Last Up Date 2001.09.01          

日記を物語る 2001年08月INDEXホームに戻る              


08月30日(木曜日)

『うつほ物語』引用漢籍に関する「解説」の書き出しは「楼の上」に見える、『千字文』の『文選』読みによる朗誦学習を冒頭に据えよう、と大宮からの帰り道の車の中で思いつきました。忘れないうちに、まずここに書き記しておきましょう。

08月31日(金曜日)

『うつほ物語』引用漢籍の「注釈作業」。『李太白集』の韻がどのように採り込まれているかについて。


08月01日(水曜日)  Thanks 69000 Hits !!

車をオーバーホールする。予算以上にかかりました。明細を見ると「技術料」なる名目の人件費が八割。永いつきあいだから納得しておきましょう。所沢にある整備工場はCX系のドラマのワンシーンを撮影するという事で社長がこまごとしたものを片づけていました。

08月02日(木曜日)

勉誠出版・新刊ニュース 『叢書 想像する平安文学』 がUPされました。ご覧下さい。

に源氏物語に関するリンク集がUPされました。さすが、サイトの選別に関しては、今日考え得るベストの選択であると思います。

08月03日(金曜日)

さすがに書くことが無い日もあります。明日に備えて『源氏物語』の「少女」巻に目を通し、三枝和子『香子の恋・小説 紫式部』を読了したことぐらいでしょう。

08月04日(土曜日)

所沢の松井公民館で古典に親しむの『源氏物語』「少女」巻。今日の講義の出来は我ながら満足。帰り際、古本屋で、『入江相政日記』(朝日文庫、1994〜5年、全12巻)の欠巻だった6冊を購入しました。美術史の故・鍋島直康先生が、学習院幼稚舎時代から高等科まで同級生であったことから、晩年のクラス会で「鍋島」の名前がなんどか見えています。

かつて学部生だった昭和60(=1985)年の夏の終り、その鍋島直康先生と、今は國學院で書学書道史を講じている高城弘一さんと三人で旅行をしたことがありました。三島由紀夫の『豊饒の海』で著名な、奈良帯解の円照寺(作中では月修寺、一般には拝観できません。)の厳かで瀟洒な伽藍を回り、ついで桜井の大神神社へ向かいました。そこで偶然お招き入れ頂いた宮司さんの会話の中に、中曽根首相の靖国神社公式参拝の話が出たことを思い出します。宮司が前に靖国神社に務めておられ、東条英機らA級戦犯合祀に直接関与したとのお話もあったように記憶しています。翌年、NHKの靖国問題の特別番組の中で戦犯合祀問題のインタビューに答えておられたのを視聴して、もっとじっくりお話を伺うべきであったかと後悔したものでした。中曽根総理公式参拝に関しては、靖国側が参拝形式が正式なものでなかったことや、天皇陛下より仰々しい秘書官を引き連れての政治的パーフォーマンスであったことなど、温度差、というより、英霊に対して不敬である、と言った見解であったことは、入江さんとも親交の篤い松平永芳宮司の退任講演によって知られています。

この旅は翌日, 青蓮院門跡の門首・東伏見慈nt御夫妻にもお会いできました。門首が京都帝国大の史学科で鍋島先生の後輩、奥様が女子学習院で先生の教え子という御縁でした。そう言えば、入江侍従長も前職は学習院教授でしたね。門首からは『往生要集』の写本を見せていただきました。応接間に広げられた手鑑の古筆もじっくり見られないほど緊張した事を覚えています。門首は香淳皇后の弟宮だったのですが、海軍の徴兵検査で眼疾とされ、山県有朋と杉浦重剛の「宮中某重大事件」に発展した事は有名な話ですね。歴史を知らなそうな僕に門首が、「私が目が悪いものですからね」とさりげなく話題を振って、あとで勉強するように配慮なさったのでしょうか。当時、七十後半でいらっしゃって、次の次の天台座主に内定していたようですが、まだ座主にはなっておられないようです。長くなり過ぎました。昔話はまた後日。

08月05日(日曜日)

余明先生のスタジオでひたすら『陽関三畳』。スローテンポの間をMDに録音して身体に刻み込む。夜もまた練習、練習。

08月06日(月曜日)

『懐風藻研究』の八号が難産の末に完成しました。御高架をお願い致します。僕の「懐風の琴」は七、八本論文化して、ブックロードならぬ、メロディロードとしての東アジア文化圏をデッサンして、新書にでも出来たら、などと考えています。古筝奏者の 伍芳(ウーファン)さん のCDを車で聞く。なんとも美しい音色です。

08月07日(火曜日)

早稲田大学図書館。広すぎてまだ使いこなせていません。今週中は暇を見つけて出来る限り通うことにしましょう。院生のみなさん、別に怪しいものではありません。いじめないでね。

08月08日(水曜日)

清瀬のコーヒーショップ・玄の二階客室をお借りして来年出版予定の本の原稿検討会。『太田晶二郎著作集/一巻』(吉川弘文館)で日本の奈良・平安朝の漢籍受容史を駆け足で学び、今後の執筆の基本ラインを確認する。充実した内容になりそう。乞御期待。

08月09日(木曜日)

早稲田大学図書館。書誌関係の論文を探す。来週は原稿がたくさん書けそうです。

08月10日(金曜日)

白百合女子大学で『枕草子』を読む。「殿上の名対面こそは」の段。諸注を丁寧に読み合わせ、古記録を精読する。満足。

08月11日(土曜日)

今日も白百合女子大学で今度は『浜松中納言物語』を読む。『新編全集』は進化する注釈である事を実感する。

08月12日(日曜日)

帰省するためインターに乗りました。いつも帰省は日航機墜落事故の日と重なってしまうのは何かの縁でしょうか。渋滞のため下仁田で降りて、内山峠に向かう。たいへんな濃霧で運転は相当のリスクが伴うものでした。後日の教訓としましょう。

08月13日(月曜日)

終日、藤井貞和『平安物語叙述論』に挑戦する。「き」「けり」の問題を経て、「語り手人称」まで。

夏の甲子園、塚原青雲の監督は僕と同世代だと聴かされたが、ほんとうだろうか。少なくとも僕もより人生の年輪を重ねた方であるようです。試合後、ただ一人の地元選手が「いい学校ですから、全国の皆さん、来てください」とけなげに答えていました。

08月14日(火曜日)

ほぼのんびりと机に向かいました。「『平安物語叙述論』論」の骨格がぼんやり浮かんできました。

08月15日(水曜日)

本日、終戦記念日。記念式典では小泉総理より今上天皇の「おことば」の方が声の通りがよかったように思われる。昭和天皇同様、発声から練習されていおられるようだ。僕はなぜか、昭和63(1988)年、昭和天皇が病躯をおして黙祷された姿を忘れる事が出来ません。

近所にある親戚の家で、焼肉パーティー。いとこの友人夫妻まで集まり最後はカラオケ。。「明日があるさ」を熱唱したのは覚えているものの。。。

08月16日(木曜日)

送り盆で信州の短い夏も終わりを告げます。風も涼しい。長野新幹線の佐久平駅の戌亥の隅に、我が家の墓地があります。戦死した叔父・上原明日の、陸軍大将・真崎甚三郎筆と伝えられる墓碑銘を読む。生きていれば数えで喜寿を迎えると言う年齢であったことを知る。例の扶桑社版の歴史教科書の採択率は0.03%とのこと。採算ラインを大きく割り込んでいますが、それを見越して一般販売分でフォローしようとしたのでしょうか。

08月17日(金曜日)

夏休みの中の究極の夏休みと言う日を送る。これもよし。

08月18日(土曜日)

友人の結婚式のため早朝に出発。あわてて着替えて目白へ。徒歩で田中御殿を横目に眺めつつ、目白台の椿山荘に20分ほどで到着。御両人とも都立高校の先生なので業界人多し。結婚式は厳かに。披露宴はのっけから新郎得意のベースで「スタンドバイミー」から。形式にとらわれない素敵な会でした。新郎は八丈島、新婦は拝島と最低三年間離れ離れなのは気の毒ですが、転勤の内示で新郎もプロポーズしたとのこと。まさに「塞翁が馬」ですね。一昨年、あまりに無軌道な仕事振りの上に、車もごみだらけだったので、「とっとと嫁さんもらってくれや!!」と捨て台詞を吐いたものの、去年はなんだか愛車に香水の残り香がしたような。まあ、そういうわけで。

08月19日(日曜日)

余明先生のスタジオで琴のレッスン。微妙なリズムの乱れを徹底的に調整しました。午後は、藤井貞和さんの「『平安物語叙述論』のために」を23枚。編集の浅尾さんに添付ファィルでお送りする。十月頃には刊行されるでしょう。

08月20日(月曜日)  物語研究会大会初日

恒例、最も御近所さんの竹内さんと光が丘で待ち合わせてものけん大会のために東名自動車道へと向かう。御殿場インターで降りて強羅まで約三十分。ちょっと高めの蕎麦を食べ、新設の白百合女子大学セミナーハウス。自由発表三本ともに満腹。台風接近中の露天風呂は最高でした。相部屋は阿部さん、宗雪さん御両人。甘えさせていただきます。

08月21日(火曜日)  物語研究会大会二日目

三村さん、宗雪さん、藤井さんのシンポをじっくり聞く。一昨年までは責任もあって集中できなかったこともありましたが、今年は聞く事に全力投球。土砂降りの露天風呂では呼吸困難になりつつも頑張って、なぜか笑いをとる。二次会では今まで知らなかった事実を知らされる。でも僕よりショックだった人もいたみたい。まあ、いいさ。お幸せにね。。。

08月22日(水曜日)  物語研究会大会三日目

またまた、早朝に台風直下の露天風呂に挑戦する。最高。毎年来たくなりました。シンポジュウムの総括。台風で交通機関がド・パニック。箱根登山鉄道も麻痺したようです。明日仕事を控えたりする、急ぎのみなさんを乗せて、御殿場駅へと急ぐ。小田原方面は交通ストップのようで、運も味方してくれたようです。進行方向に台風を追いかける形で、トラブルもなく東京に着く。清瀬の玄に竹内さんと休憩をはさんで、2001年の夏の大会の全行程を終えました。

08月23日(木曜日)  Thanks 70000 Hits!!

終日、読書など。 から、今後の展開についての意見を求められました。みなさんも何か要望などがありましたらお知らせ下さい。

08月24日(金曜日)

やや雑務に忙殺されております。今月は記述が簡略になるけれどもお許し願いたい。

08月25日(土曜日)

どこでキャストしてくださったものか、秋の学会で一仕事させていただくことになりました。そろそろ、八月末締めきりの仕事が気になり出しました。

06月26日(日曜日)

有楽町・阪急 で『あさきゆめみし−源氏物語』原画展。会場は二十前後の女性ばかり。講談社漫画文庫の7冊セットは購入しようと思います。

新宿ルノアールで 「古代言語蔵開の会」。『源氏物語』「明石」巻の「蛭子」と「宮柱」をめぐる発表。満足。

08月27日(月曜日)

落ちついて原稿を書く暇がありません。今月締め切りのは29日が勝負です。

08月28日(火曜日)

夏休みもあと半月。なかなか机に向かえませんでしたが、大きなヤマを越えひと安心。この夏の成果は来年春以降のメディアでご覧頂けるものと思います。なんせ11月末日にはのべ90枚の原稿締め切りを抱えていますからね。

08月29日(水曜日)

高校の同窓会報のための八百字足らずの文章を午前中に書いて投函。担当の職員さんにお尋ねすると、添付ファィルはおろか、フロッピーディスクすらまだ処理した事がないと言う。確かに下書き用と清書用の原稿用紙が送られてきただけでしたが。午後は、アメリカで三島由紀夫を研究する方と雑談。その昔集めた資料の提供をお約束する。僕自身の宿題まで作っていただきました。


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