Last Up Date 2003.03.01          

日記を物語る 2003年02月INDEXホームに戻る             


02月26日(水曜日)

明治大学で法学部語学系の教科書会議。まず、「国語・論文演習」担当者で、カリキュラム改革案の説明等が主任からあり、昨年度の講義・演習の報告を担当者から。外国語科目は大幅な見直しが行われる模様だし、国語もG・P・Aなるタームで、教員間の単位評価の均等化を要請されているようです。なにせ司法試験の合格者増という至上命題が科せられているためです。次いで懇親会は法学部長からLAWSCHOOLの概要等のお話。学科長、教務部長、事務職員さんの紹介等と挨拶のあと、今年度三月で定年を迎えられる、お二人の先生の紹介と挨拶。常勤の先生は36年、非常勤の先生は「何年務めたかも忘れた」とユーモアいっぱいの御挨拶。非常勤で40年近く勤め続けるのはたいへんなことだなあ、としばし感慨に耽りました。また一年がんばりましょう。

02月27日(木曜日)

総会員数1360名のうち、同窓生会員17名の「日本文学研究/第42号」が届きました。母校の日本文学科は1961年設置ということのようです。僕も何本か書かせてもらったけれども、すっかりご無沙汰。本号には(も !?)萩谷先生の「『伊勢物語』の作者は紀貫之なるべし」が掲載されています。筆を折ったと宣言してもまだこの筆力。末尾に「八四翁」とあるのも、定家の署名に倣った、先生流のペダントリーがここに見られます。

02月28日(金曜日)

五年前に刊行された事典の草稿だった梗概と紹介の文=『うつほ物語』への招待を書き改めました。学生のレポートでもよくこの事典を引用してくる人が多いことに気付いたからです。まだ不備があったらお教え下さい。


02月01日(土曜日)

所沢の松井公民館で古典に親しむ会。『源氏物語』「胡蝶」巻。十年ぶりに復帰された会員の方も見えてうれしい限りです。

02月02日(日曜日)

ちょっとした油断から風邪を引いた模様。ここのところの体調不良もこの伏線であったかと納得。あったかくしてビデオ三昧の一日でした。

02月03日(月曜日)

105人分、108枚の明治大学分の答案の採点。よく勉強してあって、試験で合格点に届かない人は若干名でした。 あらかじめ問題がわかっているときは出来て当たり前ですから。

02月04日(火曜日)

成績表を提出してから、明日の進路ガイダンスのため実家に帰省する。すると、父が先週の雪で転び、骨にひびが入ったと言うことで入院していて不在。連絡もないなんてなんてこったい。。。

02月05日(水曜日)

佐久市内の県立高校で進路講話。僕の家に最も近い学校で担当の先生が、名刺を見ただけでどのあたりの人間かわかった模様。大人しく真剣に話を聞いてくれました。ところが、僕の仕事は終わった、と思っていたところ、次の時間、生徒希望調査によって招請したはずの、地元某短大の担当者が、都合によりガイダンスが始まってからまさに《掟破り》の欠席。僕が続けて、なんと幼児教育志望の生徒さんと話をすることに。。先生のお名前と役職からして、僕がかつて院生時代、今は外国で教鞭を執る某くんが、一度だけ学会(相模の仏教文学会だっかたか。調べればわかりますが)に連れてきた、そのお相手その人ではありませんか。こちらの長野担当者(東京在住、大卒数年後の女性です)に聴くと、何度か県内の他校にもお見え頂いているとのこと。こちらも久闊を叙したかった、と言うさやかな願いは届かず、青春の日の謎は、やはり謎に終わりました。

02月06日(木曜日)

地方紙では抜群のシェアを誇る信濃毎日新聞、東信版に、母の実家のある隣村の村長選の話題が。昨年、立候補表明し、親戚の結婚式でも両親が同じテーブルだっという新人さんと現職の一騎打ちのようですね。彼は昨日なぜかガイタンスに来なかった某短大で、フランス語を教えています。父は元村長、姉は切り絵作家で田中知事の元後援会長と言う恵まれた環境ですが、いずれにせよ、この審判の結果は三月に。

02月07日(金曜日) Special Thanks 118,000 Hits

来月発行の大学新聞に掲載するため、物語古筆の断簡を詳細に調査。わずか、130字あまりの本文ですが、驚くほどさまざまな情報が得られます。

02月08日(土曜日)

神田岩本町の楽器専門店に入院中の古琴を受け取りに行く。あちこち痛んできたため、先生が手入れして下さいました。最近、上海、仙台、東京と移動が多く、レッスン間隔が空いてしまうためのご配慮でしょう。

02月09日(日曜日)

締め切りを過ぎてしまった白楽天の音楽の原稿に専念しました。

02月10日(月曜日)

菅原道真の「三八 停習弾琴。 (七言律詩) 『菅家文草』巻一」について一章を当てました。

偏信琴書学者資 三餘窓下七條琴 (試訳)琴書は学者の資と信じて 暇を見ては山陰亭の窓の下、七條の琴に励んだものだ。

専心不利徒尋譜 用手多迷数問師     譜を読むことに腐心して琴が手につかず 奏法に惑いつつ、先師に一々尋ねてしまう。 

断渓都無秋水韻 寒烏未有夜啼悲     琴曲『三峡流泉』も 渓谷の水が枯れ 秋水は韻(ひび)かず 琴曲『烏夜啼』のように、夜、烏が悲しんで啼くような調子にもならない。

知音皆道空消日 豈若家風便詠詩     親しい「知音」に尋ねてもお前の琴は時間の無駄だと言われてしまった。それならすっかりあきらめて家風の文藝に専心することにしょう。

02月11日(火曜日)

白楽天の原稿は『源氏物語』の「藤袴」論に展開させつつまとめることにしました。50枚。とりあえず完成です。

02月12日(水曜日)

ややネタ切れの一日。何気なくテレビを見ていたらここ数年僕の心に住み着いていた謎が解けました。。。スター・錦野旦が、その昔、ミッチー・サッチー騒動に関して感想を聞かれ、「うちのおふくろと同世代だから気になりますね……」。ミッチー・サッチーともに僕の母とも同世代。錦野旦は僕より一回り以上年長なのに、ホントかいな。。と思っていたところ、錦野旦本人が「僕はおふくろの16 歳の時の子ですから」と話していました。やっと納得しました。もやもやして本当に苦しい日々でした。この話これでおしまい。

02月13日(木曜日)

小学館文庫の『うつほ草紙』全三巻の内の二冊が担当者さんから送られてきました。瀟洒な装丁で、待望のファンのみなさんも喜ぶだろうと思います。一巻目のエッセーが僕で、二巻目は集英社コバルトシリーズなどで活躍の作家、倉本由布さん。みなさんもこの文庫本はぜひ御高架を。

02月14日(金曜日)

暖かい早春の午後、表参道を歩く。同潤会アパートの取り壊しで、お気に入りの雑貨屋さんが移転のため休業中なのは残念でした。

02月15日(土曜日)

池袋の西武リブロ、ジュンク堂と回って、新刊をチェック。『うつほ草紙』も平積みになっていました。ジュンク堂の前にあるラーメン屋さんの異様な長蛇の列が、午後になっても延々と続いていました。暖かくなったこともあるのでしょうが、この宣伝効果は抜群ですね。夕方はジムを諦め、白楽天の原稿の推敲に専念しました。

02月16日(日曜日)

雨。降る毎に冬を洗い流している感じですね。母校で『元輔集』の注釈二首。

02月17日(月曜日)

約束したまま果たせずにいた明治大学論文演習「和泉の二年間で得たもの」をアップしました。青春は美しすぎる、と言うのが率直な感想です。今月はもう原稿を二つも書いたのに、あとふたつ締め切りがあります。先日再読した中西進『源氏物語と白楽天』(岩波書店、1997年)に「学者であるかないかは、タダ原稿を書くか否かによる、なとど冗談を言いながら書いた」とあったのを思い起こしました。

02月18日(火曜日) Special Thanks 119,000 Hits

曇天から雨。昨年の日本文学協会の「大会印象記」を書くため、レジュメやバックナンバーなどに目を通す。むつかしい仕事を引き受けてしまったものです。

02月19日(水曜日)

「大会印象記」では、結局、字数制限ではみ出てしまったけれども、ぜひ書き込みたかった一節をここにメモしておきます。「ここ十数年、テクスト論とつきあってみて、どうもこのポストモダンの産物なる方法論は、貧しい読みから生成された誤読の隠蔽装置のような気がしてならないのである」。

02月20日(木曜日)

所沢市内の高校で進路講話。並行して埼玉県内の大学・短大と関東近郊の専門学校による模擬授業が展開される。もちろん、事前調査によって希望を募り、お招きしたのですが、人文関係の講義は僕もお世話になったことのある碩学で、二年生の四分の一強の生徒を集めていました。ペットの専門学校は動物を連れてきたり、調理室ではケーキが作られたりのプレゼンが展開された模様。僕はと言えば、四月採用見込みの現・アルバイト君が遅刻したので、進路指導室で出席表を整理しつつ、それとなくお説教を。神奈川から来たので間に合わなかったとのこと。「それならインターネットの路線情報で、到着時間などを逆算して出発時間、ルートも把握できるよ」と。僕もその昔、よく失敗しましたからね。

帰宅すると、駐車場に重ねておいた古新聞がなくなっていました。これも立派な泥棒だ〜〜。

02月21日(金曜日)

原稿はあとひとつになりました。次のは浮槎説話について『懐風藻研究』に。昨年の今頃一度書いたのですが、枚数超過で今年に回しました。先行論文も大切なのを見落としていたことも判明。時間をかけるのもよいことです。原稿が400枚くらいになったら一冊に纏めたいですね。

02月22日(土曜日)

白百合で『浜松中納言物語』の巻一を読む。ずいぶん時間がかかっていますが、体裁も整い、いずれかたちになるでしょう。

02月23日(日曜日)

世間並みの、普通の日曜日の過ごし方を実践しました。

02月24日(月曜日)

霙混じりの雨となる。夕方、仕事で東名高速道に乗るも、町田〜厚木間が事故で二時間(通常15分)かかるというので、一般道に降りると、ここでもトラック同士の事故渋滞。おかげで超安全運転を心がけることが出来ました。帰宅して論文のチェック。だいたい完成です。

02月25日(火曜日)

快晴。気温も上昇、梅もほころび始めました。論文はほぼ完成。やはり、一年寝かせておくと情報の不備も補えますね。


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