日常茶飯

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軽鴨

 いまの桜は葉桜で、枝一杯に青葉を茂らせていて、花が満開のころとはひと味違った存在感がある。 桜の並木道を歩いていると、案外と愉しめる。 梅雨に入るまえは、天気の良い週末はつとめて散歩(ウォーキング)に出掛けるようにしているのだけど、 最近では河川敷を歩くようになった。

 うちから歩いて一時間とはかからないところに川がある。 川の両岸には河川敷がつくられていて、そこへは土手を下りていくことになる。 尤も、川は蛇行しているから、場所によっては30分程度で辿り着くことが出来るが、 目当てがあって土手を下りる場所にも勘がいる。

 カルガモの親子を見つけたのは五月の上旬で、 浅瀬の草が生い茂ったところにいた。 そのときは雛(ひな)のカルガモが何羽いるか判らないが、 母親に促されて浅瀬を歩いて目的地があるのかどうか知らないが移動していた。 父親のカルガモ(たぶん父親だろう)は、岩の上で昼寝をしていた。 カメラをもっていたので撮影できた。

 それからは週末の散歩道は河川敷。 人気(ひとけ)のある河川敷である。 ウォーキングする人がいて、 橋の下でペットボトルのお茶を地べたに置いてトランペットの練習をする人(下手くそだが)。 たまに、野球小僧の一段が監督のおやぢの号令で、走っている。 サッカーボールを土手に蹴ってあそぶ親子や、ラジコンカーで興じる親子がいたりして。 訳の分からない怪しい人もいて、けっこう賑わっている。

 カメラを携帯して、カルガモの親子を探していると、いまでは雛は大きくなっていて少し深いところでも泳げるようになっていた。 それを教えているのは母鴨で、父鴨は少し離れたところで寛(くつろ)いでいるようにもみえるが、 親子の見張りをしていたのかも知れない。 カルガモの生態は知らないが、母親の後を子どもたちが追っかけている印象があるのだが。 父親もそばにいて子育てをしてるんですね。
'09年05月31日

空気清浄機

 冬の間は部屋が乾燥するから、加湿器を使っている。 加湿器と云っても、実は加湿空気清浄機で、 スチーム式の加湿器は以前事故があったから、加熱しないタイプを選んだら、 空気清浄機に加湿機能がついたものを選んだのだ。 <気化加湿>と云う方式で、タンクに水を入れるとフィルターが水を吸い、そのフィルターに風を当てて加湿する仕組みである。

 こちらは加湿器に空気清浄機能がついたものと思っていたが、機械の方では空気清浄機に加湿機能を加えることで、 アレル物質(ダニの粉じん・花粉)、カビ菌、ウイルスを<とことん除去>すると効能書きにある。 だから、加湿運転を止めることは出来るが、空気清浄運転を止めて加湿することは出来ないのであるから困る。

 空気がキレイなときは緑のランプがついて、おとなしい。 汚れていると感知すると、ランプはオレンジ色と赤と二段階に変化する。 赤のランプのときは、凄まじい勢いで風を繰り出すからたまったものではない。 それは決まって食事のときで、食べ物の匂いに敏感なのは違うだろう。 お前(まい)の役目は、花粉やカビ菌やウイルスを除去することだろうと云っても、 詮ないことだから乾燥する冬の間しか使わなくなった。

 ところが新型インフルエンザが現れて、役に立つかなぁと思い使い始めた。 湿度を50%から60%に保っていれば、ウイルスには効くだろうし。 怪しいとは思っているが<除菌イオン>を放出して<とことん除菌>するらしい。 気休めでいいのである。
'09年05月25日

デジタルとは嫌なものである

 パソコンの日本語入力はジャストシステム社のエイトック(ATOK 2009)を使っている。 ウインドウズのおまけの日本語入力ソフトじゃ使い物にならない。 で、普通に使うとエイトックは画面の右下にパレットを表示する。 ウインドウズ・ビスタを使うようになって、これがフワフワと移動するようになった。 これまでそんなことはなかったから、マイクロソフトの陰謀だろうと邪推してた。 それで、<トレイ>に入れることにした(時刻が表示されている、その左横に並んでいるアイコンです)。

 ところがビスタって奴(やつ)は、ときどき気づかないうちにそのアイコンを消すのである。 エイトックのアイコンは、日本語入力に切り替えたときに<あ>と変わるから判るのであって、この目印がないと困る。 それをビスタは嫌がらせをして消すのである。 この卑怯者。 さて、困ったなぁ。 メニューから<すべてのプログラム>をひらくと、ジャストシステム社は<パレット表示ツール>と云うのを用意している。 それを使うと元に戻るのであるから、このはなしは本当のことである。 正確にはパレットが現れて、それをトレイに入れると云う手続きを踏む。 思わぬときにこう云う現象が起きるのだから、デジタルとは嫌なものである。

最近、徳田雄洋著、『デジタル社会はなぜ生きぬくいか』(岩波新書)を読んだ。 意図ははタイトルに尽きる。只この著者は多くのデジタル商品を語るのに、頑なに商品名や商標名を語らない。 これはおかしい。 <デジタル社会>とは商品や社名は付きものである。 アナログ時代は、光学顕微鏡は最大倍率だけが関心事になることはあっても、まぁマニアでもない限り、メーカー名は必要なかったのである。
'09年05月24日

マスクする人

 新型インフルエンザが流行している。 それでマスクをする人を見かけるようになったが、これがよくわからない。 往来を歩いていると、どこもかしこもマスクをする人で溢れている。 全国で見られる光景らしいが。 果たしてマスクで予防できるのか知らん。 そのマスクも様々で、ぺらぺらで隙間だらけのものから、ぴったりと張り付いたものもある。 立体型もあって色々である。 NHKのニュースはマスクをする人を撮しているが、 マスクをしましょうとは云ってない。 必要ならどんなマスでなければいけないと云うだろうが、云わないのは気休めなんだろう。 勝手に安心しているのだろう。

 その結果、いまごろ慌ててマスクを買いに行っても品切れしているのである。 でも心理的効果は絶大で、マスクをしないでクシャミや咳をする人がいると、思わずマスクをしろよと云いたくなるよネ。 むしろ咳をする人はマスクをしろと、メッセージを出せばよかったろうに。 お陰で、健康な人が暑い日中にマスクをしてご苦労さん。

 効果のあるマスクはある。 N95と云うマスクで、新型肺炎サーズが話題になったときに、親戚のお医者に送って貰ってはじめてお目にかかった。 いまでも手許にあるが、使ったことはないけれど、すぐに息苦しくなるそうだ。 サーズは金田一春彦の『学研現代新国語辞典』第三版にも載っている。 何年前だったろう。 で、完璧だけど息苦しいマスク、N95。 Nはナノで、ナノ・テクノロジーと云う。 これも金田一春彦の辞書に載っていて、ナノは<1メートルの10億分の一>。 分子レベルである。 その大きさのものを95%侵入を防ぐマスクと云うことだったと記憶する。 潔癖症で完璧を追求するマスク愛好者は、ご参考されたし。 只し、こんなマスクが必要になるのはもっと先の事で、豚インフルエンザが強毒化したときのことだろうし、 そもそも、強毒した鳥インフルエンザが去年の暮れに問題になっていたのに。

 ですから、健康な人にはN95マスクはお薦めしません。 でも、咳やクシャミをする人は是非マスクをしましょう。 その方が、傍目(はため)では安心出来ますから。
'09年05月20日

紳士と淑女

 何十年と続いていた雑誌が、この何年に休刊すると云うことが続いている。 ちかごろでは雑誌は殆どみない。 字がいっぱいで、ぜんぶを読んでる暇はない。 ときどき本屋で立ち読みするのは「諸君!」で、目当ては巻頭のコラム「紳士と淑女」である。 これが頗る面白い。 雑誌「諸君!」では、これだけが目玉だから滅多に買わないのは仕方がない。 滅多と云うからには買うこともある。 「文藝春秋写真館」に内田百閒が載ったときには買ったし、正月が退屈したときには買っている。

 「紳士と淑女」の著者は匿名子となっているが、それが徳岡孝夫さんであることは多くの<読者>の知るところであった。 故人の山本夏彦は懇意の間のくせに知らない振りして評した。 <いつもニュースをとりあげるふりをして永遠なるものに触れているのが大新聞のコラムと選を異にする特色で、 さながら一大クロニクルである>

 ここまで書けばお察しの通り、雑誌「諸君!」も休刊することになったのである。 雑誌が休刊するとは廃刊することで、要するに売れなかったのである。 買わない<読者>が残念がるのも図々しことであるが。 その最終号はいま書店に出ている。 普段の巻頭コラムは多くて7ページ。 それが、「ベリー・ベスト・オブ紳士と淑女」と銘打って約50ページの傑作選である。 これはうちでゆっくり読みたい。

 その最後に、「読者へ」と徳岡さんが書いてる一文は病の床についていると云うもので驚いた。 大新聞やテレビを信用しなくなって久しい。 ラジオはリスナーが少ないから<本当のこと>を伝えていると云うが、どうだか分からない。 でも、<情報>が大事なのではない、<永遠なるもの>に触れるのがニュースとして重要なのだ。

 新聞を信用してないと書いたけれど、産経新聞のコラム「産経抄」はよかった。ネットで読んでいた。 只し、石井英夫さんが書いていたときは、読むに耐えていた。 石井さんは奥さんの介護で隠居したそうである。 以上ジャーナリストとして惜しんだ3名は故人であり老人である。その衣鉢を継ぐものはいない。 悔しければ出でよ。
'09年05月18日

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