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     〔学習指導案〕

                                 田中 麻美

と き 七月八日 一時限目

ところ 東京成徳大学 二〇四教室

対象者 国語科教育法受講三年生

本時の目標

 ・本文の内容を理解させる

 ・「名前を呼ぶ」ということを考えさせる

本時の展開例

 テキスト 高校生の国語U

      『名を呼ぶ』 川田 順造 一時限目(計四時限)

指導展開案

  起立、礼、着席。おはようございます。

  はい、今日から新しいところに入ります。教科書の一一五ページを開いてくださ い。『名を呼ぶ』です。作者は、川田 順造。では、○○さん、一二一ページの川 田さんについて読んでください。

     (音読)

  ありがとうございます。それでは次に、今の文章と本文でとりあげられていた、 モシ族ついてみてみましょう。一一八ページを開いてください。上の地図を見てく ださい。場所は、アフリカ、ガーナの上の国、ブルキナファソのほぼ中心部に彼ら は住んでいますね。覚えておいてください。

  では、本文に入りましょう。○○さん、本文始めから、一一七ページの一三行目 までを読んでください。

     (音読)

  ありがとうございます。それでは、これから、本文の語句から、いくつか考えて しょう。まずは、一一五ページ六行目「名乗りのヒエラルキー」についてです。下 にも書いてあるように、「ヒエラルキー」とは、ドイツ語で、ピラミッド型の階層 組織、身分的上下のことですが、○○さん、この、「名乗りのヒエラルキー」とは、 具体的にどの部分を指しているでしょう。

     (回答)

  そうですね、ちょうどその部分のことです。身分的上下というものも、うかがえ るところです。なぜ、このようになるかというと、次の語句、一一六ページ二行目 の「この両極性」について考えると、分かり易いです。では、○○さん、「この両 極性」とは、どんなことと、どんなことだと言っていますか、具体的に答えてくだ さい。

     (回答)

  はい、その二つです。このことを頭に入れておいて、次を考えてみましょう。一 一六ページの三行目からの「本来、言葉も声も奪われたところにしかありえない、 ひそやかな正真の「個」が、言葉で名づけ、声で呼ぶことによって、他者との関係 の中にさらされる」とありますが、具体的にはどういうことを言っているのだと思 いますか。○○さん、どうですか。

     (回答)

  はい、そうですね。みんな、わかりましたか。ポイントは、五行目の「名を知り、 呼ぶことは、呼ばれた者を呼んだ者に従わせることでもある」というところです。 前の二つの語句で見たことから考えれば、どういうことかわかりますね。つまり、 このことから、「名乗りのヒエラルキー」も生まれたと考えられ、この後の「難題 聟」についても、理解し易くなるのではないでしょうか。

  では、その「難題聟」についてですが、まず、一一六ページのBを見てください。 難題聟、昔話・説話の型の一つ。聟となる者が課された難題を解くことによって嫁 と結ばれるという筋を持つもの。とありますね。このことを聞いて、何か思い当た る話はありませんか。日本の昔話にもありますよね。○○さん、何がありますかね。

     (回答)

  そうです、竹取物語です。竹取物語では、かぐや姫が、五人の求婚者達に、それ ぞれ、「仏の御石の鉢」・「蓬莱の玉の枝」・「火鼠の皮衣」・「燕のもたるる子 安貝」・「竜の首の珠」を持って帰って来た者と結婚する、という話でした。では、 本文に戻りましょう。西アフリカでは、多くの求婚者のうち、娘(若者)の名を言

 い当てた若者(娘)がその娘(若者)と結婚するという昔話が幾つかあるそうで、 このような「難題聟」の話は、世界中にあるようですね。

  はい、今日はここまでにしましょう。今日やったところから「名前を呼ぶ」とい うことの重要さを、自分なりに考えてみてください。次回は、この後の怪物退散の 話から入ります。

     (時間が余ったら、その続きを読んでもらう)

  起立、礼、着席。ありがとうございました。

指導内容確認

 ・指導予定の内容をどの程度理解させられたか  優・良・可・不可

 ・板書は正確で見やすかったか         優・良・可・不可

 ・時間配分は適正であったか          優・良・可・不可

 ・発問と回答はかみあっていたか        優・良・可・不可

 ・説明は聞き取りやすかったか         優・良・可・不可

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