一頻り川沿いの道を上ると、進行方向左手に目的の工場が見えてきました。

こちら白石工業の炭酸カルシウム工場です。ここんちは昭和7年操業開始で、現在も勿論絶賛操業中。名称が白艶華工場つうだけあって炭酸カルシウムマンセーです。

流石に登りは辛かったのか、イトウ君這々の体で上ってきました。 
で、こいつが今回の目的のブツ、炭酸カルシウム乾燥小屋。究極の機能美と絶賛される建築です。 
こいつが立てられた目的はただ一つ、炭カルを乾燥させるという事のみ。潔すぎ。

構造は屋根と梁だけで壁はなく、後は炭カルを乗せるための板がビッシリと渡してあります。谷川沿いで平坦な土地がない中でできる限り多くの炭カルを乾燥させようと思ったら当然こういう構造になるのは当たり前なのですが、その当たり前さが見学者の胸を打ちます。

内部風景。
当然立ち入り禁止のはずですが、見つかったら見つかったで取り敢えず突入。炭カルのお陰ですっかり真っ白になっており、梁と板の単調なビートが逆に興奮を誘います。

なんで、こんなところにこんなもんを建てたかというと、まず「炭カルが採れる」。そして「水が豊富」最後に「適度な風が吹けども殆ど雨が降らない」という条件が挙げられます。これが炭酸カルシウムを乾燥させるに必要充分な条件が整っていることになり、この地にこのような奇蹟の建築物を登場せしめたというわけです。

これで晴れていれば青空との対比で更に画になったことと悔やまれなくもないですが、曇り空もなかなかの雰囲気です。

一頻り近くで見学した一行は、全景を見渡そうと川向こうの山に登ります。

現存する乾燥小屋は僅か三棟のみ。現在では乾燥は機械で行っているためこの小屋は使用していませんが、白石工業は是非ともこの乾燥小屋は残すべき。それができないのであれば腹を切って死ぬべきである。(by唯一ネ申)

てな感じで、今回は小ネタのような旅ですが、対象物件のインパクトは他のどれにも負けてません。非常に満足度の高いまま帰途につくことにしましょう。
で、帰りに乗った上信線の電車、流石下仁田、マンナンライフの広告によるラッピング車両です。地元企業が元気な街はいいですね。(棒読み)
それではまた次回まで。
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