1997 Formula One World Champion Ship

Round 14. Austrian GP. Results


Last updated, Sep.22 1997


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第14戦 オーストリアGP最終結果
◇9月19日〜9月21日 A1リンク・サーキット (4.323Km×71周)

○オーストリアGP予選結果

○ドライバー&コンストラクターズ ランキング


○ジャック今期6勝目! チャンプ争いでシューマッハに1点差に迫る!
 1997年F1第14戦オーストリア・グランプリの決勝が21日A1リンク・サーキットで行われ、ジャック・ヴィルヌーブ(ウィリアムズ・ルノー)が今期6勝目を挙げた。チャンピオン争いトップのミハエル・シューマッハは6位となり、ヴィルヌーブはシューマッハに1ポイント差に迫った。

 天候は晴れ。スタート前にセレモニーでは、ウィーン少年合唱団のさわやかな歌声が緑に囲まれたサーキットを流れると言う、芸術の国らしい演出で始まった10年ぶりのグランプリ。しかし、地元G.ベルガーはマシンが不調で予選18位。さらにフォーメーション・ラップでコックピットの警告ランプが点灯したため急きょピットインするアクシデントが発生。結局問題はなかったようだがピットからのスタートとなる。

 スタートでは、ポールのヴィルヌーブが大失速。予選2番手ハッキネンが好スタートでトップに立ち、続いて予選3位のトゥルーリがヴィルヌーブをかわし2位に。ヴィルヌーブはさらにバリチェロにもかわされ4位に後退してしまう。5位にマグヌッセン、6位フレンツェン。しかし、トップのハッキネンが最終コーナに差し掛かった所でエンジン・トラブルが発生し、まさかのリタイアとなってしまう。オープニング・ラップは、パニスの代役プロストのトゥルーリがトップに、続いてバリチェロ、ヴィルヌーブ、マグヌッセン、フレンツェン、シューマッハと続く。

 トゥルーリ、バリチェロのBS勢はスタートからのタイヤの暖まり方がGYタイヤより早く、またこの2人が2回ピットイン作戦でスタート時の燃料積載量が少なくマシンが軽いため、トゥルーリが一歩抜け出す形でレースが進み、23周目で2位バリチェロに9秒以上のアドバンテージを築く。3位のヴィルヌーブもタイヤが暖まるにつれペースが上がり、バリチェロに迫る。そして24周目にとうとうバリチェロをパスして2位に上がる。さらにトゥルーリを追う。

 27周目、まずマグヌッセンがピットイン。次の周バリチェロが続く。同じく2回ピットインと予想されているトゥルーリは依然ピットインせず、このまま1回のピットインで行くのであれば断然有利となる。35周目1回ピットインの中野信治がピットイン。36周目アレジ、38周目トップのトゥルーリがピットイン。予想に反して1回ピットイン作戦を採り優位に立てるはずだったが、コースに戻るタイミングが悪く混戦の中に入ってしまってペースが上がらない。

 同じく38周目、2コーナーでアレジがアーバインのインを強引について接触し、2人ともリタイアとなる。この後、このアクシデントに対するイエローフラグが振られている地点で、フレンツェンがシューマッハにパスされるフレンツェン車の車載映像が写し出される。しかし、ペナルティーの動きは現時点では見られない。

 40周目ヴィルヌーブがピットイン。順当に作業を終えトゥルーリの直前でコースアウトする事に成功、その後前を走るフレンツェン、クルサード、シューマッハらがピットインしたためヴィルヌーブがトップに立つ。
 50周目、先ほどのイエローフラグ違反で、シューマッハがペナルティーを取られ10秒のピットインが課せられる。それと同時にバリチェロがピットイン、2回目のタイヤ交換を済ませすれすれでシューマッハの前に出る。
 この時点での順位は、ヴィルヌーブ、トゥルーリ、クルサード、フレンツェン、フィジケラ、ラルフ。ところが、中野信治と2位のトゥルーリがエンジン・ブローで相次いでリタイア。またマグヌッセンもリタイアと、昨日の予選同様エンジンへの負担が大きいサーキット・レイアウトの影響が出始める。

 60周目の順位は、ヴィルヌーブ、クルサード、フレンツェン、フィジケラ、ラルフ、ヒルと続く。7位にバリチェロ、8位にシューマッハ。
 65周目、バリチェロをシューマッハがパスしにかかり、バリチェロが粘りを見せるものの明らかなオーバースピードでコースアウト。そのままリタイアとなる。これでシューマッハは7位。さらに残り2周のところでヒルをパス。6位ポイント圏内までポジションを上げる。

 結局ヴィルヌーブが終盤本来の安定した走りを取り戻して今期6勝目を挙げる。2位には前回優勝で好調のクルサード。3位にはフレンツェンが入り、ウィリアムズの2人が揃って表彰台に立つのは今期初の事で、コンストラクターズ・タイトル争いで優位に立った。4位は予選14番手から挽回したフィジケラが、5位はそのチームメイトのラルフ・シューマッハ。6位にはミハエル・シューマッハが執念で1ポイントをゲットし、チャンピオン争いトップを守った。




○不運が続くハッキネン(Updated at Sep.24 1997)
 予選レポートで「ハッキネンに好スタートを決めて初優勝を狙って欲しい!」と書いたんだけど、スタートはまさにその通りとなってこれは行ける!と思った矢先、まさか1周もせずにエンジンが壊れるとは・・・。 ここまで不運が続くなんて、鈴鹿に来たときは「ぜひとも伊勢神宮にお参りを!」なんて言いたくなってしまう。これはもう神に祈るしかない。その点同僚クルサードは気がつけば2位。前回の優勝といいホント強運だよなぁ。両ドライバーの運不運はあるにせよ、マクラーレン・メルセデスの特にエンジンのポテンシャル・アップがこのような結果を生んでると思うのだが、だから余計にハッキネンの不運が気の毒でならない。

 予選好調だったブリヂストン勢、新人トゥルーリもエンジン・ブローでリタイア。ハッキネンが早々とリタイアしたためそれに代わってトップを快走。序盤は2回ピットイン作戦なのではと思わせるほどのハイペースで新人らしからぬ走りを見せていた。しかし、ピットアウトのタイミングが悪くてジャックに前に出られ、最後はエンジン・ブロー。その直前に中野もブローして、無限エンジンは信頼性に黄色信号。鈴鹿までには立て直して欲しいところだ。

 予選で好調だったスチュワート勢も共にリタイア。序盤は2回ピットイン作戦で燃料が軽く好走を見せたものの、バリチェロはジャックに抜かれ挙げ句はシューマッハと競り合ってコースアウトしてリタイア。マグヌッセンもトラブルでリタイアとなる。しかし、そもそもこのレースで2回ピットインしては好成績は望めず、戦略面でも新興チームのもろさが出てしまった。

 対照的に予選不調で14番スタートのフィジケラは気がつくと4位入賞。どこでどう挽回したのかテレビでは分からなかったけど、底力があるんだねぇこの人は。ラルフも久々に5位に入り、ドライバーだけでなくチーム力も大幅にアップしている事が伺える。それなのにフィジケラは来期混乱のベネトンへ移籍でしょ。選択を誤ったんじゃない? その代わりにD.ヒル。これは優勝狙えそう。鍵は無限エンジンにあり!。

 挽回したと言えば、予選9位のシューマッハはペナルティーがなければ3位のところまで順位を上げていた。マシンの状態がどうであれさすがに速い。でも、最後のヒルをパスしたシーンは、94年、95年に2人でチャンピオンを争っていた時に遺恨を残したシーンそっくりで、どうもあの2人のバトルはスマートでないなぁ。

 で、結局ジャックが今期6勝目。スタートで4位に落ちたときにはどうなるかと思ったが、ハッキネンのトラブルにも助けられ、中盤から終盤にかけては久しぶりにウィリアムズらしい安定した走りでの勝利。フレンツェンが3位に入って、去年まで当たり前だったウィリアムズの2台揃っての表彰台が今期初と言うのは驚きだけど、残り3戦、なんとかコンストラクターズ・チャンピオンは獲得できそう?
 また、ドライバーズ・チャンピオン争いは1ポイント差。今回の結果から言えば、ドライ・コンディションならジャックが有利か? でも、まだまだ何が起きるかわからない。次のニュルブルクリンク、鈴鹿、そして最終のへレス。まったく目が離せなくなった。


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