1997 Formula One World Champion Ship

Round 1. Australian GP. Results


Last updated, Mar.10 1997


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第1戦 オーストラリアGP最終結果
◇3月7日〜3月9日:アルバートパーク・サーキット(メルボルン)
 (5.302Km×58周)

○オーストラリアGP予選結果


○クルサード優勝!マクラーレンは50戦ぶりの優勝

Coulthard
 1997年F1開幕戦オーストラリアGPの決勝が9日メルボルンのアルバートパーク・サーキットで行われ、D.クルサード(マクラーレン)が優勝した。クルサードは95年第13戦ポルトガルGPで優勝して以来通算2勝目。また、マクラーレンチームにとっては、93年の最終戦オーストラリア(アデレード)でA.セナが優勝して以来実に50戦ぶり、メルセデスエンジンにとっては94年に本格復帰後、4シーズン目にして初優勝となった。

 天候は曇り、夏にしては過ごしやすい気温。フォーメーションラップでは、昨年のチャンピオンのD.ヒルがいきなりトラブルでストップしてしまう。

 スタートでは、ポールのヴィルヌーブがスタートに失敗。その後もスピードに伸びがなく、1コーナーのアウトからハーバートが、インからはアーバインが割り込み、ヴィルヌーブは行き場を失って3台が絡みヴィルヌーブ、ハーバートはコースアウト。アーバインもフロント・タイヤがパンクしてそのままリタイアとなる波乱の幕開け。オープニングラップは、フレンツェン、クルサード、シューマッハ、ハッキネン、アレジ、ベルガー、パニスの順。
 また、このレースがデビューとなるR.シューマッハは2周目にスピンでリタイア。チームメイトのフィジケラも14周目に前を行くバリチェロをかわそうとしてスピン、リタイアとなる。
 スタートを上手く決めたフレンツェンはそのまま快調に飛ばし、2位クルサード以下に序盤で早くも10秒以上の差をつける。19周目、周回遅れに詰まったところで、ウィリアムズは急遽フレンツェンをピットに迎え入れタイヤ交換。ウィリアムズは2ストップ作戦をとるらしい。同時に7位を走行中のパニスもピットイン。フレンツェンはハッキネンの前3位でコースに復帰。他の上位陣、フェラーリ、マクラーレン、ベネトンは1ストップ作戦の模様。トップはクルサード、続いてシューマッハ、フレンツェン、ハッキネン、アレジ、ベルガーと続く。
 クルサードは30数周経過した時点でも、1分31秒台をコンスタントにキープしてトップを守り、シューマッハを寄せ付けない。
 32周目、ベルガー、シューマッハがピットイン。シューマッハは5位でコース復帰。34周目にはクルサードもピットインし、ここでフレンツェンがファーステスト・タイムを出してトップに立つ。次の周にはハッキネンもピットインしてタイヤ交換と燃料補給を受ける。
 34周目アレジが突然ストップ。既にピットインのサインが出ていたのだが、それを無視して走り続けたため、なんとガス欠になったようだ。
 トップに立ったフレンツェンはファーステストを連発。1分30秒台で周回を重ね、39周目には2位クルサードに23秒以上の差。しかし、もう一度ピットインの必要があるフレンツェンにはまだこのアドバンテージは十分とは言えない。
 40周目にフレンツェンがピットイン。しかし右後輪の交換に手間取り16秒以上のタイムロス。そのためクルサード、シューマッハの後ろ3位となる。
 残り7周のところで、シューマッハがピットイン。その前のピットインで給油装置の故障があったらしく、このままではガス欠になるため、急きょ燃料補給のためピットイン。しかし、ハッキネンのすぐ前3位でコースに復帰する。フレンツェンは労せずにして2位に。ところが残り4周のところで左フロントブレーキが壊れてスピンアウトしてしまう。
 クルサードはその後もペースを落とすことなくトップを守り、そのままチェッカーを受け、マクラーレンに50戦ぶりに勝利をもたらした。2位シューマッハ、3位ハッキネン、4位ベルガー、5位には初参戦ブリヂストン・タイヤを使用し、チーム名がリジェからプロストに代わったO.パニスが入った。6位も今年からペトロナス(フェラーリ)エンジンを搭載して参戦したザウバーのラリーニが入った。また7位に、これまた初参戦の中野信治が見事に完走を果した。片山右京は32周目にエンジンのトラブルでリタイア。

○マクラーレン完全復活!?

Jacques  いよいよ始まった今シーズンのF1。わくわくしながらTVを見たんだけど、独走を期待していたヴィルヌーブがあんな形で早々と消え去るとはちょっとがっかり。アーバインの無理な追い越しが原因とも見えるが、明らかにヴィルヌーブ自身のスタートミスがこのアクシデントを招いたと言える。前日の予選で圧倒的な速さでポールを獲った事が、気の緩みになったのかな? フレンツェンはブレーキ・トラブルが出て残り3周でリタイアは残念。ただ、その前のピットストップのタイヤ交換でロスがあったにせよ、このレースで2ストップは作戦ミスと言えるのでは? ヴィルヌーブはあのスタートでの伸びのなさから1ストップだったのではと想像できるけど、スタートで去年の鈴鹿と同じようなミスを犯してはどうしようもない。次回は気を引き締め直してくると思うので、本当のウィリアムズの強さはブラジルからか?
 スタートでがっかりはしたが、マクラーレンの優勝は嬉しい。なんたって93年の最終戦セナの優勝以来だっていうんだから、本当にお久しぶりって感じ。マシンのカラーがマールボロでなくなったのはチョット寂しいが、これも時代の流れ。クルサードの走りは全く危なげなく、すぐ後ろを走るあのシューマッハに付け入る隙を全く与えていなかった。マシンもスムーズな動きを見せ、レース後のインタビューでクルサードが「スタートのアクシデントを起こしてくれたアーバインに感謝するよ」なんて言ってたけど、この勝利はドライバーとチームの総合力でもぎ取ったと言える。ただ、ハッキネンが控えめだったのが気になるが・・・
 リジェ改め、プロストGPのパニスも5位入賞。序盤ではベネトンにぴったりと付けていたが、2ストップ作戦で燃料が少ない分軽いことを考えると、まだまだ上位チームと互角とまでは言えないのかな。ウェットでのブリヂストン・タイヤに期待ってところか?
 ハーバートの予選7位は正直驚いた。パワーのある昨年型フェラーリ(ペトロナス)エンジンとシャーシが上手くバランスが取れているのだろう。もしスタートのアクシデントがなければ、ヴィルヌーブの前に出て、4位か5位くらいを走れたと思うので、そう考えるとハーバートは不運。それにしてもハーバートってついていないなあ。いきなり4位という衝撃的デビューを飾ったのに、ケガでベネトンのシートを失い、その後は低迷ロータスで苦労し、95年はベネトンで2勝するが、シューマッハの影に隠れてしまって・・・ しかし、同僚ラリーニが6位完走を果し、信頼性も悪くなさそうだし次回はいいところを見せて欲しい。
 フェラーリもまずまず。ただシューマッハの力量で2位がやっとと言うことは、まだまだチャンピオンを狙えるマシンとは言えない。実際マクラーレン/クルサードにはかなわなかったわけだし。やっぱりチャンピオンを狙うのは来年か? アーバインのじゃじゃ馬ぶりはなかなか直らないねえ。去年の鈴鹿のシケインではフェアにヴィルヌーブに前を譲ったのに、今回は無理し過ぎ。まーこれもヴィルヌーブの予想外のスタートミスが招いたとも言えるのだが。
 全くの期待外れが、ベネトン。テストで好調だったのでつい騙されてしまった。その好調も同じサーキットで走り込んでのものだったとは。舞台が変わるとそれに上手く適応できないのでは、この先も辛い。予選では、ウィリアムズ、フェラーリ、マクラーレンはおろか、ザウバーにも先を越され、決勝で結果的にはベルガーが4位には入ったが、アレジは何やってるんだ? ピットインのサインを無視してガス欠なんて、以前からのアレジならやりかねないとは思うけど、もうベテランでしょ? これではチームからの信頼を失い、かねてから取りざたされているブリアトーレとの関係もますます悪化してしまうのは避けられないだろう。 これはヒトモメありそう(ヒトモメで済めばいいけど・・・)。
 若さのジョーダンは2人ともスピンアウトで、その若さがあだとなってしまった。でも才能ある2人なので、1戦1戦経験を詰んで上手く這い上がってきて欲しいな。
 初参戦の中野も、なんとか完走を果したんだけど2周遅れは本人も満足していないだろう。これからその才能をどこまで伸ばせるか? ニッポンが期待しています。

 それにしても、開幕戦は予想通りにはいかないなあ。まさかマクラーレンが来るとはねえ。マクラーレンのマシンの仕上がりの高さは証明されたけど、ヴィルヌーブがあんな結果だったので、本当の勝負はこれから。ヴィルヌーブも同じ失敗を繰り返さないだろうし、本当のチームの実力を計る上で次回ブラジルはまた楽しみ。マクラーレンが勝ったことで、次はどこが勝つのか予想が難しくなって、面白くなりそう。


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