日常茶飯

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漢字とパソコン

 日経の朝刊に、日立製作所はパソコン生産から全面撤退する、と云う記事が載っている。 <過当競争が続く国内勢は競争力が低下、採算確保が難しくなっている>、からだと云う。
 さて、はなし変わって、長年パソコンを使っていると、むかしと比べて手書きで文章を書く機会が格段に減った。 毎日、手書で何らかの文字は書いているのだが、長い文章はパソコンでキーを叩くことが多い。 困るのは、漢字をよく忘れる。 ペンで書いていて、すぐに思い出せない。 この漢字どうだったけ。 横棒がもう一本いるンだっけ。 と、何とも心許ない。 その上、自分で書いた字が下手に見える。 以前は、もう少し綺麗な字を書いていたのになぁ。 何だか情けない。

 それでこの夏、萩野貞樹『舊漢字──書いて、覺えて、樂しめて』(文春新書)にならって、 舊(旧)漢字の書き取りの練習でもと思ったが、三日坊主で終わった。

 小学校では、漢字の書き取りの練習時間が少なくて、教えるのに書き順まで手が回らない、 と小学校の先生は云うらしい。 そのうち先生たちは、パソコンで書く漢字は書き順は関係ないからいらない、 とか何とか言いだしやしないかと思っている。 けれども、矢張り書き順は大切であると思う。 字面を構成するのは書き順である。

 ドイツ文学者の高橋義孝は、こんなことを書いている。 <近ごろおもしろいことを発見しました。 手扁なら手扁を書く時、 最初の短い横の画をその前に書かれた文字から見て少し左へ寄りすぎたところに書いてしまったとする。 日本の書字では、このミスはあとから直すことができるのです。 すなわちその手扁の文字の次にくる文字を少し右寄りに書けば、字の縦に並んだ一行の釣り合いがとれるというわけです>
 日本の文字は記号ではなくて、まさに文字であり、視覚に訴える要素を含んでいるからである。
'07年10月23日

じゃらじゃら

 お札は札入れに入れているが小銭入れは持たないので、いつもポケットに小銭をじゃらじゃらさせている。 邪魔じゃないけれど、いつもこの小銭を処分したいと云う気分が私にはある。 決して、買い物でもして小銭を無くして仕舞いたいと云うような無謀を企てようとするものではない。 只、無駄なく整理したいと云う気分がある。

 つまり、一円玉と五円玉を合わせて九円まではいいが。 これが十円だと無駄である。 十円玉が十枚あるなら、むしろ百円玉一枚でいい。 そんな気分である。 買い物をすれば消費税が加算されるから、値段は半端(はんぱ)になる。 持ち合わせの一円、五円玉が値段の端数(はすう)が同じなら、何となく気分がいい。 けれども一円足りないと、おつりのなかに九円がある。 このときは少ししくじったと云う気分がある。 まあ、どうでもいいことだが。

 消費税は平成元年四月一日に施行された。 当時は3%。 これは物品税を廃止する代わりの税金である。 物品税とは家具から自動車など、謂(い)わば贅沢税で貧乏人に無縁の税金だったそうだが、 払った覚えがないからよくは知らない。 消費税3%のときにあんなに反対したのに、5%になったら抵抗しないのは儲かると分かったからで、 それは個人商店や中小企業であると聞いたが本当はどうだか知らない。 ただし、消費税を猛烈に反対して躍進した社会党は消えて、 民主党の半分(これは正しい数なのか知らないが、まあ我慢してよ)と弱小の社民党になったのは事実。 只、この流れで消費税が上がると何でも一様に課税されることになる。 国によっては米麦など生活に必要なものには課税しないと聞いたが、まずそうなることはない。

 今後、消費税を上げる話が出るだろう。 いまにもと云う感じはある。 参議院選で勝った議員さんにも、物品税が消費税に化けたことから議論して欲しい。 でも、親分の小沢サン、あんたさん、ちっとも表に出ないのはよくないね。 と、云いたいが実はそんなことを云うつもりではなかった。小銭のはなしはまたにする。 また脱線した。
'07年10月22日

瑕疵・瑕疵

 秋も深まって来た。 どおりで腹は減るし、夕方になれば眠くなる。 餓鬼じゃないし、寝不足なのでもない。 健康な秋はいつもこうなのである。 で、近所でウォーキング(散歩)していると、ついこないだまであった大きな屋敷が消えて無くなっている。 マンションが建つらしい。 こう云うのは珍しくはないけれど、いつの間にか古い建物が取り壊されて更地に出くわすと、ちょっと驚いて仕舞う。 それにしても次から次へとマンションが建つ。 マンション建設のピークは2005年で、これには不動産投資ブームが関係している。 ところが、さいきん事情が変わった、と云う新聞記事をよく目にする。

 建築基準法が改正されたからである。 この6月に施行された<改正建築基準法>のことで、耐震偽装の不正を防ぐことを目的に、 建築確認・検査が厳格になった。 建築確認申請の書類が増えて、途中で間違えると、再度申請をやり直すことになる。 準備不足で設計業者が申請を手控えたり、確認検査機関の審査が遅れたり、と天手古舞い。 審査の期間はマンションで、これまで3か月だったのが半年かかるようになった。 その結果、新設住宅の着工が落ち込んだり、着工が遅れるようになった。 遅れれば、建材や住設機器も需要は減る。 影響は、家具などの耐久消費財などの売れ行きにもひびくと云う。 関係者は悲鳴をあげている、そうだが果たしてそうだろうか。

 厳格になったと云うけれど普通になっただけである。 いままでが甘かったのだ。 笊(ざる)のように抜ける審査なら遣らない方がましである。 だから言わないこっちゃない、また横浜のマンションで偽装が発覚したじゃない。
'07年10月21日

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