1996 Formula One World Champion Ship
Round 12. Hungarian GP. Results

Last updated, Aug.18 1996
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第12戦 ハンガリーGP最終結果
◇8月9日〜8月11日:ハンガロリンク・サーキット
(3.968Km×77周)
- 1 J.ヴィルヌーブ(ウィリアムズ・ルノー)
- 2 D.ヒル(ウィリアムズ・ルノー)
- 3 J.アレジ(ベネトン・ルノー)
- 4 M.ハッキネン(マクラーレン・メルセデス)
- 5 O.パニス(リジェ無限ホンダ)
- 6 R.バリチェロ(ジョーダン・プジョー)
○J.ヴィルヌーブ3勝目!
1996年F1第12戦ハンガリーGPの決勝が11日ブタペスト郊外ハンガロリンク・サーキットで行われ、J.ヴィルヌーブ(ウィリアムズ・ルノー)が今期3勝目を挙げた。
スタートは、予選5位アレジがここ数戦同様の好スタート。シューマッハ、ヴィルヌーブの後ろ3位につける。予選2位ヒルは出遅れ4位に。5位アーバイン、6位ベルガー、ハッキネン、ハーバートと続く。
序盤はシューマッハとそれを追うヴィルヌーブが3位アレジ以下を徐々に引き離す展開。シューマッハの後ろ、チョットいやらしい間隔をおいてヴィルヌーブが追う。アレジ/ベネトンはなかなかペースが上がらない。今回上位チームは3回のピットインを予定。しかし、ベネトンは2回の作戦。したがって燃料も多く積む必要があり、それでペースが上がらないようだ。それに引っかかって前に出れないヒルもそれに付き合わなければならず苦しい展開となる。
20周目、トップ・シューマッハがピットイン。7.9秒で作業を終えピットアウト。これでヴィルヌーブがトップに立ち、ファーステストを出して逃げる。シューマッハはベルガーの後ろ5位。しかし、そのベルガーに引っかかってしまい、タイムをロス。
22周目、ヴィルヌーブがピットイン。7.8秒で作業を終えピットアウトし、ヒルの後ろ3位でコースに復帰。
26周目、ヒルがピットイン。6.8秒で作業を終え、コースに復帰するが、またもアレジの後ろになってしまう。しかし、30周目の1コーナでアレジの一瞬のミスを着いてパス、3位に浮上。
すべてのチームが1回目のピットインを終えた31周目での順位は、ヴィルヌーブ、シューマッハ、ヒル、アレジ、ベルガー、アーバイン。しかしアーバインはこの周ギヤボックストラブルでリタイアしてしまう。
前が開けたヒルはファーステストを連発しながら2位シューマッハを追う。2位シューマッハに16秒差をつけたヴィルヌーブもヒルのタイムとほぼ同じペースで周回を重ねる。
40周目シューマッハが2回目のピットイン。6.9秒で作業を終えてコース復帰。41周目ヴィルヌーブもピットイン。7.0秒で作業を終え、トップをキープしたままコース復帰に成功。42周目にヒルがピットイン。6.7秒で作業を終えてコースに復帰。1回目のピットインが遅かったヒルであったが、どうも3回ピット作戦のままのようだ。アレジは48周目2回めのピットイン。アレジはこのままノンストップでチェッカーを目指す作戦。シューマッハ、ヒルがもう一回ピット作業が必要なので、この辺の位置関係がどうなるのかも見物。
ヒルはその後も1分20秒台のペースでシューマッハに迫り、そのすぐ後ろにつける。シューマッハが53周目に3回目のピットイン。しかしアレジ、ベルガーはシューマッハの前には出れず、2回ピット作戦は失敗。その間にヒルはペースを上げてシューマッハとの差を広げる。
ヴィルヌーブは60周目にピットイン。しかしリア・タイヤの交換に手間取り14秒もの時間がかかってしまう。このためヒルがトップに立ち15秒のリードを築くが、これでは最後ピットインがあるヒルには厳しい。63周目ヒルがピットイン。ウィリアムズのクルーは今度はミス無く6.8秒で作業を終えヒルを送り出す。しかし、ヴィルヌーブが前に出て、ヒルには6.5秒の差を築く。
64周目、ベルガーがまた前回ドイツと同様、エンジンから激しく白煙を吹きだしリタイア。また、残り6周にはシューマッハが突然コース脇にマシンを止める車載カメラの映像が。
ピットアウト後のヒルはヴィルヌーブを猛追。ファーステストを叩き出しながらヴィルヌーブに迫り、残り7周で1.2秒まで詰め寄る。しかし、ヴィルヌーブはヒルに迫られてもミスを犯すことなく走りきりそのままチェッカーを受け、F13勝目。
2位にはヒル、3位はアレジ、4位ハッキネン、5位パニス、6位バリチェロが入った。また、片山右京も、マシントラブルを抱えながらもなんとかチェッカを受け、久々の完走7位に入った。
また、ウィリアムズが1、2フィニッシュを飾ったことで、4戦を残して早くもコンストラクターチャンピオンが決定した。
○やっぱりウィリアムズは速すぎる!!
ヴィルヌーブが新人ながら3勝をマーク。ヒルもなんとか追い上げたが2位。この差はスタートの瞬間決まった。予選2位のヒルは今回もスタートで失敗、またもジャンプスタートを決めた予選5位アレジの後ろにつく。ところが2ストップ作戦でマシンが重いアレジはペースが上がらず、トップ2台から序盤で大きく差を広げられる。一方、予選3位のヴィルヌーブはシューマッハの後ろに着いて上手く抜け出し2位に浮上。序盤は予想に反して速いペースのシューマッハにピタリとつけてアレジ、ヒルとの差を徐々に広げる。その後、シューマッハがピットインして前が開くとペースを上げてリードをさらに広げ、3回目のピットインでタイヤ交換のもたつきがあったが、結局は逃げ切り勝ち。このスタートのできの差がこの勝負の結果となった。
終盤ヴィルヌーブはヒルに追い上げられ苦しい展開に見えたが、「後ろとの差はどうであれ、とにかく先にチェッカーを受ければ勝ちは勝ち」という初優勝のヨーロッパGP同様、プレッシャーに強い走り、精神力をここでも見せてくれた。それも初めてのコースで!
ヒルもスタートのミスは痛かったが、スリッピーで抜き所のないコースでアレジのミスを逃さずパスしたり、後半はヴィルヌーブのタイヤ交換のミスにも助けられたが、トップに肉迫して見せたりと、良いところを少しはアピールできたのでは。今シーズンを振り返っても、ヒルの2位と言うのは初めて。優勝は7回と断トツなんだけど、その他はヨーロッパの4位のみ。この辺がヒルの弱さとも言えるが、残りはあと4戦。ヒル、ヴィルヌーブの差は17ポイント。同じマシンだけに、経験の差から言えばヒルだろうけど、いかにプレッシャーに打ち勝つかも大きな鍵。ヒルが中盤から終盤に見せた走りを続け、スタートさえ上手くやればまだまだ有利だけど、精神力の強いヴィルヌーブだけにどうなるのかちょっと予想が付きにくい。最終戦鈴鹿までタイトル争いが持ち越せば、全日本F3で鈴鹿を経験しているヴィルヌーブが、鈴鹿では勝っていないヒルと良い勝負になるのではと期待するのだが。
今回は完走10台のサバイバルレース。その例に漏れず、フェラーリ/シューマッハはなんとか3位を走っていたのにもかかわらず、残り6周でまたもトラブル発生。アーバインも中盤、トラブルでリタイアとなかなかフェラーリの持病は直りそうもない。
ベルガーの白煙もまったく前回と同じ。同じエンジンが4台走っているのになぜベルガーだけ?。ベルガーの走りの特徴から言って、オーバーレブが多いのかもしれない。
そんななか、久々に7位完走を果した右京は、インタビューでも本当に嬉しそうだった。いつものように目は潤んでいたけど、これは嬉し涙。残り4戦、逆境にめげず、頑張れ右京!!!
それにしてもウィリアムズは強すぎる。今回はあと数周あれば3位アレジも周回遅れにしてしまう勢い。結局1、2フィニッシュでコンストラクタータイトルを早々と獲得してしまった。これだけのマシンを準備し続けられるチームスタッフの技術と努力には本当に敬意を表するが、一人のF1ファンとしてはやぱりつまらない。もっと他のチームにも頑張って欲しいところ。98年のルノーエンジン撤退後が大きな転換期かもしれない?
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