6/9追記、<ミディアム>の乗ってみた(走行はしていません)印象を追記
■SPACY SPICY カーボンデッキ(ハードタイプ) ¥19500

車やバイク好きな方には魅力の素材、カーボンを使ったデッキです。カーボンの特徴は繊維がクロスかマットかの違いにもよりますが、アルミなどの金属と比較して、適度な内部減衰率をもつという特徴があります。表面には(カーボン)3:(ケブラー)1の割合で織り込まれたカーボンケブラーが使われていますが、含有量的にこれはあくまでスキンと考えた方が良いのではないでしょうか。アラミド繊維系(商品名ケブラー)は制振性で優れ比重が小さいという特徴があり、その減衰率をうまく引き出せれば、カーボン繊維と比較して、3倍程度の生産量があるとされるコストメリットでデッキの素材としては有望な可能性を秘める素材ですが有効に使うには殆どケブラー製と言えるほどの量を必要とし、圧縮強度が低く、加工性も悪いため、この欠点が解決されるまでは厳しいのでしょう。しかし、このデッキの場合、ハニカムフォームコアやウレタンフォームがサンドイッチされた構造(デッキの硬さによって異なる)になっており、それらの内部減衰率の高さからくるショック吸収性などデッキとしての性能については非常に期待がもてます。

1・製品について

長さは54cm。硬さが、ソフト、ミディアム、ハード、の3つから選択可能です。体重と乗り方や環境によって硬さを選択する事になりますが、私の場合、体重が51kgでソフトでも良いかな?と思いましたが、車やバイクのサスセッティングは硬めが好きな事と、ジャンプなどアクションも楽しみたいと言う事でハードを選択しました。ソフト、ミディアム、ではジャンプ時には底付きしてしまうということなので、女性や子供以外でアクティブに乗り回したい方はハードを選択した方が無難だと思います。フワフワした乗り心地を楽しみたいのならミディアムかな?とは思いますが、はたして、、、?画像が多いため重いですが、参考にしてください。

装着しない状態で手にして見た感想は厚みがあり、10cm長くなった分カーボンとはいえノーマルデッキと比べれば重いです。装着しない段階では非常に硬く、乗っても殆どピクリともしません。これでほんとにしなるの?!と不安になるくらいです。装着してみると、あら不思議!良くしなります。装着する前の硬さが嘘のようにしなります。が、私の体重では完全にフラットにはなりません。その為か、ノーマルと比較して最大10mmほど高くなっただけなのに地上からの高さが非常に高くなった印象を受けますが、キックする事に関しては違和感や問題はありません。

デッキの厚みは意外とあるが長い為か、装着してみると違和感は無い。

↑0荷重では大きく反っているのが特徴。これが独特の効果を生み出すのだろうか?上に乗っているのがノーマルデッキ

上がノーマルのデッキ。

長さはこれだけ違う。10cmの違いでも大きいですね。

裏面はこんな感じです。「SPACY SPICY」とプリントされた保護用?とおぼしきシートが貼られています。でも、エッジの部分からパラパラと剥がれてくる〜・・・

スティックを伸ばしたままでも折畳める様になった。

K2 KICKBORD Bag-In-Bagにもピッタリ収まりました。狙ったかのようにピッタリとフィット!でも、これでピッタリと言う事は、K2純正のロングデッキを装着したときは入りきらないと言う事になります。 

参考までにハードデッキによるカーボンデッキの反り具合を用意しました。検体は女性がメインとなっています。

体重ごとの反り具合比較

乗り方の注意点
このカーボンデッキは乗らない状態での反りが大きい為、乗り慣れていない場合写真のように後ろから乗ろうとすると反動でキックボードが移動してしまいますので脇から乗るようにしたほうが良いです。


0G状態

荷重が0の状態(0G)かなり反っているのが判りますね。

ここから体重によってどの様に変わるか、購入を検討される方は参考にしてくださいね。

40kg後半 small Girl

150cm台の小柄な女の子。日頃スポーツは殆どやらない。

K2に乗るのは今回が初めてですが、すぐに乗ること自体は慣れてしまった。

今回の検体の中では最も軽いモデルですが、デッキはフラットにはならないものの、意外と沈むので想像以上にしなやかなようです。
両端に足を置いても反り方には大きく差は現れません。この事から体重が軽いからと言ってソフト、ミディアムを選択する必然性は無いと言えます。反っている為キック時の地面との高低差が気になりますが、慣れてしまえばノーマルと変わりませんし、デッキの先端か後端に脚を置くようにしてキックすれば問題無いでしょう(慣れは必要)

51kg Girl

ついこの前まで高校生で新体操などもやっていたと言う今現在の女の子の平均的体形の代表となるモデル。

51kgでは中心に乗ってみてもやはりフラットにはならない。

両端に立った場合、立ち位置の誤差もあり微妙ですが、反りの変動は40kg台よりは大きいようです。実際の乗り方ではもっと中心寄りのなるので、変動は中心に乗ったときと殆ど違いはありません。

50kg後半 Girl

バイクに乗ったりと、ボーイッシュでアウトドアスポーツをこなすアクティブな女の子。

デッキはかなりフラットに近くなる。

やはり、反りの変動は40kg台よりは大きいようです。実際の立ち位置にかなり近くてもよく反ります。アクション主体の場合サスストロークが大きいのと同じ効果でショック吸収性に期待がもてる。オフロードの場合、この方が良いでしょう。

60kg近辺 Women

20代後半、キャリアウーマン的代表。

やはり反ってます。中心位置に立つのは拒否されました。(苦笑)

女性の場合、よくしなる板物の選択肢は、ハードタイプなら体重は隠せて良いかも・・・。

83kg Men

体重を一気に飛ばして、男性83kgです。

驚いた事にこの体重で中心に立っても完全にフラットにはなりません。

83kgでもこのとうり。試しに51kgの男性を一緒に乗せてみたところやっとフラットになりました。計124kg!この重さだとステアリングダンピングユニットのスプリングが有って無いような状態になりました。
ハードタイプとは言え、乗ってみると意外とフワフワして、好評でした。ソフト・ミディアムと比較すれば違った評価にはなるはずですが、ハードだから?と言った問題はまったく有りませんでした。底付きの心配がない分、安心感のほうが高いです。

2・走行に関して

走行に関しては長くなった分、ノ-マルより小回りが効かないと言う固定概念があるためか、乗り始めこそ曲がらない印象がありましたが、慣れてしまえば全然問題ありません。それどころか、曲げやすくなった?!ようです。スプリングを柔らかくしたような感じと言った方が伝わりやすいでしょうか。数名で確認したところ一様に同じ感触だったのでこれは間違い無いでしょう。
しなり具合に関しても、異議を唱える者もなく面白いと答えますが、他の硬さを比較していないのでなんとも言えないところです。でも、私としてはこれで満足ですね。

実際にフィールド(駐車場)で走るとノーマルのデッキでは私の場合、スラロームなどで足の位置を意識してないとつま先が路面に接地し、つまずきそうになっていましたがカーボンデッキでは地上高が上がった為か、その心配は無くなって安心できます。コナーリングもノーマル時と比べ曲げやすくなった為か、クイックな印象。もっと硬いスプリングが欲しくなります。フラットな路面では当然無駄なしなリもなく非常に安定しており、よくしなるおかげでジャンプもしやすくなります。

コブやうねり、ギャップなどの乗り心地では、非常に良い感触で、1ストロークで収束とはいかないまでも必要以上にしなりが続くことはなく激しい突き上げも感じません。スティックを支える腕をダンパー代わりに利用すれば不要なしなりはすぐに収束出来、サスペンション効果をよく発揮してるようです。※(スティックから伝わる振動はノーマルと変わらない。)元々のデッキの反り自体が大きいので上下のしなりのストロークが大きいのですが、これはスティックの前後移動が大きくなる事を意味し、これを利用して容易にスティックを使った加減速が楽しめる事も魅力です。また、ノーマルより10cm長くなった分、足のポジションに融通が利くため、足を置く位置を変える事によって、ある程度しなり具合のコントロールが可能で街乗りでは中央に足を乗せればフワフワと快適で楽しい乗り心地となることも見逃せません。

3・問題点

走行に関してはまったく問題がありませんが、取り扱いには問題が散見されます。当然メーカー性のオプションパーツとは違いますので製品の仕上げは荒いところがあります。このこと自体はカスタムパーツとしては当たり前ですが、問題としてはデッキのエッジ部分の切断面が何の処理もされていない為、しばらく使っているとカーボンケブラーのスキンのエッジ部分の樹脂が剥離し、ケブラーの繊維のほつれ等が現れてきます。特に接触による衝撃には弱い様で、簡単に剥離していきます。通常の使用ではそう簡単には大きな剥離は起こり難いとは思いますが、心配な方はバイク用の透明保護シート等で保護しておくと良いと思います。

写真はピンボケになってしまいましたがエッジが欠けているのが何となく判るでしょうか?

スキンの表面自体も傷が付きやすいので、靴底などに小石等が付着したまま乗ってしまうと、深い傷を付ける場合があります。傷をつけたくない場合は、シートを貼るなど対策が必要でしょう。試しに剥離したエッジ部分等(※接触で一部剥がれ出した事から、残ったエッジ部分はハンマーで叩き、わざと全て剥離させています)にエポキシ樹脂を盛って見ましたが、レンチなどで盛った部分を軽く叩くと割れて剥離しますのでエポキシではあまり保護になりません。ポリエステル樹脂で固めて見るとどうなるかは、塗ってみたエポキシがある程度剥離してから試してみます。これらが気になる方や、この辺の手間が嫌な方にはお勧めしません。グラインドなどを試さなければエッジの弱さは問題にならないでしょう。

他は問題と言うより覚悟的な事ですが、板の厚みがある事と10cm長くなった分、ノーマルと比べて重く長くなり、買物などで持ち歩く場合店内での取り回しは注意が必要です。商品や人に後輪部分を当てたりするので特にコンビニなど狭いところでは注意してください。

4・まとめ

個人的にはかなり気に入っています。ただ高価な為とお店をご存知の方なら店頭で入手も可能とは言え、購入には通販がメインになりそうな事から悩む方も多いと思います。お悩みの方は、K2純正のロングデッキが発売されてから考えるのが良いと思います。本当ならロングデッキと比較した紹介をしたいところですが、いまだ発売されていないので困ったちゃんですね。K2のロングデッキはカタログどうりなら長さが59cm、カーボンデッキは54cmでカーボンデッキはセミロングと言う事になります。カーボンデッキのこの54cmと言う長さはひじょうに魅力的な気がします、ロングデッキの59cmは実際使うとなると街中での利用はとても使いにくいと思うからです。後はこのカーボンデッキの乗り味がロングデッキと比べてどうなのかということですね。私としては、カーボンと言う素材に魅力と価値を見出せる方、乗り味に関しては比較できないので乗り味で薦められませんが、現状、オフロード車のサスペンションのような楽しい効果を味わえるのはこれしかありませんので、お金に余裕があるならお勧めです。待てる方はネットなどでロングデッキと比較情報が出るまで待ってみましょう。

6/9追記

カーボンデッキ・<ミディアム>

SPACY SPICY さんの御好意で走行はしておりませんがカーボンデッキ・<ミディアム>乗せていただきましたので、印象だけ掲載させていただきます。

結論から言いますと、そのしなやかさは非常に良い感じでした。<ハード>に慣れた私には柔らかいかな?と言う印象は当然あるわけですが、なんか別物的印象で<ミディアム>街を流したりすると思わず笑みがこぼれるような楽しい乗り味を堪能できそうです。<ハード>では沈み込んだ後に来る反発は、弾き飛ばされそうな感じはまったく無いもののそれなりに「ボヨヨ〜ン!」感?!(良い表現が思い浮かばない・・・)が有るのですが、<ミディアム>では、シコシコと「柔らかいのにコシがある!」と言う感じで、反発を感じることなくフワフワとした感じは、楽しくてそそられる物があります。どちらが良いかと聞かれれば普通に乗るなら<ミディアム>をお勧めでしょう。好みの問題もあるのでこの辺はひじょうに悩ましいところですね。でも<ミディアム>のこの感触はK2のロングデッキでも味わえないような気がします。(発売されてないので何とも言えませんが)でも体重が75kgを超えるような方には、<ハード>のほうが無難だと思いますが・・・。購入される方には「ボヨヨ〜ン!」か「フワフワ、シコシコ」かどのタイプを選ぶか、悩ましい問題が控えてますね!ただ、ジャンプ等激しいアクションをこなされる方は<ミディアム>では体重にもよりますが底付きを起こす可能性がある事をお忘れなく。

ショップHP
SPACY SPICY (株式会社 善)

http://www.active-s.com/

※カーボンデッキの価格はSPACY SPICY さんのHPの初期の物の表示価格とは違っていますのでご注意下さい。(正式な価格はハードタイプで19500円となっています。)


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