日常茶飯

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#61 
目次

演劇文庫

 早川書房が新しく文庫を創刊した。 ハヤカワ演劇文庫と云うもので、今月発売したのは2点で、 アーサー・ミラーの『セールスマンの死』と、ニール・サイモンの『おかしな二人』。 現代戯曲が文庫でシリーズ化される事はなかったし、あっておもしろい。

 ニール・サイモンと云えば懐かしい思いがする。 ブロードウェイの喜劇王、ニール・サイモンは今年79歳だと云う。 尤も、懐かしいと云うのは舞台ではなく映画の方である。 以前、ニール・サイモン脚本のふるい映画を幾つか観ているのだが曖昧で思い出せない。 映画の『おかしな二人』は観たはずで、ジャック・レモンとウォルター・マッソーの顔は思い出せても場面は丸で記憶にない。 でも、『グッバイ・ガール』は何度か観たので(テレビだっだのかなぁ)、少しは覚えている。 リチャード・ドレイファスが朝起きて、マグカップにコーヒーを二杯飲んでいた(この記憶も怪しいけど)。 で、なんで懐かしくなったのだろうと考えてみると、 思うに、あれは良質のコメディーだったのだ。

 ついでに思い出したのは、ボブ・フォッシーの映画『オール・ザット・ジャズ』。 ブロードウェイの演出家であるフォッシー自身をコメディーに仕立てたもので、 最後は過労で死ぬのだけど、 サイモンとガーファンクル(このように発音したらカナダ人に通じたことがある)のパロディ曲「バイ・バイ・ライフ」が圧巻である。 コメディーとは笑えてやがて哀しくなると云うもので、そう云う映画は現れなくなった。 それを感傷する気はない。

 さて、話をもどして、ハヤカワ演劇文庫は離月で刊行するのだと云う。 次回は11月。 エドワード・オールビーの「動物園物語」、「ヴァージニア・ウルフなんかこわくいない」と、 清水邦夫の3つの戯曲である。 ところが、その後どうなるのか不明。 <以降は井上ひさし、坂手洋二、平田オリザ、テネシー・ウィリアムズなど>と云うだけで明らかにしない。 どんな文庫かわからない。 思いつきでやってるのではないと思うがネ。
'06年09月29日

修正パッチ

 マイクロソフトは臨時のセキュリティ更新プログラム(修正パッチ)を公開した。

 「臨時」と書いたのは、インプレス社の INTERNET Watch の記事に従っただけであり、 記事によると月例パッチは第2水曜日に公開されるが、<臨時でこの時期に行なわれたことからもわかるように、 放置しておくとシステムに致命的な問題を引き起こしかねない内容のものだ、大至急適用すべきだろう>、 と書いている。 が、致命的な問題を引き起こすのはマイクロソフトの経営じゃないか。 ジャーナリズムの精神が少しでもあれば、 INTERNET Watch の記事は「緊急」と云うべきものだろう。

 何のことかと云うと、8月の月例修正パッチのひとつは Windows 2000 SP4 に適応すると、 圧縮されたファイルが破壊されると云うもので、9月になってマイクロソフトはそれを公表した。 これがよくわからない。 どう云うことでファイルが壊れるのかは不明で、システムがファイルを破壊すると云うから物騒で困る。 それで、ディスク・ファイルをチェックするコマンドを実行すると、幾つかのファイルが壊れていた。 それはどうでもいい知らないファイルだったから良かったが、 以来、ディスク・クリーンアップは実行しなかった。 これをやると、長らく使っていないファイルを圧縮して仕舞うのだ。 またディスク・デフラグもやらなかった。 その問題の修正パッチが公開されたと云うのである。

  Windows 2000 はまだ多く使われている筈で、こんな訳の分からない話で問題が起きれば、 責任はマイクロソフトに決まっている。 だからパッチを待っていたが、ようやく現れた。 「由良之助(ゆらのすけ)、待ちかねた」とでも云うべきなのか。 幇間(たいこもち)のようなパソコン誌も困りものである。 まあ、そんなものだろうと思うのだが。
'06年09月28日

型録

 大きな買い物は滅多にすることはないけれど、 この何年の間にクレジット・カードのポイントは結構たまっている。 そのポイント数の大部分はもうすぐ期限切れになりそうだから、 ポイントを特典(商品)と交換しようと思い、カタログを送って貰うことにした。

 この前に交換したのは旅行バックで、今でも愛用している。 当時のカタログは薄っぺらの子雑誌だった。 ところが、今度のは豪華である。 分厚くはないけれど立派な本なのには少し驚いた。 さて、その中身はどうかと云うと、それがスゴイのである。

 交換品はポイント数に応じて、ホテルの宿泊券やレストランの食事券に、色々な品物があるのは今も変わらない。 相場はポイント数の半分を円に換算した額になる。 だから、10,000ポイントは5千円分の買い物券と交換できると云うこと。 で、上には上がある。 クルマと交換なんてのもある。 もっとスゴイのは、何と宇宙旅行。

 「宇宙体験旅行1名さま(弾道飛行)」と云うのがあって、 これは高度100kmの超高空まで一気に上昇して、宇宙空間を体験しながら眼下に青い地球を見下ろす飛行だそうだ。 うわぁーっ、2千2百万ポイント。 JTBが取次をやっているそうで、確かにJTBのサイトをみると、色んな宇宙旅行の取次をしてるンですね。これが。

 はなしを現実に戻し、私のポイントはたいした数ではなけれど、ある程度は纏(まと)まった数になる。 だから、お金を出して買うつもりはないけれど、 ポイントとは交換したいと思う欲しいものがあれば良いと思うのである。 まじまじとカタログを見ている。
'06年09月27日

抜け雀

 小田原の宿場でもって、暇で暇でしょうがなかった宿屋の相模屋。 そこに絵師が一文無しで逗留し、 宿銭の代償(かた)にと衝立(ついたて)に雀(すずめ)の絵を描いた。 朝になり、雨戸をガラガラッと開ける途端にお天道様がすうーっと射し込む。 すると衝立の絵の雀が抜け出して、向かいの屋根で餌(えさ)をあさって戻って来て、 衝立の中にぴったっと納まった。 それが評判を呼び、小田原へ入って来る旅人は、みんなこの相模屋へってんでやって来る。 今まで暇でしょうがなかったのに。

 落語の『抜け雀』である。 どこか荒唐無稽な噺(はなし)に、聞いていて引き込まれるのは登場人物の造形にある。 何とも屈託ない。 宿屋の亭主は女房の尻に敷かれた、お人好しで気の弱いところがある。 宿に泊まる絵師は一文無しのくせに、平気で威張っている始末。 女房にせっつかれて、亭主は支払いの催促をするが、絵師は勝手に絵を描いて威張って帰って仕舞う。 その絵で宿は繁盛するのだが。

 そのうち、身なりの立派な老武士が泊まりに現れた。 絵を描いた絵師を自慢する亭主に、「この絵には抜かりがある。止まり木が描いていない。 休むことなく飛んでおってはな、仕舞いには疲れて落ちて死ぬであろう」、と鳥かごの絵を付け加えた。

 で、雀はいたって元気。あの絵師と云うのは老武士に勘当された息子で、 絵を見て勘当を解(と)いたと云う噺。 音はソニーの、『志ん朝復活 り』で 1981年10月17日、大阪毎日ホールの口演。 おやじの志ん生の十八番だったらしいがおもしろい。
'06年09月24日

お見立て中

 先週、ウイルスバスターを「2007」にバージョンアップしたが、何とも動作が重いン。 いっそもとの「2006」に戻そうかと思ったけれど、しばらく様子を見ることにした。

 ときどきタスクバーのアイコンを右クリックして、「アップデート開始」を実行すると、 その度に更新のパターンファイルやプログラムが見つかる。 張り切ってアップデートするのは結構だけど、その都度こちらは仕事は中断するし、 ファイルを適用するまでが長いのである。 ウイルスを検索する時間も以前より長くかかる様になった。どうしたの。

 新機能に不審ソフトウエア警戒システムと云うがある。 ためしに有効にしてメールをチェックしていると下の方に立て看板みたいなのが現れて、 「疑わしいプログラムにより、インターネットへの通信が要求されています」と宣(のたま)う。 その都度、立て看板を出さないようにチェックを入れているが、そのうち少し賢くなるかも知れない。

 でもきのうは呆れた。 秀丸エディタをバージョンアップしていたら、 看板が現れて、「このシステム上で次の疑わしい変更を検出しました」と宣い3件のメモリの変更を検出したと、 自慢してみせるのは何だろう。 もっと困るのは、プログラムを起動するとサイドメニューが現れて、ネットに接続をはじめる。 五月蠅(うるさ)いので切りたいのだけれど、それを止める設定が在るのか無いのかわからない。 ウイルス対策ソフトは最近ではセキュリティ対策ソフトと称しているようだけど、 だったら負荷のかからないように陰に隠れて働いて然(しか)るべき。 なのに騒々しいのは分際を知れ、と云爾。
'06年09月22日

祝日無題

 レコード屋に這入ったら、溝口健二、小津安二郎、黒澤明の映画DVDが並んでいる。 それ自体は珍しくもないけれど、これが韓国からの逆輸入もので一枚あたりが千円程度の値段である。 このことは一年以上前から知っていたが、なにしろ邦画のDVDは高い。 黒澤のは一番高くて、5、6千円台だ。 小津の松竹から出ているのは安くなった。 逆輸入版のDVDは音声は日本語だから、字幕を切ればいいと云うことらしい。 でもパッケージの絵は引けて仕舞うように異様である。 気味悪い。

 さて、小津安二郎の映画である。 ゆったりとして時間を感じさせないように見えるが、小津の映画はひじょうに細かい断片からなっていると云う。 まあ、映画は断片からなるのだけど、杉山平一著、『映画芸術への招待』(編集工房ノア)によると、 一分に十カットつまり六秒に一度切れていると云う。 つまり、極端に多いのである。

 で、それはさておき、きょうなんでレコード屋に来たかと云うと、 小津の代表作である『東京物語』の元ネタという映画があって、米国映画の『明日は来(きた)らず』というものがあるらしい。 知ったのは小林信彦さんの『最良の日、最悪の日』(文集文庫)なのだけど、戦前の古い映画だそうだ。 見たいなアと思って、思ったのは、DVDの古い映画の500円程度のシリーズにあるかも知れない。 それで探してなかった。
'06年09月18日

気象観測

 気象庁のホームページは親切ではない。 雨雲レーダの図はいつもリンクが切れているし、字がいっぱいでグラフィカルに乏しい。 代わりに使うのは、Yahoo!天気情報。

 これは雨雲の動きを図で表示するので、ある程度は雨の予測がつく。 また3時間ごとの天気予報を示すのだけれど、過ぎた時間帯についてはモノクロ表示になって、 これは実際の天気を示すのだそうだ。 予報と観測が違っていたら訂正されることになるが、それを確かめるほど見ていないし、 当たらないと、意地悪を云うつもりもない。

 この実際の天気を示すと云うのは発想としておもしろい。 普段は予報ばかりを気にするが、予報するためには観測しているわけで、 観測データと云うのは過去のものだから気にも留めない。 いまの天気は見ればわかる。 また予報が外れたなんて云うけれど、気象データそのものに関心はなかった。 でも、同じ28度は夏と冬では体感は違うのは何故だろうと思っていた。

 民間大手のウェザーニューズ社のことは以前書いたけれど、 気象台とは違う予報を出していて、同じように当たらない。 ところが、「実況値」と云うリンクがあり、これがおもしろい。 各地の気象台の観測データをグラフで表していて、 気温、日照時間、降水量、風向風速、温度、気圧、と云う項目がある。 しかも過去のデータも見ることが出来る。 8月は集中豪雨があった。 一時間だけ降水量のグラフが伸びている。 気温を見ると、確かにガクンと下がっている。 案外、実測値は役立つんじゃないか。
'06年09月16日

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