Last Up Date 2005.11.01          

日記を物語る 2005年10月INDEXホームに戻る 

            


10月28日(金曜日)

曇りのち晴。「古代文学研究第二次」14号に、『うつほ物語引用漢籍注疏 洞中最秘鈔』(新典社.2005.02)の書評を載せていただきました。執筆者各自の眼目を的確に捉え、課題を提示する、書評の見本のようなレポートでした。本宮さん、ありがとう。

10月29日(土曜日)

曇り時々雨。目録で見つけた岸上慎二編『枕草子必携』(學燈社、1969年)を神田神保町の古書店へ引き取りに。箱がないと言うことで、さらに安くしていただく。ところが帰りの道が渋滞につき、どっぷり疲労が溜まり、夜のデスクワークはお預けに。

10月30日(日曜日)

晴。日本文学協会大会のため相模女子大学へ。ここは三年ほど前、和漢比較文学会で伺ったことがあります。シンポジュームは、僕が知る限り、最強のゲストシンポジストにより、緊迫。でも、こうした熱気を僕は嫌いではありません。文学そのものが死にかかっている時代なのだから。

10月31日(月曜日)

曇時々晴。明治大学の「日本語文献精読」は漱石の「それから」を終える。「論文演習」は「論理的に話す」プレゼンテーション。事前準備が大切ですね。午後は文化祭準備で休講。なんだかのどかな教員室と、サークルの熱気をはらんで昂揚するキャンパスを背に帰宅しました。


10月01日(土曜日)

晴。『人物で読む源氏物語』勉誠出版の二期・三冊分、約千ページの念校に専念。みなさんからの校正も同封されており、まさにどっさりという感じ。ただ、レギュラーの執筆者さんで、いまだに「執筆要項」を踏まえていない人がいたのにはちょっとガックリ。その他、肩書き、不審箇所の確認などで電話とメールを駆使してなんとか山を越えました。

10月02日(日曜日)

晴。暑い一日。校正に費やす。三冊は近々印刷に回ります。

10月03日(月曜日)

曇時々晴。明治大学。「日本語文献精読」は「敬語」と漱石「一夜」。「論文演習」二コマは「夏休みの日記」。手書きの人の原稿はOHPで精読。漢字を脳に間違えてインストールしていた人は、この際、再インストールをお願いしたい。

10月04日(火曜日)

曇りのち雨。明治大学。「日本語文献精読」は「敬語」と漱石「一夜」。物語にあわせて香を焚く。いかがでしたか?帰宅してパソコンを立ち上げると新監修者が勉誠メールマガジンを通じて発表されていました。その第一巻目の念校に専念。

10月05日(水曜日)

雨。明治大学。「日本語文献精読」は「敬語」と漱石「一夜」。こちらも香で趣向を凝らす。青山学院女子短期大学のふたつの演習で中古文学会の発表を聴いてもらって感想を書いていただきました。二年生の演習は時間を計ってもらって話してみましたが、読み原稿が多すぎて聞き取れないところがあったようで、専攻科の時には時間を無視してゆっくり話してみました。課題多し。琴を立って弾くと音が不安定になること、これも稽古で克服しないと。合間に第五巻の校正を受け取り休み時間に確認作業。夜は慶応で「小右記」の会。最も忙しいピークの日となりました。

10月06日(木曜日)

曇時々晴。朝一番のビジネスパックで念校を発送、夕方には届く予定で、僕の二期分の仕事は完了、監修の室伏先生から、語誌・語法的な細かいご指示を頂戴して、ますますアカデミックな内容にスケールアップしていると思います。どうぞご期待下さいませ。お昼から国立劇場で貞操花鳥羽恋塚を観る。この芝居の資料集に、同僚の某先生の勉誠出版の事典項目が転載されたことによるご招待を代わりに受けたのです。ご多忙な先生に代わって、約05時間、鶴屋南北の世界を堪能しました。ありがとうございました。帰りは新座駅前のちゃんこ店で、立ち上がるのも苦しいほど満腹に。満足。

10月07日(金曜日)

曇りのち晴。夕方、母を大宮駅に送りましたが、帰りの新座市内がやや渋滞。帰宅すると母から到着の留守電が入っていました。大宮から佐久平までの新幹線は59分。大宮〜新座間は15q、大宮〜佐久平150q。車というのは意外に不便なものでもあります。

津島知明さんより『動態としての枕草子』(おうふう、2005)を頂戴しました。気になる何章かをさっそく拝読。いつも思うのですが、津島さんの文体は、流麗なクラッシック音楽のような趣があります。萬謝です。

10月08日(土曜日)

曇り。所沢市松井公民館で「古典に親しむ会」『源氏物語』真木柱巻から「梅枝」巻へ。玉鬘物語をようやく踏破して、いよいよ光源氏の絶頂期へと向かいます。

10月09日(日曜日)

曇り。『枕草子』を読む会。いわゆる「雪山」の段。著書を出したばかりの津島さんのレポートで、諸説が見事に整理され、むつかしいこの段の構成の大枠を知ることが出来ました。

10月10日(月曜日) Special Thanks 210,000 Hits

雨。終日クールダウンと決めてのんびりする。今週は、作成中の新パンフレットの校正のみ。まだ未入稿の方の論文はタイトルが「○△論」と素っ気ないものになる見込み。と言うわけで、タイトルをお知らせ頂けると書き込めるように思います。同時に原稿も頂けるとなおありがたい。

10月11日(火曜日)

曇。明治大学。「日本語文献精読」は今日も漱石「一夜」。夜は寒くなってきましたね。

10月12日(水曜日)

曇りのち快晴。明治大学の「日本語文献精読」はもちろん漱石「一夜」。秋の気配の表参道を抜けて青山学院女子短期大学へ。卒業写真の撮影のため、久しぶりのスーツに「先生どうしたんですか」と声を掛けていただきました。中庭で撮影したけれど、なんとなくみんなしんみりした様子。時は必ず流れるもの。発表はそれぞれの注釈レポートに、二年生が「平安時代の食生活」「『源氏物語』の登場人物の体型」、専攻科のふたりは「もののけ」「紫の上論」でした。満足。

10月13日(木曜日)

快晴。柏市内の高校で二年生の進路講話。三年生が推薦入試の真っ盛りと言うことで、みなさんに真剣に聴いてくださいました。あれこれ急がしく、高速道路を使ったら、ドアツードアで49分。案外近いところなのですね。柏と言えば、学生時代のその昔、よく通ったインドカレー ボンベイに立ち寄ろうと思っていたら、なんと閉店のお知らせ。テレビにも有名人さんがよく通ったということで紹介しているのを観たことがありました。のれん分けした店が他にあるようだから、今度行ってみたいと思います。

10月14日(金曜日)

晴れのち曇り。『人物で読む源氏物語』勉誠出版の新パンフレットの校正。なかなか美麗です。午後には点検して印刷に回るというスピード展開。来週の学会で御覧下さい。夜は弾琴。稽古怠りなし。

10月15日(土曜日)

曇りのち雨。古代言語蔵開の会で明治大学リバテータワーへ。力作のレジュメで、論文にしたら優に100枚以上の長編になるでしょう。雨の夜は、打譜と弾琴。今夜も稽古怠りなし。

10月16日(日曜日)

曇りのち雨。母校で注釈作業。今日は僕が一番若かったのですが、解釈へのねばりは年長者の先生の方が遙かに上。精神力が力なのだと改めて思った一日でした。

10月17日(月曜日)

雨。明治大学。「日本語文献精読」は漱石「一夜」。「論文演習」は「大学生のための日本語」。また法科大学院適性試験問題の演習も再開。これの予習は頭が痛くなるばかり。

10月18日(火曜日)

曇。明治大学。「日本語文献精読」は漱石「一夜」から「それから」へ。夜は國學院で「うつほ」の会。またがんばりましょう。

10月19日(水曜日) Special Thanks 211,000 Hits

曇りのち快晴。明治大学の「日本語文献精読」はこちらも漱石「一夜」から「それから」へ。青山学院女子短期大学での発表は、それぞれの注釈レポートに、二年生が「歯科医療」「『髪』は女の命」、専攻科のふたりは「雨夜の品定め論」「『源氏物語』の食生活」。後期の内容は前期にましてバージョンアップ。来週が楽しみです。夜は慶応で「小右記」の会。会の議論もさりながら、二次会では某有名女優さん御一行様が隣席に。この店の常連らしく、お店指定の駐車位置に、僕のと並んで置いてありました。あちらはスタッフの慰労会だったようです。

会の後、大軒史子先生から『源氏物語解釈と鑑賞の基礎知識/夢浮橋』至文堂を頂戴しました。僕らの叢書でも格調高いコラムを書いてくださっています。ともあれ、『基礎知識』の完結には感慨深いものがあり。

10月20日(木曜日)

快晴。静岡のとある高校で「『源氏物語』と音楽」の模擬授業。東京から四校、県内の大学から二校の先生が分野別に担当していました。二年生対象で、今までに習った古典文学を尋ねると、「竹取」「伊勢」「宇治拾遺」と来て、「まだたくさんあるんじゃないの?」とさらに尋ねると、後で聞いて下さってた先生方も心配顔。「うつほ物語」と自信なさげに女子生徒さんが答えたので、一気に音楽伝承譚の系譜を板書して、雅楽史と『源氏物語』までの話をして、二曲ほど琴を弾いたところで時間となる。後から、担当の先生が追いかけてきて、「「うつほ物語」は原文を読んだのではなくて、文学史で扱ったんです」と訂正してくださいました。秋の一日の出来事です。

10月21日(金曜日)

晴。上海から戻られた余明先生のスタジオでレッスンしていただく。そうこうするうちに、『人物で読む源氏物語』勉誠出版第二期五冊が届きました。執筆者のみなさんにも届いているはずです。十巻で累計7000枚近い原稿を書いて下さった皆さん、五冊同時刊行を可能にして下さった担当者さんや勉誠出版のみなさん、そして監修をお引き受けいただき、次々に的確なアドバイスをして下さった室伏先生、我が儘な僕の原稿を整理して下った年若い友人達。みなさん、心からありがとう。

第三期にご尽力いただいた森野正弘さんより、久下裕利・坂本共展先生編『源氏物語の新研究』新典社を頂戴しました。重厚な論文集、大阪からの帰省後、じっくり拝読いたします。萬謝です。

10月22日(土曜日)

曇り。中古文学会に出席のため、大阪府堺市の大阪女子大学(大阪府立大学)へ。『人物で読む源氏物語』勉誠出版の二期五巻も並び、秋山先生に頂戴した推薦文を掲載した新パンフレットもたくさん友人達に渡す。懇親会も楽しく過ごす。二次会は初の著書公刊の某さんの内輪のお祝いをする。また、あちこちで声を掛けてくださった先生方、ありがとうございました。それにしてもホテルの近くのお好みやさんで食べた定食は濃かったです。写真に撮っておくんでした。

10月23日(日曜日)

雨のち晴。中古文学会二日目。早めに会場に行き、演台に琴をセッティングした上で、マイクテストまでしていただく。この時は弾琴も絶好調。ホールの音響は最高の環境だと分かりました。ただ、琴の音が小さいので、マイクは係の方に持っていただいて出来るだけ琴に近づけて音を拾うことになりました。若い友人達の発表が二本。それぞれ質疑応答にも立派に答えていて、自分まで誇らしく。休憩後、総合司会の田中登先生の判断で、セッティングの二度手間を省くため、発表の後すぐに僕の質問を行うこととなる。報告はほぼ時間通り。レジュメに加えた(蕉庵琴譜系)の「龍翔操 旧名昭君怨」の第三楽章を一度目は説明しつつ、二度目は譜面通りに弾いてみました。質問は三先生から。ありがとうございました。朝からご一緒に会場に向かった、次の高橋さんの発表も無事終えて、午後はリラックスして「とりかへばや」「狭衣」の精緻な報告を聞く。最後の「伊勢」二本はモニターの設置された第二会場で、これも友人の皆さんと。パワーポイントを用いた画期的な内容で、絵巻の全貌を知ることが出来ました。トリの報告(講演)まできっちり聞き終えて新幹線へと急ぎました。

10月24日(月曜日)

晴。明治大学。「日本語文献精読」は漱石の「それから」。「論文演習」は「大学生のための日本語」。法科大学院適性試験問題演習。あっさりほぼ全員正解。凄いぞ!

10月25日(火曜日)

晴。明治大学。「日本語文献精読」はこちらも漱石「それから」。すっかり日の暮れが早くなってきました。

10月26日(水曜日) Special Thanks 212,000 Hits

曇り。明治大学の「日本語文献精読」はもちろん「それから」。青山学院女子短期大学のレポートは、「遊び・娯楽」「平安時代の出産」、及び、「平安時代の化粧」でした。

帰宅すると、外山敦子さんより『源氏物語の老女房』(新典社.2005.10)を頂戴していました。「老女房」をテーマに書き継いだ労作。ありがとうございました。

10月27日(木曜日)

雨のち快晴。朝方は肌寒いほど。またまた原稿を書き、頂いた本を読み、また書く。夕方、仕事で第三京浜を車で飛ばしたのがよい気分転換となりました。


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