちらかが相手より前で2位以内でチェッカーを受けると、裁定に関係なくチャンピオンを獲得できる事になる。
○アーバイン大快走!!
あのアーバインの速さは何だったんだ! F3000で鈴鹿を知り尽くしているとはいえ、TVを見ていてホント驚かされた。しかし、裁定で失格になるかもしれないヴィルヌーブが故意にペースを落としてシューマッハ以外を優勝させようとしたとの見方もあり、序盤のアーバインとヴィルヌーブのタイム差からすると、どうもその説が正しいようにも思える。
しかし、結局1回目のピット作業後にシューマッハを前に出してしまい、さらにアーバインが、シューマッハに前を譲ってヴィルヌーブをブロックするというフェラーリの連携プレイの前にヴィルヌーブは完敗。
あそこまで露骨なチームプレイは、最近のF1では珍しいのでは? フェラーリからは79年以来チャンピオンが出ていないが、その時チャンピオンを獲ったJ.シェクターをチームメイトだったジャックの親父ジル・ヴィルヌーブがシーズンを通して好援護したのは有名な話し。また、最近では91年の鈴鹿でセナがチームメイトのベルガーにゴール直前で優勝を譲った事もあったっけ・・・
今回の場合、このチームプレイは仕方ない事だろう。逆にウィリアムズは予選でフロント・ロゥを独占できなかった事が痛かった。フレンツェンも意地で決勝では2位に入ったが(これで、ヴィルヌーブの裁定結果に関わらず、ウィリアムズの2年連続のコンストラクターズ・タイトル獲得が決定!)、やはり予選でヴィルヌーブに続かないと、チームとして思うようなレース運びができない。まぁ、それを阻んだのもフェラーリが突然速さを取り戻してきた為なんだけど、前回のルクセンブルクまでの絶不調から、僅か2週間でここまで復活するとは・・・ どうも空力の改善が上手く行ったらしいけど、これもチーム力の成せるワザ何だろう。今回のレースは、ここまでもつれると最後はドライバーだけではなく、開発力、戦略、ピット作業等のチーム力が大きくものを言うということをまざまざと見せ付けられる結果となった。
でも本音を言えば、あのままシューマッハVSヴィルヌーブのデットヒートを見たかったなぁ。だから最終戦では、ぜひとも2人の一騎打ちで勝負を決めて欲しい!!
そんな訳で、今年の鈴鹿はシューマッハVSヴィルヌーブのチャンピオン争いが、チームを巻き込み、フェラーリVSウィリアムズ、森脇さん曰く赤対青の決戦模様となって、他チームが全く霞んでしまった。地元期待の片山右京や中野信治は、共にトラブルでリタイアしてしまうし・・・・右京さん、引退レースとなるへレスは頑張れ!
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