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学習指導案 矢口景子

とき 六月十日 一時限目

ところ 東京成徳大学 二○四教室

対象者 国語科教育法受講者

本時の目標

本時の展開例

テキスト 高校生の国語U

『枕草子』「雪のいと高うはあらで」二限目 (計四時間)

起立

前回は二十九ページの三行目までをやりました。今回はその続きからやっていきます。では、前回の復習も兼ねて最初から八行目までを読んでもらいます。○○さんお願いします。(二名指名する)

この文章は、季節でいうといつになるでしょうか? ○○さん。そうですね。冬でしかも雪が降った日と考えられますね。そのことを頭に入れて本文に入っていきましょう。

「また、雪のいと高う降りつもりたる夕暮れより、」ここでの「いと」は、非常に・とてもという意味で使われています。一行目の「いと」は、打消の接続助詞「で」を伴っているので、それほどは・たいしてという意味になります。おなじ「いと」という言葉でも意味がちがうということに気を付けましょう。「降り」は、「降る」という動詞のラ行四段活用連用形。「たる」は、完了・存続を表す助動詞「たり」の連体形。「端近う」は教科書にもあるように、室内の、最も庭などに近い所でという意味。「おなじ心なる人」は、気のよく合う人・気の合う女房という意味。ここまでを道して訳すと、(また、雪がとても高く降り積もっている夕方から、部屋の最も外に近いところで、よく気の合う女房が二三人くらい)となります。「火桶を中に据ゑて」の火桶は、木製の筒形の火鉢で、火鉢というのは灰を入れた上に炭火を置いて、手や室内を暖める道具のことです。「据ゑ」は、動詞「据う」のワ行下二段活用連用形。「する」は、動詞「す」のサ行変格活用連体形。「暗うなりぬれど」これは、暗くなってしまったが、という意味です。では、何が暗くなってしまったのでしょうか? ○○さん。そうですね。空が暗くなったことを指しています。「ぬれ」は、完了を表す助動詞「ぬ」の已然形。「ど」は、逆接の接続助詞。「こなた」は、教科書にもあるように自分たちのいる部屋の中を指します。ここでは、女房たちのいる所です。「火もともさぬ」の「ともさ」は、動詞「ともす」のサ行四段活用未然形。「ぬ」は、打消を表す助動詞「ず」の連体形。「おほかた」は、あたり一帯という意味。「雪の光いとしろう見えたるに」のいとは、三行目の「いと」と同じ意味で使われています。「見え」は、動詞「見ゆ」のヤ行下二段活用連用形。「たる」は、完了・存続を表す助動詞「たり」の連体形。ここまでを道して訳すと、(火桶を中において、いろいろ話などをするうちに、暗くなってしまったが、部屋の方には燈火もつけないでいるのに、あたり一帯雪の光がとても白く反射しているので)となります。「火箸して」の「して」は、手段・方法を表す格助詞。「掻きすさみて」の「掻き」は、動詞「掻く」のカ行四段活用連用形。「すさみ」は、気の向くままに…するという意味で、「すさむ」のマ行四段活用連用形。「あはれなる」は、しみじみと心打たれるという意味で、「あはれなり」の形容動詞ナリ活用です。では、その活用を言ってもらいましょう。○○さん。「あはれなる」は、連体形になります。「をかしき」は、滑稽である・おもしろいという意味で、「をかし」の形容詞シク活用です。では、その活用を言ってもらいましょう。○○さん。「をかしき」は、連体形になります。「言いあはせたる」の「あはせ」は、互いに…するという意味で、「あはす」のサ行下二段活用連用形。「たる」は、完了・存続の助動詞「たり」の連体形。「こそをかしけれ」の「こそ」は強調する役割を持っている。これは、二行目の「こそ」と同じです。「をかしけれ」は「をかし」の形容詞シク活用になります。係り結びの法則により「こそ」を受ける活用語は何形になるでしょうか?○○さん。「をかしけれ」は、已然形になります。ここまでを道して訳すと(火箸で灰などを手慰みにかきまわしながら、しみじみとした話にしても、明るい話にしても、互いに話し合うことは実に愉快なことである)となります。

□指名音読

では、今日やったところをもう一度読んでもらいます。○○さん。訳も言ってもらいましょう。○○さん。

今日は当時の人たちが雪の日の夕方ごろをどのように過ごしていたのかをやりました。また、ナリ活用や、シク活用や、係り結びの法則など重要な文法も多く出てきました。次回までにきちんと復習しておいてください。終わります。

起立

指導予定の内容をどの程度理解させられたか。 優・良・可・不可

板書は正確で見やすかったか。 優・良・可・不可

時間配分は適正であったか。 優・良・可・不可

発問と解答はかみあっていたか。 優・良・可・不可

説明は聞き取りやすかったか。 優・良・可・不可

学習指導案 矢口景子

学習指導案 矢口景子

とき 十月二十八日

ところ 東京成徳大学 二○四教室

対象者 国語科教育法受講者

本時の目標

  • 本文の内容を理解させる。
  • 名前について考える。

本時の展開例

テキスト 高校生の国語U

「名を呼ぶ」 三時間目(計三時間)

挨拶 起立

今日は「名を呼ぶ」の118ページの15行目から最後までをやっていきます。まずは、今までやってきたことを思い出しながら最初から読んでいきましょう。(指名音読)

板書しつつ解釈読解

モシ社会というのは下に説明があります。○○さん読んでください。場所は上の地図で確認してください。

「生後まもなくつけられる名は、生まれた時の状態、誕生に先行した出来事、身体的特徴などにちなんでつけられる」と、あります。では、それぞれを書き出してみましょう。(指名)

これらは精霊へのメッセージと考えられています。他にも、親から隣人や王にあてられたメッセージとしての名。「神様が御存じ」、「どうだ、やっぱり」、「王様は私たちによくしてくださる」などがあります。これらの名がメッセージであるというのは分かったが、では、子供はいったい何なのでしょうか?○○さん。はい。120ページ13行目に「名との関係で、子はいわば親からの屈折したメッセージの媒体であるにすぎない」とあります。なぜ、このように考えられるのでしょうか?○○さん。はい。121ページ2行目に「正真の個としてのその子に最終的に差し向けられたものではない」からですね。では、誰に、あるいは何に、差し向けられたものなのでしょうか?○○さん。はい。そうですね。もちろんその子を呼ぶ時もあるわけですが、精霊であったり、隣人であったり、王であったりします。

「裏」や、「倉」などといったまったくつながりがないかのように名前が付けられていても、占い師などを媒介として類型化されて名付けが行われる。一つの村に何人もいれば個の指示機能は弱いということです。

今日はここまでです。 起立、礼。

 

  • 指導内容確認

指導予定のないようをどの程度理解させられたか。

優・良・可・不可

板書は正確で見やすかったか。 優・良・可・不可

時間配分は適正であったか。 優・良・可・不可

発問と解答はかみ合っていたか。 優・良・可・不可

説明は聞き取りやすかったか。 優・良・可・不可

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