新日フィル定期演奏会

4月12日 上野の文化会館



CoCo:ちょうど桜も咲いてるし。でも寒いから散り時がわからないって感じだね。そろそろ葉っぱが出かかっているのに、まだつぼみが付いていたりして。こういうの何分咲きって言うんだろう。

ガンバ:そうねえ。変な気候ね。この寒いところでみんな宴会やってる。ちょっとするめでも失敬して・・・くちゃくちゃ。

C:おいおい、あまりみっともないことするなよ。でも、文化会館に来るの久しぶりだニャ。

G:都内にもホールがボコボコ建ったから、上野の演奏会ってすごく少なくなっちゃったわね・・・くちゃくちゃ。

C:でもボクは、ここのホールって結構好きだよ。とにかく安い席が一番音がいいんだから。それに一見無駄に見えるようなスペースが多くて、ゆったりしてるし。でも座席はちょっと狭いかな。

G:そうね。でも今日は頂き物の切符でS席よ。

C:フー。なにもそんなに気張ることないのに。

(わらわらわらわら。ネコ夫妻は客席へ。)

前半の曲目は、

リムスキー・コルサコフの歌劇「サルタン皇帝の物語」より<3つの奇跡>
プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第2番ト短調

(休憩時間、ロビーにて)

G:フェドセーエフって指揮者さあ、モスクワ・ラジオのオーケストラを振ると、すごい迫力の演奏するけど、日本のオケとやるといまいち相性が合わないって印象があったのよね。

C:そうそう。前に確か都響でブラームスやったとき、ほとんどアインザッツもバラバラ、フレーズもブツブツした、奇妙な演奏をしたけど。今日はまあまあじゃない。

G:リムスキー・コルサコフは初めて聴いた曲だけど、そこそこきらびやかにやってたし、プロコフィエフのコンチェルトもうまく付けていたわね。樫本大進ていうヴァイオリン弾き、初めて聴いたけど、精密機械のような技巧派ね。

C:うん。経歴では、ほとんど海外で学んだ人みたいだね。ブロンの弟子だって言うから、ヴェンゲーロフやレーピンと同門かな。

G:ロシアの正統派。でも、徹底的に歌いきる、ねちっこさっていうのとはちょっと違うわね。

C:でも、すごい技巧だし、2楽章のテンポのゆらし方なんかもなかなか堂に入った物だったよ。それからアンコールにミルシュテインの「パガニーニアーナ」ってのもすごいね。上の方で聴いたらもうちょっと鳴っていたのかもしれないし。

G:そうね。1階席ってどうもいまいちね。


後半の曲目は、

スクリャービンの「夢」
同じく「法悦の詩」


(終演後、蓬莱閣の中華料理をつつきながら)

G:やっぱり音楽会の後は蓬莱閣よね。安くてボリュームたっぷりだし。ほら、この餃子なんか普通の4倍はあるよ。

C:うにゃ。ところでスクリャービンの「夢」って曲、ボクは初めて聴いたけど、なかなかきれいな曲だね。

G:「法悦の詩」ほどじゃないけどすごく官能的な短編ね。初期のショパン的なスクリャービンから脱皮して「断末魔ロマン派」に突き進もうとしている、転換期の作品かしら。

C:最後の「法悦の詩」はよかったね。このオケには今まであまりいい印象を持っていなかったんだけど、今日はよく弾いてたね。

G:そう。前の方の人しか弾いてなくて、なんかパサパサした音のオケだと思っていたのに、今日は第3プルトぐらいまで音が出ていたような気がするわ。

C:うんうん。フェドセーエフと相性が良かったのか、リハーサルがうまくいったのか、結構粘りのある音がしていたね。あと管楽器がもう少し自発的に歌ってくれたらもっとよかったのにね。

G:意外だったのは、フェドがすごく繊細な音楽を作っていたわよね。震えるようなささやきや、官能のうねり。盛り上がってふっとpに落とす所。ロシアの正統派の演奏ではあるんでしょうけど、すごく感情のヒダが細やかな感じがしたわ。

C:貰い物の券だったし、今日はちょっと得した気分だニャ。


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