予科練故地  安良里

 

多爾夜神社

静岡県賀茂郡賀茂村

  

岡空六期会 忘れじの塔

碑文

(前略)我等は常に伝統ある予科練魂を堅持し、鉄石の訓練に耐え、敵が本土に迫るや特別攻撃隊

となって決戦に参加した。

顧みれば訓練期間中の五十余日、山みどり濃く海きよく、住む人の心温かきこの地に転進し、美し

き和魂の里をここにみた。

身はたとへ、殉國の炎となるも、心の里は忘れじと、いつの日か回帰せんことを約して幾星霜。

今ありし日の里人と祖国防衛の礎となった友を祀り、この里の永遠に安らかならんことを祈って、忘

れじの塔を建つ。

 

嗚呼 忘れじの塔

思へば過ぎし決戦に  共に苦闘を重ねたる  安良里の里の懐かしく  訪れしこと幾度ぞ

荒らき戦後の波越えて 変る世相に変らざる 誓ひは固き予科練の 盟友茲に幾十人

海山清く住む人の  温かき情は若き日の  心の奥に忘られず  忘れじの塔茲に建つ

 

予科練顕彰歌碑

詠歌

血ざくらの予科練生の雄叫びが 安良里の海に葩(はなびら)をよぶ

由来

予科練生三百人が水上特攻人間魚雷に備えるべく、洞穴を掘り、訓練にいそしんだ安良里港。

道すがら皆で歌った軍歌の歌声が水面を伝い、明日の命も知れない予科練生の雄叫びにも聞こ

えるさまや、それに呼応するように桜の花が海に舞い散る様を、戦後五十七年目にして決死の覚

悟で過ごした第二の故郷に刻んだ。

 

安良里港

 

予科練

更新日:2002/05/26