それは深夜の電話で始まった


9月最後の日曜日。深夜の12時。いきなり電話が鳴りじめたのです。出てみると私の高校時代からの友人、Hさん。
開口一番、「大変なことになっちゃったの」。彼女はこのとき8ヶ月の身重。「えっ、もしかして早産とかなわけ?」とドキドキしている私の耳に入ってきた言葉は「子猫ひろっちゃったの。」
彼女によると、彼女たち夫婦が車に乗って出かけようとしたときに、駐車場のところに落ちていたらしいのです。でも、近くに母猫らしき猫がいたので、「きっと拾っていくよね」といって、そのままにして出かけて数時間後。帰宅してみるとなんとその子猫は出かけたときの場所にいたというのです。にわか雨が降った後だし、死んじゃってるじゃないかと、おそるおそる覗いてみるとニャーと鳴くので、そのままほっておくわけにもいかずひろってきたという彼女。でも、どうしていいかわからず家に電話してきたのでした。聞くと「まだ、目も開いてないし、どう見ても生後1、2日くらいだよ」という彼女にとりあえず我が家にある猫の飼育本の中から生まれたばかりの子猫の世話の仕方が書かれたページをコピーして FAX。そして、ホームページに子猫の里親募集の掲示をしました。でも、私達夫婦の頭の中は「その子猫を見てみたい。」
そして、それがこれから始まる私達夫婦とはなこの受難のはじまりなのでした。


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