●●●池袋モンパルナス その6●●●


オイラ、駄猫のデデ(別名スミレ博士)。オイラと一緒に、池袋モンパルナスの痕跡を求めて、東京の北の路地裏散歩としゃれこまないかい? 何かいいことあるかもしれないよ。



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さてさて、今日も路地裏散歩に付き合ってくれる君、ありがとね。

ずは、池袋モンパルナスの絵描きたちから守護神(といっても川口能活ではなーい)とも慕われた画家、熊谷守一(くまがい・もりかず)の美術館からスタートしよう。ここは、彼の娘さん(画家の熊谷榧[かや]さん)が建てた小さな美術館だ。池袋モンパルナスのまっただ中にある。地下鉄有楽町線要町駅から徒歩5分ほど。小さいけど静かなとこだニャ。1階にはおしゃれな喫茶室もある。

この壁画は彼の作品から造ったものだよ。元祖ヘタウマ(ごめんにゃ)のタッチが好きだニャア。このオジサン、1967年に文化勲章授章の話があったとき、「国に尽くすようなことは何ひとつやっていない。正装して行くのが面倒くさい」と言って断ったとさ。


なじみの美術館を通り過ぎて、のんびり歩いていこう。と、オイラの鋭い目をよぎる影が・・・あそこの2階の窓からこっちを見つめる目が2つ、4つ、6つ・・・シャッタアチャーンス! おや残念、目玉が2つしか撮れなかった。



あて、今日の鳥居は椎名町の路地裏。普通の住宅の庭先にある、本当に小さなお稲荷さん。いっちょまえに玉砂利を敷き詰めた本格派。磨きの入った鳥居の輝きに注目! ご先祖様たちのアニミズム世界がなんだか乗り移りそうだべ。

度はモダンな鉄筋アパートの室外機の上に・・・猫です。どうしてかな、気の合う猫どもはみんな茶シマばっかりになっちまうんニャ。何かバレてる? こいつは向こうの方から声かけてきた。おまえはイタリア男かっ?

サービス、サービス。お撫でしますよ、たっぷりね。よっぽど心地よござんすね、親方。舌をしまい忘れてますよ、親方ってばぁ。もうしょうがないんだから・・・

親方、降りてきた。よっぽど名残惜しかったみたい。「もう行っちまうのかい? 薄情もんだね、街の奴は・・・」背中の桜吹雪が泣いてる春の名残のことでした。

親方との別れがちょいと心にうずいているオイラに、またもや呼ぶ声がする。どこ? どこ? どこなんだい? 街中に声が響いてるじゃないか。ふっと道端の家の2階に目をやると、そこにぼろキレがひっかかっていた。じゃなくて、バタくさい猫の毛皮。そして、毛皮は生きていた。



向こうの空がほんのり赤みを帯びて、夕暮れ雲がふわふわたなびいてるよ。晩御飯が気になる子供みたいに、ちょっと落ち着かない気分でオイラは路地裏を歩いてる。だって猫だから、歩かずにはおられないんニャ。明日もどこかで友達が、オイラを待ってるんだって感じるんだよ。肉球がうずくのさ。ふっ。



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