日常茶飯

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台風四号

 梅雨の連休に季節外れの大型台風が、勝手にやってきて勝手に去っていった。 きのうの午後に南九州に上陸して、東へ進み、きょう通り過ぎた。 あんまりちんたら進むので、もっと時間が掛かるのかと思っていたが、案外早く通り抜けていった。

 台風が上陸する前、いつも決まって台風のニュースは、「上陸のおそれがある」とおかしな云い方をする。 <おそれがある>とは可能性を意味するのじゃないだろう。 進路予想図を示していて、ずれても上陸するに決まっているのである。 引き返したり、消えたりする訳ではないもの。 <おそれ>とは、<よくないことが起こるのではないかという心配。気づかい。不安>と云う意味なのだろう。 つまり<怖い>のである。 その気持ちが昔からあって、常套句のように使うようになったんじゃないか知ら。

 ところがテレビのニュースをみていると、報道する側に<怖い>と云う意識がないと思う。 台風の進路図にある暴風圏を示す赤い丸がある。 あれは、危険な範囲を示しているのだろうが、実際はもっと歪(いびつ)な形になる筈。 赤い丸の範囲内が一様に暴風にさらされているのではないのは当然で、なかには無風で晴れている部分だってあるだろう。 気象庁がそんな発表をするのか知らないが、 せめて災害時に熱心な<皆様のためのNHK>ぐらい、もっと情報を収集してもいいンじゃないか。

 簡単である。 災害の場所だけを中継するものではない。 暴風圏の円内をくまなく中継するがいい。 そうすれば雨風の激しいところと、どうしたのと云うところの違いが分かる。 いつもそうだが、死傷したした人は外に出ていたのであって、どんな事情でも家にいるものだ。 土石流が起きた、崖が崩れたと云っても映像で見ても分からない。 防災林を伐採したからなのか、石垣を積み上げていないせいか。 そこまで調べるのが報道である。 ネット情報はそこまでは進んでいない。 今なら間に合うと云爾。
'07年07月15日

月例パッチは迷惑する

 アドビ社のフラッシュ・プレイヤーに危険な脆弱性が見つかったと云うから最新版に更新した。 ついでに、アップル社のクイック・タイムもバージョンアップしたと云うので、 更新しようとしたら、何だウィンドウズXPとビスタにしか対応していないじゃないか。
 おいおい、ウィンドウズ2000は仲間はずれかよ。

 きのうは第2水曜日で、夜にマイクロソフトの月例パッチ(セキュリティ修正プログラム)をあてた。 毎月きちんとパッチを当てるようにしているが、 ソフトウエアの欠陥の修復を下請けするようなものだから、何ンにもうれしくないのである。 パッチをあてるたびにシステムは改変されるのは困ったもので、いずれ動作がおかしくなるんじゃないかと思っている。 むかしウィンドウズNTの時代、アメリカ海軍はこのOSを採用した。 巡洋艦か駆逐艦か忘れたが、OSにバグがあって航行不能となり曳航された。 いまではOSの技術は成熟している。 毎月欠陥を修正しているのはすべて、ネット上の危険な脆弱性に限られている。 秘密主義のマイクロソフトのOSはブラックボックスだから、 行き当たりばったりのパッチをあてても、使う方の動作に響かないとは限らない。

 何カ月もやっていないディスク クリーンアップを実行した。 けっこう待たされて、ディスク領域が何百メガバイト空くと云うので次を実行した。 なかなか先へ進まない。 そのうち突然パソコンの電源が落ちて仕舞った。 以前にもあったから、驚くことではない。

 こう云う場合、セーフティ・モードで起動する。 電源を入れて<F8>キーを押すと変な音がしてセーフティ・モードの画面が現れる。 解像度の低い不細工な画面で、ディスク クリーンアップを実行すると問題なく処理される。 でも、以前はこんなトラブルはなかった。 おかしくなっているのは確かで、次はパソコンからマックに替えようか。
'07年07月12日

読みたくない手紙

 用務のために三日程うちを留守にして、きのうは飛行機の最終便で帰ってきた。

 普段、座席は窓側でも通路側でも構わない。 只、出来るだけ前方の座席を選ぶようにしている。 その方が降りるのがはやいからで、待たずに済むから楽でいい。 生憎今回は、予約が直前だったせいか後方で、しかも翼の横の窓側。 離陸した直後は、車輪を収納する振動が伝わるのが分かる。 着陸のときも、車輪が地面にドンとぶつかる感触があるから、矢っ張り翼の横は避けた方がいいと云うのが分かった。

 機内で読んでいたのは、日本ペンクラブ編『手紙読本』(ランダムハウス講談社文庫)。 これは、実用書なんかじゃない。 夏目漱石の礼状、内田百閒の無心状、谷崎潤一郎の恋文、太宰治の懇願状、森鴎外の遺書…。 を集めたものだから、何にも役に立つものではない。 選者は江國滋で、<書くべき手紙>、<書かねばならない手紙>、 <書いた方がいい手紙>、<書きたくない手紙>、<読みたくない手紙>と分類して続くのだけど、 読みたくない手紙とはいいね。 恋文である。

 江國滋は跋文に、こう書いている。 <あの大文豪のあの谷崎が、やれ、「御主人様」だの「侍女」だの、児戯にひとしい恋文を書いていたのかと思うと、 がっかりする。 私が文章の師として敬慕追愛してやまないあの内田百閒大明神にして、 「愛する愛する清さまへ」とくる。 それもいいけど、それなら、「愛する愛する清さま」と生涯をともにすればよさそうなものだが、 たちまち地獄の日々がはじまって、家庭生活は崩壊するのだから、 「愛する愛する清さまへ」だなんて、よくいうよ、である>

 飛行機が着陸して、降りるまで随分とまたされた。 それから乗り物を乗り継いで、うちに辿り着いたのは真夜中で、疲労困憊。 一夜明けると、よく眠ったせいかまた元に戻った。 本稿、何日か休んだせいもあるけれど、百閒物件が続いたよなぁ。
'07年07月09日

藁喰い

 牛肉は食欲の源だから喰(く)えば美味いに決まっている。 近所の駅を南に出ると幹線道路が東西に向かって通っていて、 道路を挟んでビルが建ち並ぶ。 その南側のビルの一階には料理屋がある。 夜は宴会の客で賑わうそうだ。 その店のメニューに<牛肉と野菜の鉄板焼き>がある。 何の変哲もない料理に過ぎないのだが。

 註文して暫く待つと、じゅんじゅんと音を立てながら運ばれてきた。 鉄板の上で野菜と肉が激しく煮立つように焼けている。 それでも、暫くすると何事もなかったかのように、静まりかえった。 野菜を山のように盛ったその上に、牛肉が乗っている。 野菜はモヤシが殆どで、それにキャベツ、ピーマンやタマネギである。 牛肉は透けるほど薄切りにしたのを鉄板で焼いた肉で、 タレも効いてこれが実に美味いのだ。

 野菜の山に薄切りの焼き肉を並べた鉄板だから、肉ばかり喰っていると野菜が残る。 それで、野菜を食べる。 食べても食べても、まだ野菜。 モヤシが多いからシャキシャキするが、何度も噛むから疲れるし飽きる。 で、美味しい牛肉をまた食べる。

 内田百閒が法政大学騒動で教授職を辞めたころ、百閒は持病の動悸(どうき)のほかに腎臓を患う。 そのため主治医の小林博士は牛肉を禁じたところ、 百閒先生こんな屁理屈を考えた(「養生訓」より)。 <牛肉がいけないと云はれたが、考へて見ると、牛は冬の間は藁(わら)しか食つてゐない。 牛の本質は藁である。 藁を牛の体内に入れて蒸すと牛肉になる。 藁が腎臓に悪いと云ふのは可笑しい。 医師の命令に背いて牛肉を食ふと云ふ事は、気がさすから、牛肉のすき焼きの事を、うちでは藁鍋と云ふ事にきめると云ふ 事を家人に申し渡して、私はこの頃頻(しき)りに藁を食つてゐる>

 さて、野菜と牛肉の炒め物である。 モヤシがこう多くては牛肉を喰った気にならない。 腹は膨らむが、藁を喰った訳ではないから、これで由(よし)としようか。 ふん。
'07年07月04日

半夏生

 きょうは夏至から数えて11日目に当たる半夏生(はんげしょう)。 そろそろ梅雨が明け田植えの終期とされる。 梅雨はまだ明けそうにないし雨も余り降ってはいない。

 この一週間ほど肩こりである。 なぜそうなったのかは、丸で覚えがない。 薬屋の肩こり薬を塗ったところで効かないに決まっているし。 無駄な抵抗はやめて我慢する。

 そんな日に、テレビの情報番組と云うのだろうか、時事についてペラペラ喋っている。 夜のニュースショウ番組は、何年も前からみないから、そのぶん健康になった。

 で、その情報番組である。 自称評論家の舌先三寸の芸人がペラペラ喋っている。 半畳を入れようかと思ったが、ようやく肩こりが治まったので止めることにした。
'07年07月02日

チンする

 電子レンジはなかなか便利なものである。 只、時間の加減がよく分からない。 たいがい加熱しすぎるし、足りないと何度も加熱を繰り返す羽目になる。 これは難しい家電だと思う。 以前は、<レンジでチンする>とよく云われたもので、 それが軽佻浮薄なのかどうだか知らないが、その云い方を嫌うおやぢがいたものだ。 ちかごろの電子レンジは<チン>とは鳴らないから、いまはどう云うのだろう。

 スーパーで妙なものを見つけた。 インスタント・ラーメンを電子レンジでつくる容器と云うのがある。 鍋でつくればいいものをと思ったが、光熱費が安くなるのかは確かめていない。 電子レンジは「温度むら」があって、それは一台ごとに違うと云う。 これが、いまの技術水準であって、加熱する時間は決めようがないし、好みもあるだろう。

 思いつきで作っても、ラーメンののび具合を試作して、ようやく使えるようでは迷惑なものじゃないかなぁ。 ずいぶん前、こんなのがあった。風呂の温度を保温すると云うもの。 湯たんぽのような形をして、なかには熱をためる鉱石が入っている。 これを電子レンジで加熱して、風呂の中に入れると何時間か温度が保たれる。 電気料金はこれだけお得と書いていたが。 それが、いまは売っていないのは、どうしたの。
'07年07月01日

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