1997 Formula One World Champion Ship

Round 13. Italian GP. Results


Last updated, Sep.08 1997


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第13戦 イタリアGP最終結果
◇9月5日〜9月7日 モンツァ・サーキット (5.770Km×53周)

○イタリアGP予選結果

○ドライバー&コンストラクターズ ランキング


○クルサードが開幕戦以来の2勝目を挙げる
 1997年F1第13戦イタリア・グランプリの決勝が7日モンツァ・サーキットで行われ、ディビッド・クルサード(マクラーレン・メルセデス)が開幕戦以来の今期2勝目を挙げた。

 天候は晴れ。しかし、サーキット近くのミラノ市内では雨が降っているとの情報もあり怪しい状況。
 スタート直後の第1シケインの飛び込みでは例年接触事故が絶えないのだが、今年は混乱無く、予選1位のアレジ、2位フレンツェンは好スタートでポジションキープ。その後ろには予選6位のクルサードが得意のロケットスタートを決めて、予選3位フィジケラの前に割り込む。その後ろにヴィルヌーブ、ハッキネンが続き、ティフォシ期待のシューマッハは2つポジションを上げて7番手。

 9周目、片山右京が走行中に左フロント・ホイールが割れるというハプニングに襲われ、なんとかピットに戻るがそのままリタイアとなる。
 上位陣には順位の変動なくそのまま周回が進む。が、その中でマクラーレン勢が若干速く、クルサード、ハッキネンがそれぞれウィリアムズのフレンツェン、ヴィルヌーブに肉薄する。ここにきてメルセデス・ベンツのエンジンがかなりパワフルになってきているようで、序盤はこの2人がファーステストを交互に出す走りを見せる。また、フィジケラ、そして20周に入ってヴィルヌーブもファーステストをマーク。

 一方トップを走るアレジはペースが上がらず、フレンツェン、クルサードが接近。また4位フィジケラにヴィルヌーブ、ハッキネンが迫る。アレジはギリギリまでダウンフォースを減らし、トップスピードを稼ぐセッティング。そのためコーナは辛く、タイヤへの負担が大きいため、周回を重ねるごとにタイヤのタレが他のマシンより大きいようだ。

 28周目、上位陣ではウィリアムズが先に仕掛け、まずヴィルヌーブがピットイン。次の周フレンツェンが続く。ほとんどのチームが1回のピットイン作戦をとるようで、ここから他のドライバーも続々ピットイン。31周目に3位を走るフィジケラがピットイン。
 そして32周目、トップのアレジと、フレンツェンがピットインした間に追い上げアレジにコンマ数秒まで追ったクルサードが同時ピットイン。ベネトンVSマクラーレンのピットクルーによる勝負となり、マクラーレン・チームがわずかに早くクルサードを送り出すことに成功してトップを奪取。
 33周目ハッキネン、34周目M.シューマッハがピットインし、これですべてのマシンがピットインを済ませた事になる。

 37周目、4位を走るハッキネンが突然スロー走行。タイヤに何かトラブルが発生したようで、ピットインを余儀なくされタイヤ交換。左フロント・タイヤがパンクしたようだ。
 更に、9位を争うハーバート、ラルフが第1シケイン手前でサイド・バイ・サイドで接触。ハーバートは右フロント・サスペンションを壊してコントロールを失い、サンドトラップを暴走してタイヤバリアに激突。300Km/hを越えるハイスピードでの接触で冷やっとしたが、ハーバートはすぐに自力でマシンを降りダメージはない様子。

 38周目での順位は、クルサード、アレジ、フレンツェン、フィジケラ、ヴィルヌーブ、M.シューマッハ。
 レースは心配された雨もなく、大きな動きもないまま進んでチェッカーが振られ、クルサードが上位5台が7秒以内の接戦を制して開幕戦以来の今期2勝目を挙げた。2位にはアレジ、3位フレンツェン、以下フィジケラ、ヴィルヌーブ、M.シューマッハと続いた。


○高速バトルはピット作業で決着!(Updated at Sep.16 1997)
 去年のモンツァはシケインのショートカット防止のために置かれたタイヤ・バリアがいろいろなハプニングを生み混戦となったが、今年はハーバートのクラッシュシーンを除いて、単調なレースとなった。それだけ各マシン+各ドライバーのトータルの力に差がなかったと言える。
 そんななか、一歩抜き出て優勝を奪ったのがクルサード。元々スタートは得意でジャンプアップをよく見せるけど、失敗してクラッシュってのも結構ある。今回は上手く6位から3位にポジションを上げ、ここに来て他を上回るパワーを絞り出してきたメルセデス・エンジンの後押し、そして今レース唯一の見せ場、コンマ数秒差で前を行くトップ・アレジとの同時ピットインによるピット作業バトルを制し、そのままチェッカーを受けた。これで通算3勝目。絶対的に速いってわけでもないし、ムラが多くて先にも述べたようによく多重クラッシュの原因を作ったりしてるのに、なぜか3勝目。なかなか勝てない人が多い中、ついてるんだねぇこの人は。

 逆についてないのがチームメイトのハッキネン。今回もニュータイヤに履き替えて数周で突然のパンク。これで順位を大きく落としてしまった。また、ピットインのタイミングを遅らせ、前が空いたところでかなりプッシュしていたところを、周回遅れのモルビデリにつかまったり、完全に運に見放されていた。前回ベルギーの3位も燃料の違反で取り消しとなり、どうもついてない。早く初優勝を見たいんだけどね。しかし、来年のマクラーレン残留が決定し、A.ニューウェイが開発するニュー・シャーシ+パワーアップのメルセデス・エンジンで、来年はマクラーレン・ハッキネンの年になるかも?

 ついていないと言えば、今回のアレジにもそれが言える。上位では一番不利なマシンでダウンフォースを削りに削ってトップスピードを稼ぎ出し、F1通算2度目のポールをゲット。スタートもバッチリ決めてトップを死守。しかし、ドライバーにはどうする事もできないピット・ストップ・バトルに敗れての2位。なかなか2勝目が挙げられないが、見るからに曲がり難いマシンを見事に腕でねじ伏せ、最後まで走りきったんだからさすがはアレジ。やっぱりこの人が優勝争いに絡むとレースが面白くなる。

 前回のベルギーで2位のフィジケラは4位。でも、1回のミスが命取りとなる僅差のレースで4位をキープするのは立派。入賞が常連となりつつある。一方のチームメイト・ラルフはハーバートと接触してリタイア。ここの所、すっかり影が薄くなってしまった。

 優勝を争う、シューマッハ、ヴィルヌーブは6位と5位。フェラーリはエンジンのパワー不足で全く良いところ無し。多くのティフォシはフェラーリの応援を諦め、「アレジ」コールに変わってしまった。ヴィルヌーブもシューマッハに迫るチャンスを物にできず、僅か1ポイント差を縮めただけ。しかし、次の次ニュルブルクリンクはジャックがF1初優勝を飾った場所だし、鈴鹿も車のバランスが物を言うのでウィリアムズが強そう? 去年のマシンなら断然ジャックが有利と言えるのだが、今年のこれまでの成績からみるとどっちが有利か何とも言えない。まーその分最後までもつれそうで楽しみなんだけど。

 それにしても上位5台が6秒以内の差でチェッカーを受ける接戦のレースは、まるで全く同じ速さのミニ四駆が等間隔で走ってるようで、見る側にしてみると今一つ面白くなかったけど、ドライバーにとってはミスの許されない辛いレースだったろうな。でも、見せ場がアレジとクルサードの同時ピットインだけとは、やっぱり何か違うよねぇ・・・・
 どうしたらバトルが多くなるのか・・・・ サーキットのレイアウト変更も含め、FIAは真剣にそのことを考える必要があるのではないだろうか。CARTの中継を見ているとつくづくそう思います。


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