古典演習レポート作成マニュアル
以下、『2000(平成12年度)履修要項』(青山学院女子短期大学)の該当本文を引用しておきます。
柏木はなぜ死んだのか。
ねらい 『源氏物語』柏木巻を輪読する。柏木・女三宮の物語の精緻な分析を通して、研究のための基礎的な調査方法を体得することを目標とする。
進め方 第一回以降数時間は講義形式で進める。『源氏物語』についての概説と教員自からの模擬発表を経て、発表順序を決定する。
授業内容 柏木はなぜ死んだのか。をテーマに王朝人の恋の心性を考えます。
○「柏木」巻の冒頭から、順次輪読形式で読んでゆく。
1 発表者は、B4縦書きの資料を作成し、配布しておくこと。
2 資料は担当者が、フロッピーディスクで提供し、保存も一括管理する。パソコンによる研究発表の公開も考えているので、インターネット等の基礎的なトレーニングを実施することもある。
3 作業としては、本文<テクスト>の校訂、諸注釈書との比較検討、現代語訳、調査事項{各自自由に設定してよい。例 もののけ 恋死 衣裳 絵巻を読む 柏木の歌 など}、物語全体における位置づけについて自分の言葉でまとめること。
テキスト 岡野道夫校注、影印校注古典叢書「柏木」新典社・1100円
参考文献そのつど紹介する。
その他 講座の性質上、発表者の欠席・遅刻は避けねばならない。健康に留意すること。◎各自フロッピーディスクを用意し、専用ファィル(プリントはB4版を二つ折とし、B5版のもの)を用意すること。
発表手順 発表者は原則として70分以内で発表すること。
<基礎的作業>
@本文校訂−テキスト「桐壺」本文と各種テキストの本文の異同を報告。
A諸注釈書の相互比較−解釈の相違を指摘し、最も妥当な解釈を採用する。
B現代語訳−@Aをふまえて、自分自身の現代語訳をつける。
<自由研究>
C考察−@ABをふまえて、独自の考察を展開する。
調査方法
@本文校訂−テキスト「柏木」本文と各種テキストの本文の異同を報告。
担当箇所の本文の異同を確認し、本文を校訂する。
参照するのが望ましい文献 A
池田亀鑑『源氏物語大成』中央公論社
伊井春樹他『源氏物語別本集成』桜楓社
室伏信助他『大島本源氏物語』角川書店
桃園文庫影印叢書『源氏物語(明融本)2』東海大学出版会
*尊経閣文庫本を底本(テキスト化済み)とし他の諸本と対校させる。池田亀鑑『源氏物語大成』によること。
A諸注釈書の相互比較−解釈の相違を指摘し、最も妥当な解釈を採用する。
かならず参照すべき文献 B
秋山虔他 新編日本古典文学全集『源氏物語』小学館 (略称−新編)
石田穣二他 新潮日本古典文学集成『源氏物語』新潮社(略称−集成)
室伏信助他 新日本古典文学大系『源氏物語』岩波書店(略称−大系)
*教科書の注と上記計四冊の注釈(上段)とを並べて入力すること。(これが大変です。きちんと計画的に入力しておいて下さい。フロッピーへの保存は、テキストファイルにすること(ウエハラTXET.TXT、ウエハラCAHU.TXT、ウエハラYAKU.TXT、ウエハラREPO.TXT)なとどして保存しておくこと。前記二つの参考書は改訂版なので本文の言い回しが変わっていないところもあり、入力の際、コピーがかなりできます。
*入力したら、どの解釈が最も適切か、適切でない場合はその判断理由を明確に指摘できるようにしておくこと。
B現代語訳−@Aをふまえて、自分自身の現代語訳をつける。
*ダウンロードしたテクストがありますから、これを自分で上書きするかたちで自分のことばで現代語訳してください。ただし、参考にした部分はきちんと報告して下さい。
1998年度版 「『源氏物語』「桐壷」巻をひもとく」
目的、進め方−『1998(平成10年度)履修要項』参照。
1999年度版 「「柏木」巻輪読」
目的、進め方−『1999(平成11年度)履修要項』参照。