Last Up Date 2001.10.01          

日記を物語る 2001年09月INDEXホームに戻る              


09月29日(土曜日)

連日『うつほ物語』。國學院での「國譲」上巻の輪読レポートは一週間延びたけれどもきちんと準備しないと。もう十年も参加しているので、ずさんなレポートはで来ません。鼎の軽重が問われることになりますから。

09月30日(日曜日)

早稲田大学古代文学比較文学研究所の国際シンポジュゥム統一テーマ「古代日本・中国・朝鮮半島文化交流研究の新展開」に参加。『枕草子』の「鳥は」の段に新知見を得る。会場の14号館は施設も立派。前日は満員札止め状態との事でした。

巨人軍・長嶋監督引退セレモニーを見る。槙原、村田、それに斎藤選手、同世代の選手の引退は寂しいですね。記者会見で村田選手が、幼くして事故死したお嬢さんの話をしていました。これからも蔭ながら応援したいと思います。


09月01日(土曜日)

はやいもので今年もあと四ヶ月。僕の夏休みの仕事はあと二週間が勝負。今年の成果をまとめなくては。

また今月は余先生が帰国されているため、琴のレッスンは自習。夜中に爪弾く「陽関三畳」はいいですよ。

09月02日(日曜日)

スポーツクラブで二時間みっちり。明日は確実に筋肉痛でしょう。

09月03日(月曜日)

雨。早稲田、青山と大学図書館を回って文献を探し、青短の図書館で入手データを入力する。窓を開け放ってあったも自然の風で過ごしやすく、また利用者も少なく、極めて快適な夏休みのキャンパスでした。帰りがけ、筋肉痛の身体をさらにマシーンでいじめる。クールダウンのプールの水はひんやりしていて“最高”でした。

09月04日(火曜日)

雨。一月ぶりに清瀬の「玄」で、執筆+編集中の本の打ち合わせ。本のタイトルは内容にも照らして『原中最秘鈔』にちなんだものにしようかと思います。題箋はひさしぶりに筆を揮ってみようかな。宿題をたくさん作りました。

愛車のコルサ(オークションに出された時の実物写真)のために、先に学術系日本語サイトと言うことから業務提携した、マイクロソフト社との契約金を車代の残金としてそっくり叩きました。これでへんなキズでもつけたらしゃれにならない。雨もひどいので以後の外出は自粛しました。したがって筋肉痛とは今しばらくお付き合いする事になります。

09月05日(水曜日) Thanks 71000 Hits !!

またまた早稲田、青山、短大と大学図書館を三箇所回って、漢籍渡来史関係の文献を大量に借りてきました。これで渡来史関係はだいたい揃ったことになります。夕方はストレッチに、ジョギングに水泳。徐々に成果が出てきました。

09月06日(木曜日)

室伏信助先生より『源氏物語の鑑賞と基礎知識 初音・胡蝶・蛍』(至文堂.2001.10.10)を頂戴した。大島本「初音」巻、『源氏物語大成』作成時には本文が別本であるとして池田亀鑑旧蔵本に差替えられたいわくつきの本文。室伏先生入魂の論文が収められています。

三年半ぶりに『竹取物語事典ハイパーテクスト版』を更新しました。現在、進行中の著作の資料整備の一環ではあるけれども、今月発売予定の武田友宏先生編『竹取物語 角川文庫ソフィア/ビギナーズクラッシックス』の解説に僕のサイトが紹介されると言うことも念頭にした改訂です。また『うつほ物語総合研究文献目録』も更新しました。遺漏の御指摘お待ちしています。

09月07日(金曜日)

日の高いうちは、机に向かって原稿。夕方、所用のため青山近辺を歩く。普段は通らない裏道を通って見ましたが、どうしてどうしてお洒落な店があちこちに点在。四年近く毎週通っていたのに気付きませんでした。また今度ゆっくりと。

09月08日(土曜日)

夕方、ジムに行くと目の前にブックオフ成増店があるので、つい立ち寄ってしまう。土曜日は100円の本を50円引きにしてくれるのですが、50円分のサービス券で購入しようとしたら只になってしまった。店員さんと思わず笑ってしまいましたよ。

09月09日(日曜日)

名古屋市の七寺(ななつでら)の古逸経典『大乗毘沙門経功徳経』を読む。深山に籠って修行していると釈迦仏と阿弥陀仏が登場して記を授かる「報恩品巻五」は、『うつほ物語』「俊蔭」巻の俊蔭漂流譚の源泉がここにあるのではないかと思い至りました。これは凄いことだ。。。

09月10日(月曜日)

弁護士で『風土記』の研究者である増田修さんから、正派邦楽会刊行の『楽道』と言う機関誌に正派師範試験論文として連載された、佐藤雅楽孝氏の「『宇津保物語』にみる古代の琴の位置付け」なる論文を頂戴しました。物語の梗概に頻出する琴の機能を論じていますが、「舞楽」の一覧に特筆すべき成果が見えます。さっそく『うつほ物語総合研究文献目録』も更新しました。萬謝。加えて、ここ二、三日の研究の余滴が出てきたので『竹取物語事典ハイパーテクスト版』を再び更新しました。

09月11日(火曜日)

台風のため、すべての予定はキャンセル。自宅で原稿を書く。深夜、ニュース・スティションを見ていたら、アメリカの同時多発テロが発生。解説の萩谷さんが、ライブ映像を分析して、即座にこの時間差で二機の飛行機が同じところのビルに激突する可能性は限りなく低い事を挙げながら、近時、極秘情報とされていたいテロの可能性を推定したのは、十時半を回った辺り。状況証拠の分析力に父君の薫陶を思わずには居られませんでした。それにしても甚大な犠牲者がいることでしょう。合掌。。

Yahoo! JAPANサーファーチームからメールが届き、『竹取物語』のページを登録したとのこと。青学の近藤先生のページともども、ご覧頂きますように。

09月12日(水曜日)

夏休みもあと僅か。200枚のテストの採点を始めたら、明治大学から残暑見舞いの葉書が届き、まだもう一週間休みであったことを知る。。。別におっちょこちょいの僕のためだけに出してくれた訳でもなさそうですが、有難いお知らせでした。桃裕行『上代学制の研究』(吉川弘文館、1983年復刊版)と久保幸男『日本古代学校の研究』(玉川大学出版部、1990年)で、古代の学制と学問を勉強し、テキストの必要箇所をノートする。明日も平和でありますように。

09月13日(木曜日)

『李善注 文選』を読む。李善の引用したテキストが、今日流布するテキストとかくも違うのはなぜ?中国における古典籍の本文史はないがしろにされていたのではないか?なとど考え続けた一日でした。考え疲れたら、琴で「陽関三畳」。「渭城の朝雨軽塵を潤し 客舎青々柳色新たなり 君に勧む更に尽せ一杯の酒、西のかた陽関を出れば故人無からむ」を三回朗誦するパートもあります。もちろん現代中国語ですが。

物語研究会九月例会案内を更新しました。当日は先約があり遅刻しますが、発表者のおふたり頑張って。次回以降の発表者が真っ白なのはこまっちゃうけど。潜在的な発表希望者は必ずいるものですよ、佐藤くん。。。

09月14日(金曜日)

本日も原稿を書く。こんなに家にいていいのだろうか?と不安になる。夜のプールは空いていました。

09月15日(土曜日)

『浜松中納言物語』を読む。『新編全集』のイージーエラーを発見しました。55頁の注五、「大伴家持が『懐風藻』で」は「中臣人足」の誤り。「陶潜が『桃源の賓』と呼び、『万葉集』巻十七で」とあるのは、以下、「陶潜が(迷い込んだ漁師を)『桃源の賓』と呼び、(大伴家持が)『万葉集』巻十七で」と〔 〕内を補って読んでください。

竹取物語への招待に今週土曜日、京田辺市で行なわれるフォーラムの案内を掲載しました。お近くのかたはぜひどうぞ。詳しくは小泉芳孝氏のサイトをご覧下さい。

09月16日(日曜日)

またまた本日も原稿を書く。それでも時間が足りません。

09月17日(月曜日)

原豊二さんから『CD−ROM版 寛文刊 義経記』を頂戴しました。なかなかやるねぇ。

09月18日(火曜日)

夏休みで閑散とする母校の北村章研究室で『元輔集』の注釈作業。屏風歌の現代語訳はむずかしい。廊下でお会いした鈴木康之先生からは『手話のための言語学の常識』(全日本ろうあ連盟、\2500円)を頂戴する。鈴木言語学が簡明に開陳されています。言語学研究者は必読ですね。巻末のお写真に先生の人柄がよく現れています。

北海道の細田季男先生作成収集からなる国語の工房が、 url を変更したためリンク集も更新しました。 

09月19日(水曜日) Thanks 72000 Hits !!

角川書店飛鳥企画から、『角川文庫ビギナーズ・クラッシックス 竹取物語』(角川文庫・ソフィア、2001.09)を頂戴しました。『角川ミニ文庫』の別バージョンですが、楽しい読み物になっています。

09月20日(木曜日)

思えば五十(ご・とう)日で大渋滞の明治通り首都高速を走る。帰りは池袋で散髪。そしてジムで二時間。かくして夏休みは終りました(泣)

09月21日(金曜日)

新学期始まる。 明治大学 は課題「日記を書く」。みなさんのを七日分読むのは結構大変です。小雨交じりの曇天を移動して、 青山学院女子短期大学 の三時限目は「女楽論」を。四時限目は「浮舟論」の序章。面白いテーマをたくさんお話しますよ。

09月22日(土曜日)

立正大学で物語研究会九月例会。『栄華物語』に『讃岐典侍日記』はこの会でもひさしく発表がなかったもの。勉強になりました、と謙虚に書いておきましょう。文学研究は Science であるという原点を再確認したと言う意味において。

09月23日(日曜日)

相模女子大学で和漢比較文学会大会。僕がトリの発表の司会だったため、ちょっと緊張。私淑する栃尾武先生にも声をかけていただき感激する。内容もなかなか充実した会でした。そして発表者がほとんど女性であったと言うことも特筆されます。終了後は、もちろん打ち上げ。こちらも頑張りました。

09月24日(月曜日)

金曜日の講義中、駐車場に止めておいた車のルームランプが付いているので消した方がよいだろうと言う伝言を頂戴していました。ちょうどビデオを見ているところだったので、抜け出してドアを閉めなおしたのです。ところが、それはピッキングによる車上ねらいと判明。助手席のドアのキーを巧妙に壊して、スポーツバックと書類バックを持ち出したもののようです。スボーツジムに出かけようとするまでそれに気づかず、諸般を勘案してようやく被害に遭ったことが分かりました。貴重品はとられていなかったので不幸中の幸い。警備さんに報告したら、やはり他にも被害に遭われた先生が居た模様。けしからんよ、まったく。

09月25日(火曜日)

國學院で『うつほ物語』の会。今日は来月の中古文学会で津島さんが発表予定のためのプレ発表。僕もかつての発表ではお世話になりました。学会の、あの独特の緊張感は、研究者なら一度は体験しておいたほうがいいでしょう。でも、僕の恩師は通算8回だったように記憶していますが。日程がたてこんで来て超多忙人間になりつつあります。特に月末は締め切り続きですから、電話での接触は避けてください(笑)。

09月26日(水曜日)

田中隆昭先生から、御自身が所長を勤められる早稲田大学古代文学比較文学研究所の国際シンポジュゥム、統一テーマ「古代日本・中国・朝鮮半島文化交流研究の新展開」の御案内を頂戴しました。今週、29日(土)〜30日(日)、ところは 早稲田大学一四号館六〇四教室 です。さすが凄い企画ですね。

09月27日(木曜日)

捨てる“泥棒”あれば拾う“神”あり。渋谷警察署より拾得物の案内の葉書が届きました。問い合わせると、拾得地は、渋谷四丁目とのこと。そう言えば、田中康夫の小説『なんとなくクリスタル』は、「渋谷四丁目にある大学」の学生たちのお洒落な物語でした。

 それに引き換え、ちっともさえない先生の物語を読んでくれる読者の皆さん、いつもいつもありがとうございます。ちなみに、ドアロックの修理代は最高十万円からあるコースのうち、最小限の手当てで済ませる事にしました。来月は九州の学会があるからね。それでは博多で逢うばってん。。。

09月21日(金曜日)

明治大学 は産能短大製作のビデオ「大学生の日本語/面接の受け方」を見ながらレポートを書いていただきました。留学生役の学生さんが鼻濁音を正確に発音できたりして、日本人であることがバレバレなのには笑いましたね。渋谷警察署で、拾得物を受け取り、届けてくれた弁護士さんの住所を教えていただく。駐車して、90分後には派出所に届けられていたことが分かりました。 青山学院女子短期大学 。三時限目は「女楽論」を「御遊」の歴史と重ねて、「女」の「楽」は異例だということを中心に。四時限目は「早蕨論」。阪神淡路大震災でお姉さんを失った、古筝奏者の 伍芳(ウーファン)さん の「重逢 Chong Fen」を視聴しながら、大君追慕の中の宮に重ねてみました。

巨人軍・長嶋監督退任は青短の図書館の情報掲示板で知りました。第一次の長嶋政権よりも、十数余年を充電期間としてから復帰した、第二次長嶋政権の采配に大人の熟慮を感じていたのは僕だけではないでしょう。人間的にもほんとうに魅力のある人のようですね。 背広の長嶋茂雄 でどうぞ。まだ家のテレビが白黒だったころ、当時の川上哲治監督が「今日は長嶋(がチャンスで打てなかったの)で負けた」とコメントされて以来のファン。寂しいですね。王監督は五つも若いのだから、まだまだ頑張ってもらいましょう。


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