1997 Formula One World Champion Ship

Round 6. Spanish GP. Results


Last updated, Jun.02 1997


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第6戦 スペインGP最終結果
◇5月23日〜5月25日 カタルーニャ・サーキット(バルセロナ)
 (4.727Km×65周)

○スペインGP予選結果


○J.ヴィルヌーブ完勝!!
1997年F1第6戦スペイン・グランプリの決勝が25日バルセロナのカタルーニャ・サーキットで行われ、J.ヴィルヌーブ(カナダ、ウィリアムズ・ルノー)が今期3勝目を挙げた。

 フォーメーション・ラップのスタートで予選6位のG.ベルガーがエンジンをストールさせるハプニング。これで最後尾からのスタートになる。ところが、スタート直前でR.シューマッハがエンジンをストールさせてしまい、イエロー・シグナルが点滅。このため、ラルフが最後尾に回り、もう一度フォーメーション・ラップのやり直しとなって、レースは64周で争われることに。ベルガーは命拾いで元の6位の位置からのスタートとなった。

 スタートではクルサードが好スタートでトップで1コーナへ。しかし2コーナでヴィルヌーブが前に出てトップに立つ。そして予選7位と不調だったM.シューマッハがジャンプアップでクルサードもかわし2位に。オープニングラップは、ヴィルヌーブ、シューマッハ、クルサード、アレジ、ハッキネンと続く。予選2位のフレンツェンは出遅れ6位となる。

 ヴィルヌーブはファーステストを出しながら快調に飛ばす。ストレートが伸びないフェラーリ/シューマッハはペースが上がらず、後ろからクルサードの追撃を受け、さらにアレジ、ハッキネンが僅差で続き、4台が同時にTV画面に映し出されるデットヒートを展開する。14周目とうとうクルサードが1コーナの飛び込みでシューマッハの前に出て2位に浮上。

 15周目、クルサード、M.シューマッハ、それに7位走行中のベルガーがピットイン。マクラーレン、フェラーリ、ベネトンのベルガーは3回タイヤ交換作戦のため早めのタイヤ交換に動く。17周目ここまで5位走行と健闘していたD.ヒルがホームストレートでマシンを止めてしまう。エンジントラブルらしい。
 20周目、トップのヴィルヌーブがピットイン。まだピットインしていない2位アレジとの差は22秒以上あり、次の周にアレジがピットインしてヴィルヌーブがトップに戻る。
 スタートで出遅れたフレンツェンは、その後もペースが上がらず、ヴィルヌーブと比べタイヤの消耗が激しく、何かトラブルでバランスが悪いらしく苦しい展開に。

 28周目の順位は、ヴィルヌーブ、クルサード、アレジ、シューマッハ、ハッキネン。29周目にはハッキネン、30周目にはヴィルヌーブに2秒差まで迫ったクルサードが2回目のピットイン。その後3回ピット作戦のシューマッハやベルガーもピットに入る。
 トップのヴィルヌーブは1回目のタイヤ交換後から今一つタイムが出てなく。既に2回ピットに入った3位クルサードと18秒差。また、2回の交換で済みそうなブリヂストン勢のプロスト・パニスは4位を走行し、トップとの差はおよそ24秒。タイヤの消耗戦となるとブリヂストン・タイヤの優位がはっきりと現れる。そしてパニスはとうとうクルサードをかわして3位に浮上する。45周目パニスが2回目ピットイン。さらにヴィルヌーブも2回目のピットインを行う。その他の3回ピット作戦のドライバーも続々とピットに入り、46周目での順位は、ヴィルヌーブ、パニス、アレジ、シューマッハと続く。

 終盤の54周目、2位パニスが周回遅れのアーバインに引っ掛かり、3位アレジ、4位シューマッハが迫る。そのためプロストチームの監督C.フィオリオとオーナのプロスト自身がアーバインに譲る指示を出すようにフェラーリへ抗議に行く場面が。結局アーバインはペナルティを受けてしまう。

 結局ヴィルヌーブが1位を守り完勝で今期3勝目。ブリヂストン・タイヤを履くパニスが今期最高の2位、3位には久々の表彰台のJ.アレジ、4位シューマッハ、5位には終盤にクルサードをかわしたザウバーのJ.ハーバートが入りクルサードは6位となった。



○タイヤの持ちが結果を左右する

 今回のバルセロナは、ピットインの回数が勝敗を分けた。タイヤの持ちがいい、つまりピットインの回数が少なくて済んだドライバーがポディウムを占めた。まぁ、当たり前の話しだけど、これができたのが、マシンのバランスがいいウィリアムズに乗るジャックと、ブリヂストン・タイヤのパニス、過去にこの作戦でシューマッハをチャンプに導いたベネトン・アレジの3人。

 ジャックは1回目のタイヤ交換の後、どうもペースが上がらず、序盤に築いたアドバンテージを随分と切り崩してしまったが、結局は危なげなくチェッカーを受けているところを見ると、中盤はタイヤを温存するためにあまり無理をしなかったのかもしれない。「プロスト的」とも言われる頭脳派ジャックならやりそうなことである。モナコでは散々だったのでチームにとってもチョット一安心。しかし、フレンツェンはマシンのバランスが悪いのか入賞すらできず。今シーズンは今だ2台揃っての入賞なしは、ウィリアムズにとって非常事態と言える。

 タイヤの耐久性において今回のパニスの2位は、ブリヂストンにとって本当に自身になったであろう。しかし、予選での一発の速さでグッドイヤー勢に後れを取り、その遅れを最後まで取り戻せなかった。パニスは予選12位。しかし結果2位なんだから、予選でもう少し上位だったら、ジャックも楽ではなかっただろうし、あわゆくはってこともありえる。昔ピレリが予選では速いのに、決勝では耐久性がなくて結果を残せなかったんだけど、ブリヂストンはまったくその逆。耐久性のずば抜けた高さは確実に決勝の結果に結びつく。なんとか予選で上位を獲れれば、ブリヂストンの初優勝も近い!

 ベネトンはシーズン前のテストをこのサーキットでかなり走り込み、好タイムをマーク。今年はやってくれると期待を抱かせたのだが、開幕以来決勝はおろか、予選でも今年好調のジョーダンやプロストに押しやられ、すっかり中堅に埋もれていた。が、やっぱり走り込んだサーキットではアレジ、ベルガー共に予選好調(これはマクラーレンにも言えることであるが・・・)。そして、タイヤ交換を2回で済ましたアレジが久しぶりの表彰台に。これをきっかけにベネトンの2人には復活して欲しいところなんだけど、他のサーキットではやっぱり苦しいかなぁ? なかなか勝てるようにならないねぇ シューマッハ移籍後のベネトンは・・・・。

 そんな訳で、今回は特にタイヤが長持ちするかどうかでレースが決まってしまったんだけど、この後のカナダやヨーロッパの高速コースでも同じような展開になるのかな? そうなると、パニスによってプロスト・グランプリとブリヂストンの初優勝もありえるかもしれない。しかし、レースとしてはチョットつまらないなあ。やっぱり抜きつ抜かれつのバトルで勝敗を争ってほしいよね。

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