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学習指導案

                         神 香織            

とき 六月二四日 一限目

ところ 東京成徳大学 二〇四教室

対象者 国語科教育法受講三年生

本時の目的

*古典文法の理解

*本文の読解

*重要古典単語の確認

本時の展開例

テキスト 高校生の国語U

  『好色五人女 八百屋お七』 四限目(計五時間)

 

 あいさつ

  「起立、例、着席。お早うございます。」

 

 前回の復習

  「前回は、お七と吉三郎が、火事で避難した寺で出会い、恋文で互いの想いを確認した、というところまで訳しました。今回はその続きからです。」

 指名音読

  「では、二百五十六ページの現代文の所を読んでもらいます。」

 〜指名音読・本文板書〜

  「ありがとうございます。ここに書かれているのを読むだけだと、すごくあっさりした恋のように思えます。しかし、一目で好きになった人と、たった一度きり、契りを結んだだけで全然会えず、ただ隠れて、恋文をやりとりするだけだったら、どう思うでしょう?どうしたいと思いますか?」

〜指名〜

「会いたい、と思うでしょうね。しかし、親に裂かれた恋では、会いたいと思っても会える者ではありません。たった一度、隠れて会うことしかできず、お七は更に想いをつのらせます。では、ここから本文に入ります。」

〜指名音読二人〜

  「ありがとうございます。では、今の所を単語に区切ってもらいます。前に出て、単語の切れ目だと思うところに線を引いてください。」

〜指名・間違えていたら訂正〜

「では、品詞の解説と訳に入ります。最初の『それとは言はずに』の『それ』は代名詞、次の『言は』は動詞のハ行四段活用です。」

〜板書〜

「『に』にはこの四種類の分類があります。連体形が三つありますが、これは訳す時、前後の訳から簡単に分類できます。次の『明け』『暮れ』は動詞ですが、この終止形は分かりますか?」

 〜指名〜

  「これは『明ける』『暮れる』と間違えやすいので注意して下さい。『明ける』とすると現代文になってしまいます。古文では『明く』『暮る』となり、両方とも下二段活用になります。活用形は両方とも連用形です。次の『はかなや』は重要単語です。この『なけれ』は形容詞『なし』の已然形で、ク活用です。『はげしき』も形容詞ですが、これは、シク活用の連体形です。『出だし』は動詞『出だす』の連用形で、サ行四段活用と、活用は簡単ですが『出づ』と間違えないように気をつけてください。

  次のページの『よしなき』は、形容詞『よしなし』の連体形です。

  では、訳にいきます。【本心を誰にも打ち明けず、朝夕に思い詰める女心は、儚いものである。恋人に逢う手段もないままに、ある日、激しく風の吹く夕暮れ、いつだったか吉祥寺へ避難したときの、世間の火事騒ぎを思い出して「またあのようなことになったら、吉三郎殿にお逢いできる手がかりにもなるだろう。」と、つまらない出来事で、悪事を思い立ったのは、不幸なことである。】」

 〜板書〜

  「分らないところはありますか?」

 〜あれば回答〜

  「これで終わります。起立、例、着席。」

    指導内容確認           

 指導予定の内容をどの程度理解させられたか。 優・良・可・不可

   板書は正確で見やすかったか。 優・良・可・不可

   時間配分は適正であったか。 優・良・可・不可

   発問と回答はかみ合っていたか。  優・良・可・不可

説明は聞き取りやすかったか。 優・良・可・不可

 学習指導案

とき 平成11年11月11日1限目

ところ 東京成徳大学204教室

対象者 国語科教育法受講者

本時の目標

  ○漢文に慣れさせる

○「何ゾ〜」を理解させる

使用テキスト

  「飲酒」高校生の国語U

本時の展開例

  起立、礼、着席。おはようございます。今日は280ページの「飲酒」を勉強します。ではまず、陶淵明について書いてあるところを読んで下さい。

  〜指名音読〜

  ありがとうございます。陶淵明は、酒と自然を愛した詩人で、中国第一の田園詩人と言われています。自由な精神を尊び、人生・社会の真事を追求した作品が多く残って  います。さて、ここに書いてあるように「飲酒」は「二十首ならびにその序」という連作で、その中でも一番有名な詩がこの第五首です。それでは本文に入ります。○○さん読んで下さい。

  〜二人指名音読〜

〜その間に板書〜

  ありがとうございました。読み方、返り点で質問はありますか?

  〜あったら答える〜

  では訳していきます。この「結びて」というのは「構えて」という訳になります。

  「人境に」は「人里に」や「人のいる所に」です。「車馬の喧」は下を見て下さい。@を読んで下さい。

  〜指名音読〜

  ありがとうございます。官吏というのは、今で言う「役人」です。ですから「車馬喧」は「役人の乗り物の騒がしさ」ということになります。次の行の「何ゾ」はチェックして下さい。漢文には非常によく出てきます。下に説明が載っています。○○さん読んで下さい。

〜指名音読〜

  ありがとうございます。ここには「何ゾ・・・・」しか載ってませんが、一番よく出てくる形は「何ゾ・・・・ヤ」という形です。覚えて下さい。次の「能」も重要です。これは可能を表します。そして「  」は難しい字ですが「然」この字と同じで「このようなこと」という訳になります。「偏ナリ」は「辺鄙なところになる」です。ここまでの単語の意味で何か分からないところはありますか?

〜あれば答える〜

  では、単語の意味をつなげて文として訳します。○○さん「喧しきなし」までを訳してみて下さい。

〜分からなければ説明〜

  〜間違っていたら訂正〜

  ありがとうございます。では次の一文を訳してもらいますが、ここに「君に問う」とあります。この「君」とは誰か、自分なりの解釈で訳してみて下さい。ちなみに、この「君に問う」というのは詩によく見られる用法で、自分が答えるときに使われます。では、○○さん、この一文を訳してみて下さい。

  〜分からなければ説明〜

  〜間違っていたら訂正〜

  ありがとうございます。ここでは「君に問う」は、自問自答というよりは、誰かが「私」つまり「作者」に訪ねた、と訳すのが自然です。では、ここまでの訳で分からないところはありますか?

〜あれば答える〜

  それでは今日はここまでにします。「何ぞ〜や」と「能く」そして「君に問う」この3つは忘れないで下さい。終わります。起立、礼。着席。

 

○指導内容確認

  指導予定の内容をどの程度理解させられたか。  優・良・可・不可

  板書は正確で見やすかったか。         優・良・可・不可

  時間配分は適正であったか。          優・良・可・不可

  発問と解答はかみ合っていたか。        優・良・可・不可

  説明は聞き取りやすかったか。         優・良・可・不可

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