古典講読 BT 後期2単位1年
文(ふみ)と法(のり)の物語−『源氏物語』宇治十帖論U
ねらい
『源氏物語』の第三部・宇治十帖論、前期講読BTの続講。大君の死去ののち、遺された中の君と浮舟はどのように自らの人生を選択したのか?『源氏物語』54帖の終焉はどのような意味を読者になげかけているのか?を考えてみます。
授業内容
『源氏物語』正編の物語をふまえて、正編では描ききれなかった物語とは何であったのか、霧深き宇治の地で二人の貴公子は何を想い、二人の姉妹はどのように自らの運命を受けとめて行ったのかを、みなさんとともに考えながら、王朝人の恋の心性を考えて行きます。
進め方
物語は浮と薫・匂宮のトライアングル状況から、浮舟の入水、救出されての出家という劇的な展開をくり広げます。都から遠く離れた宇治の地や小野の里を往復する消息=手紙や、それにしみついた男宮の移り香、浮舟が出家する際の経文など、物語を支える構成要素を取り上げながら、王朝人の暮らしや人生観、宗教観などを考えて見ることで、『源氏物語』総体をとらえ直してみることとします。月一回計三回の小レポートを提出していただきます。講義内容を自分のことばでまとめてください。
テキスト
玉上琢彌・訳注『源氏物語・第九巻』『源氏物語・第十巻』(角川文庫)。
参考文献
講義中、適宜紹介します。
評価方法
三回の小レポートし、出席状況、定期テストを実施して、総合的に評価します。
講義日程・後期
2001年
@09月21日 後期ガイダンス「宇治十帖」論のために/ビデオ 瀬戸内寂聴『源氏物語を歩く』
A09月28日 「早蕨」論@ 大君追憶
B10月05日 「早蕨」論A 中君の物語
C10月12日 「早蕨」論B 中君の結婚
D10月19日 「宿木」論@ 薫論
E10月26日 「宿木」論A 幸い人
F11月09日 「東屋」論
G11月30日 「浮舟」論 入水譚
H12月07日 「蜻蛉」論
I12月14日 「手習」論 出家作法
2002年
J01月11日 「夢浮橋」論
K01月18日 定期試験・時間 14:00〜15:00 学生証を忘れずに。