1996 Formula One World Champion Ship

Round 8. Canadian GP. Results


Last updated, Jun.17 1996

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第8戦 カナダGP最終結果
◇6月14日〜6月16日:ジル・ヴィルヌーブ・サーキット(モントリオール)
 (4.421Km×69周)

○カナダGP予選結果

○カナダGP結果詳細


○D.ヒル、今期5度目の優勝!

 1996年F1第8戦カナダGPの決勝が16日モントリオールにあるジル・ヴィルヌーブサーキットで行われ、D.ヒル(ウィリアムズ・ルノー)が今期5度目の優勝を遂げた。3戦ぶりの晴天、ドライコンディションのレースではあったが、完走8台。ストップ&ゴーのコースレイアウトがマシンに負担をかけたのか、またもサバイバルレースとなってしまった。
 まずはいきなりシューマッハのエンジンがかかなかったため、フォーメーションラップにスタートできず、最後尾からのスタートとなってしまう。
 スタートではまずヒルが好スタート。1周目で2位ヴィルヌーブに2秒差を付ける。その他、大きなトラブルもなく上位はほぼ予選の順位のままオープニングラップを終える。しかし、2周目アーバインが突然スローダウン、フロントサスペンショントラブルの模様でそのままリタイアしてしまう。
 3周目での順位はヒル、ヴィルヌーブ、アレジ、ハッキネン、ベルガー、ブランドル、フレンツェン、バリチェロ。
 序盤は、ヒルがやや2位ヴィルヌーブとの差を広げつつ、トップをひた走る。ヴィルヌーブの後ろにはコンマ数秒差でアレジが迫る展開。しかし、徐々にヴィルヌーブとアレジの差も開きだす。
 9周目、最終シケインで10位を走行中の右京が、前のロセットのインを付き、パスしたかに見えたが後輪同士が接触し、共にクラッシュしてしまう。
 最後尾スタートのシューマッハはどんどん順位を上げ、10周を過ぎた頃には13位に。しかし、前はサロ、ハーバート。なかなか前を開けてはくれず、苦しい展開に。
 4位を走行していたハッキネンは、ベルガー、ブランドル、さらにはバリチェロにもかわされ6位にまで順位を落とす。
 21周目、6位走行中のバリチェロがピットイン、タイヤ&燃料補給で順調にピットアウトしたかに見えたが、再びピットイン。再度コースに戻るがまともに走れず再々度ピットインしてそのままリタイア。クラッチトラブルだったらしい。
 28周目トップ、ヒルがピットイン。無難に作業を終えコースに戻り、ヴィルヌーブの後ろにつく。ウィリアムズはどうもヒル2回、ヴィルヌーブ1回のピットストップ作戦の様子。この作戦の違いがどちらに勝利をもたらすのか?。この時点でのポイントとなる。
 33周目ヴィルヌーブがピットイン。これも無難に作業を終え、まだピットインしていないアレジの後ろ3位でコース復帰。
 シューマッハは40周目にピットイン。作業は順調に終えるが、コース復帰のためピットロード走行中にマシンから何か部品が落ちる映像が。その部品がなんとドライブシャフトだったとのことで、そのままリタイアしてしまう。また、4位を走行中のベルガーがスピンでリタイア。
 またブランドルが2回目のピット作業を終了してコース復帰直後、第1コーナでラミーと接触。ノーズを壊して、再びピットに入り大きなロスとなってしまう。またラミーはこのままリタイアとなる。
 50周目にヒルが2回目のピットイン。何も問題無く9秒台でコースに復帰、トップを守る。
 終盤は、徐々にヴィルヌーブがヒルとの差を詰め、最後は4秒まで迫ったが、ヒルが無難に逃げ切り優勝。2位ヴィルヌーブ、3位にはアレジが入った。

○ヒル汚名返上の優勝!!

 地元ヴィルヌーブ参戦のため大いに盛り上がった今年のカナダGP。この盛り上がりは予想はしていたが、意外だったのがヴィルヌーブ応援のために振られていた旗。カナダといえば、赤い楓の葉の国旗で埋め尽くされるのだろうと予想していたが、見たことのない青地に白十字の旗一色。これはケベック州の旗とのこと。割と平和に見えるカナダではあるが、英語圏とフランス語圏にはっきり別れ、お互いの住民感情には複雑なものがあるらしい。モントリオールがあるケベック州はフランス語圏でヴィルヌーブもここの出身。ケベック州はカナダから独立するという住民投票が最近(去年だったかな?)あって、49対51の瀕差で否決されたとは言え、そんな問題を抱えるお国柄を感じてしまう応援風景であった。
 レースの方は、地元ヴィルヌーブの優勝を私も期待していたが、ヒルが安定した速さをみせて優勝。前回スペインがあまりにも大失態だっただけに、その汚名返上は果せたと思うが、やっぱり先行逃げ切りでないと勝てていない。シューマッハが思わぬトラブルで、最後尾スタートになったことにより、重圧から開放され、ヒル自身のペースを保つことができたと見られても仕方ない。しかし、地元ヴィルヌーブ以上にヒルにはプレッシャーがかかっていたことも事実であり、それを跳ね除けての優勝は立派か?。できればバトルを制して優勝して欲しい。そうでないとたとえチャンピオンを取ったとしても皆納得してくれないのでは。
 ヴィルヌーブは、終盤残り10周位からかなりプッシュしてヒルに追いすがり、ファーステスト・ラップを記録したが、プッシュするのが遅すぎた。ピット1回作戦のヴィルヌーブは2回作戦のヒルと比べて、その分燃料を多く積まなくてはならず、スタート時と途中の給油後のラップが苦しくてヒルに差を広げられた。それよりも今宮さんが言っていた、ヴィルヌーブのラップタイムにバラツキが目立ち、反対にヒルは終始安定したタイムを刻んで、それが差に表れたのだろう。それだけヒルが頑張ったんだろうけど、ヴィルヌーブにもそんな安定さを身につけて欲しいところ。
 右京は今回10位走行中、完全に前のロセットのインを取っていたのだが、バックミラーを見てなかったロセットに閉められ接触してクラッシュとついていなかった。

○ぼろぼろ!フェラーリ。遅い!マクラーレン

 今回は特にこの2チームの低落が目に付いた。
 フェラーリは、前回スペインでシューマッハが初優勝、今回の予選でもシューマッハ3位、アーバイン5位とまずまずだったのに、シューマッハはエンジンがかからなかった為フォーメーションラップにスタートできず最後尾スタートになるは、アーバインは2周目でサスペンショントラブル。挙げ句の果てはシューマッハのマシンのドライブシャフトがポロっと落ちるなんて、あれがピットロードを徐行中だったから良かったものの、全開走行時やすぐ後ろにマシンがいる時なんかだったら惨事になりかねない。せっかくフロントをハイノーズ化してきたのに、まったくそれ以前の問題。前回の優勝がチーム全体の気の緩みになってしまったのなら、せっかく必死になって走って優勝をもたらしたシューマッハがあまりにもかわいそうだ。
 一方のマクラーレンは遅かった。序盤4位を走り期待を持たせてくれたハッキネンではあったが、ブランドル、バリチェロのジョーダン勢に簡単にパスされていた。クルサードもヨーロッパ、サンマリノあたりまでは良いところ見せていたのに、ここ2〜3戦は予選でもパッとしない。チームとしても何が悪いのかはっきり掴めていないようだ。
 それに比較して、ジョーダンはここでも速いところを見せ、結果的にはブランドルが6位にとどまったが、明らかにマクラーレンより速いところを見せていた。

○せっかくの完全生中継だったのに
 レース後の記者会見もキッチリ見せてよフジTV!

 今回は時差の関係で放送時間が遅かったが、CM以外はほとんどカット無しの完全生中継。レース後、完走したマシンが車検場に戻ってきて、ドライバーがお互いをたたえ合い、そして表彰のセレモニー・・・と、レース後の余韻がノーカットで見れて良かったなーと思いきや、どうして記者会見もきちんと放送してくれなかったのフジTV!。せっかく同時通訳してくれてたのに、バックでアナウンサーや解説陣のしゃべりが重なって、記者会見の内容がまったくわからなかった。そして、記者会見も終らぬうちに放送終了。どうせ夜中なんだから、時間延長して最後までキッチリ見せて欲しい。せっかくさわやかな表彰台風景だったのに、最後の最後の中途半端な放送にせっかくの余韻をだいなしにされた!。

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