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(学習指導案)

吉岡 絵美 

と き  六月十日 一時限目 

ところ  東京成徳大学 二0四教室 

対象者  国語科教育法受講三年生 

本時の目標     

・養父が教えたかった事とは何かを理解させる     

・戦前と戦後の生活様式の違いを考える 

本時の展開例     

テキスト 高校生の国語・

「養父の教え」 二時間目(計四時間)

── 挨拶・本時の目標説明・指名音読 ──

起立、礼、着席。

今日は、『養父の教え』の二時間目の授業です。前回までに、筆者で ある、坂東玉三郎についてと、本文の前半部分の稽古の反復の意味、女 形の二重構造とはどんなことかを学習しました。

今日は、『養父が教えたかった事とは何か』、『日本の戦前と戦後の 生活様式の違い』について考えていきます。それでは、前回の復習もか ねて本文の初めから読んでもらいます。

── 指名音読 ──

十四ページ十一行目に、『今、それが残っているのは…』とあります が、『それ』の指す部分はどこですか。

── 指名 ────

そうですね。その前の『今まで持っていた生活様式とか言葉遣い』と いう部分です。では、戦前の日本がもっていた生活様式とはどんなもの でしょうか。また、戦後になってからの生活様式には、どんなものがあ りますか。 

── 二、三人指名し、黒板に書いてもらう ──

ありがとうございます。今、あげてもらった例から考えると、昔なが らの様式をもっている世界とは、具体的にどんなものがありますか。

── 指名 ────

そうです。歌舞伎、能、狂言など、日本の伝統文化の世界にしか残っ ていません。

筆者が言うように、一般の家庭から日本の形は追われてしまっていて、 前半部分で守田勘弥が言っていたことに照らし合わせて考えてみると、 戦後の日本の発展は、型破り、なのではなく、形なし、なのかもしれま せん。

また、本文の最後で筆者は養父の教えを自分の言葉でとらえ直して、 『四季の風の中で…』と書いています。これは、詳しく言うと、どうい うことですか。

── 指名 ────

そうです。四季の風が移ろうように、時代が変わるに従って人々の心 も、形も刻々と変わるけれども、そのおおもとには形があるか、形なし になっていないか、自分自身に問いかけることを忘れるなということで す。自分の形がないまま、時代とともに変わっていくことは、時代の流 れにのっているのではなく、時代に流されているのだ、と言うことです。 これは、歌舞伎の世界だけではなく、私たちの生活でも言えることで す。みなさんも、守田勘弥の言いたかったことを自分自身の生活にあて はめて考えてみてはいかがでしょうか。

では、今日の授業はここまでです。

起立、礼、着席。

 

★ 指導内容確認 ★

・指導予定の内容をどの程度理解させられたか。 優・良・可・不可

・板書は正確で見やすかったか。 優・良・可・不可

・時間配分は適正であったか。 優・良・可・不可

・発問と解答はかみあっていたか。 優・良・可・不可

・説明は聞き取りやすかったか。 優・良・可・不可

学習指導案                 吉岡 絵美                       

とき  十月二十八日 一時限目

ところ 東京成徳大学 二〇四教室

対象者 国語科教育法 受講三年生

*本時の目的*

Kと先生の心情を理解する

*本時の展開例*

    テキスト 高校生の国語U

    「こころ」

【 挨拶・本時の目標説明・指名音読 】

 今日は、『こころ』の三時間目の授業です。前回は、Kが「お嬢さん」

に恋心を抱いていることを先生に打ち明けるところまでやりました。

 今日は、その続きから入ります。168ページ下の段の14行目から読んでもらいます。

【 指名音読 】

まず、今読んでもらったところで、Kはどんな人だとわかりますか。

【 指名 】

  そうですね。「現代人の持たない強情と我慢」があり、「道のためにはすべてを犠牲にすべきものだ」ということを、第一信条にしていることがわかります。またそれは、「昔から精進という言葉が好きだった」というところからもわかります。

 それでは次に、Kの恋の行く手をふさぐために先生はどうしましたか。

【 指名 】

 そうです。ではなぜ、「精神的に向上心のないものはばかだ。」ということで、Kの恋の行く手をふさげると先生は考えたのでしょうか。

【 指名 】

 そうです。Kはそれまで、道のためにはすべてを犠牲にすべきであるということを信条とし、欲を離れた恋そのものでも、道の妨害になると考えていました。そして、その頃からお嬢さんを好きな先生がそれを反対することに、気の毒そうな顔をして、侮蔑の態度を表していました。そんなKが、自分でいった言葉を人から言われることで、ひどく傷つくことを、Kの性格を理解していた先生はわかっていてこの言葉を言いました。

 170ページ下の段の初めにあるように、単なる利己心からこのようなことを言ってしまったのです。

 次に171ページの2行目、「投げ出すことのできないほどの尊い過去」とは、どんなことですか。

【 指名 】

 そうです。これまでのKの信条に合わせた生活がそれですね。

 それでは少しとんで、173ページの下の段、3行目を見てください。「つまり私は一般を・・・」とあります。これはKの性格を言ったものですが、Kの性格から言う一般と例外とはなんですか。

【 指名 】

 そうです。一般とは、自分の信条に合わせて行動することであり、例外とは、お嬢さんに恋をしていることです。

 また、「覚悟」とは、先生はKがお嬢さんに対して進んでいく事だと思っていますが、実際はどうなのか次の時間に考えていきたいと思います。

 今日はここまでで終わりにします。

【 起立・礼・着席 】

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