1996 Formula One World Champion Ship

Round 6. Monaco GP. Results


Last updated, May.20 1996

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第6戦 モナコGP最終結果
◇5月16日〜19日:モンテカルロ市街地コース(モナコ)
 (3.328Km×78周)

○モナコGP予選結果

○モナコGP結果詳細


○O.パニス、無限エンジン初優勝!

 1996年F1第6戦、今年で54回目を向かえた伝統のモナコGPの決勝が19日行れ、O.パニスが初優勝を飾った。これは無限ホンダエンジンにとっても初の優勝となる。

 決勝日午前中に激しい雨。スタートの時点では雨は上がっていたが、路面は乾かずウェットのためほぼ全車(フェルスタッペン以外)レインタイヤでのスタートとなった。ウェットのモナコというのは1984年、デビューしたてのA.セナが、どしゃ降りの中、見る見るトップのプロストに迫るが、レースが強雨により途中打ち切りになり2位に終わったとき以来ではないだろうか(これがセナ伝説の始まり!)。
 スタートはヒルが好スタート。2位にシューマッハ、ところがシューマッハはポルティエコーナでコントロールを失いフェンスにぶつかり1周もせすにリタイアしてしまう。また、バリチェロもフェンスに接触リタイア。5周目での順位は、ヒル、アレジ、ベルガー、アーバイン、フレンツェン、クルサード、ヴィルヌーブと続く。
 11周目3位走行中のベルガーがピットインしそのままリタイア。ギアボックスのトラブルだったらしい。
 ヒルは、見るからに滑りやすい路面の中、ファーステストを出しながら、2位アレジとの差を開いていく。25周目には23秒もの差を築く。
 序盤の見所は、3位アーバイン、4位フレンツェンの争い。フレンツェンはテールTOノーズでアーバインを追い回すが、狭いコースではなかなか抜けない。そのうちしびれを切らしたのか、アーバインに追突?してフロントウィングを壊し、そのためピットインを強いられ最後尾に。
 28周めヒルがピットイン、スリックにタイヤ交換してピットアウト。アレジの後ろにつく。アーバイン、パニスもスリックへ交換。ここで多くのドライバがタイヤをスリックに替える。ところがアレジは既にタイヤが用意されているのにピットインせずヒルに簡単にかわされてしまう。次の周ピットインするが結局30秒もの差をヒルに付けられてしまう。
 中盤はリジェのO.パニスがファーステストを出し、3位アーバインに急接近。テールTOノーズが続くが、ローズヘアピンで強引にインに飛び込み、アーバインが外にはじき出される形でストップ。オフィシャルに押され坂を利用してエンジンを掛けて再スタートしたが、ノーズを傷めたのと、ストップした際シートベルトを外したらしく、ピットでノーズ交換とシートベルト締め直しに時間がかかり大きく順位を落とす(オフィシャルに押された時点で失格なのでは?)。
 40周目トップを快調に走っていたヒルがトンネルを全開走行中、突然後ろから白煙を吹き出し、そのままエスケープゾーンへ。これでアレジがトップに立つ。
 60周目アレジがいきなりのピットイン。タイヤにトラブルがあったのか交換してピットアウト。しかし次の周またピットイン。どうもサスペンション・トラブルなのかそのままリタイアしてしまう。
 ここでパニスがトップに。2位クルサード、3位ハーバート、4位ヴィルヌーブ、5位サロ、6位ハッキネン。
 しかし、ヴィルヌーブは周回遅れのバドエルとミラボーで絡んでしまいリタイア。
 残り10周を切ったところで再び雨がぱらつく。2時間ルールのため残り時間がおよそ5分と言うところで、アーバインがポルティエでスピン。レースに復帰しようとスピンターンをしたところにサロとハッキネンが追突。ハッキネンは怒ったのか、アーバインに駆け寄るシーンが。3台がいっぺんにリタイアしたたね、残りは4台となってしまう。
 結局レースは2時間ルールで73周で打ち切りとなり、最後まで確実な走りでパニスが初優勝。2位クルサード、3位に久々のハーバート。序盤最後尾まで落ちたフレンツェンが4位、ここまでが完走。5位はサロ、6位ハッキネンとなった。


○史上まれに見るサバイバルレースをパニスが制する。

 こんなサバイバルレースって例があるのだろうか。完走したのがたったの4台とは。今年のモナコは舗装を全面改修したためスムーズな路面となり、前日の予選はかなり白熱したようだった。ところが決勝はその舗装の改修が裏目に出た形に。新しいアスファルトが雨に濡れると滑りやすいのは、一般公道でも体験できるところ。スタート直後のペースは見るからにのろのろ。
 いきなりそのつるつる路面の餌食になったのが、バリチェロ、シューマッハ。特にシューマッハがあそこでミスるとは一瞬目を疑ってしまった(自分でもミスを認めている)。フェラーリはウェットでのハンドリングが良くなかったのかもしれない。同僚アーバインも序盤はフレンツェンに、中盤はパニスに軽々追い回されていた。逆にフレンツェン、パニスは滑り易い路面ながらノーズがスパスパ切れているのがはっきり見られた。特にパニスは中盤から終盤にかけてファーステストを連発。あの狭いローズヘアピンでアーバインを上手く(運も良かった)パスできたことが最終的に優勝につながった感じ。まあ、ヒル、アレジの脱落による棚ぼたではあったが、あれだけの走りを見せてくれれば文句は無し。素直に祝福したい。
 反対にヒル、アレジはもったいないレースを落とした。ヒルは、完全に独走で安全圏だったのに、ルノーエンジンがまさかのブロー。序盤の超ローペースが、逆にハイパワーエンジンには負担をかけていたとも考えられる。実際早い時期からワーニングランプが点灯していたらしい。
 アレジはもっともったいない。アレジは決勝前のフリー走行でクラッシュしたためか、いつものアレジらしからぬ、堅実な走りで2位をキープ。途中ピットインのタイミングを間違ったりもあったが、ヒルがリタイアしたためトップに立ち、これはひょっとしてと期待したのもつかの間のリタイア。アレジファンの私はがっかりと言うかやっぱりと言うか・・・。またヴィルヌーブも、このレースではあまり目立たず、堅実な走りを続けていたが、終盤に周回遅れに絡んでのリタイアはもったいない。
 今年のモナコは史上まれに見るレースで、面白いと言えば面白い、つまらないと言えばつまらない、なんとも言い難いレースではあった。が、パニスの走りはほんと切れていたし、久々にハーバートの表彰台も嬉しいところだし、これもレース、良しとしよう!(勝手に納得)。


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