チェルカスキーのお話

チェルカスキーおじさん死去!!!

12月27日にウクライナ生まれのピアニスト、シューラ・チェルカスキー氏がロンドンの病院で亡くなりました。たぶん84歳。

とても音の美しい、誰にも真似のできない音色をピアノから引き出す人でした。CDには入りきらない音楽を聞かせてくれたおじさんに感謝するとともに、ご冥福をお祈りします。


お知らせ
2月12日に「マエストロ・チェルカスキー、ありがとう、さようなら」という会がサントリーで開催されます。夕方6時から。入場無料ですが、カジモトまで申し込んで下さい(tel.3289-9999)。1990年のサントリーでのリサイタルのフィルムが上映されるそうです。あの「ありがとうございま〜す」の声が入っているかも。


チェルカスキー死去に関するUsenetのrec.music.classicalグループの話題を簡単にまとめました。かっこの中はデデの感想です。

元の英文記事をご覧になりたい方はここをクリックしてください
<64430>まず日本からチェルカスキーの死因と、最後の演奏会に関する問い合わせが投稿されました。

<64593>これに対してGene氏は、最後の演奏会は知らないが、死因は血液の病、多分白血病ではないかと言っています。この人もよくチェルカスキーの演奏会に通った人のようです。ユニークな解釈、音色、今世紀初頭のロマンティシズムなどを彼の演奏の特色だと言ってます。シューベルトでも、ゴドフスキーの編曲ものでも、シュトックハウゼンのピアノ曲でも、エキサイティングで生き生きとしていたと書いています。

(シューベルト、ゴドフスキーはおじさんの十八番でした。特にシューベルトのイ長調のソナタは、確か二種類の録音が残されているはずですが、よく好んで弾いた曲です。延々と続く“うた”の世界を全く退屈させずに聞かせる技は、職人芸でした。音色に関するデリカシーのなせる技でしょう。そう、ピアノの音色と言うよりも、むしろカンディンスキー、クレーの色彩の嵐と呼んだ方が適当かもしれません。シュトックハウゼンのピアノ曲がCDになっていないのは残念です。これこそまさに極彩色のパレットのような演奏でした。現代音楽というか、一昔前の“前衛音楽”を必ずプログラムに入れてましたが、これが実に面白かった。よくある現代音楽のアプローチとは全く異なり、音楽の美しさが前面に出てくる演奏でした。)

<64610>チェルカスキーのCDを紹介してくれという投稿に対して、DeccaのシリーズとNimbusのシリーズを挙げています。後ほどの投稿でもわかりますが、アメリカのCD事情はあまりよくないようで、Deccaのシリーズも揃っていないようです。Seungさんのお気に入りはグラモフォンから出ている、リストの『ハンガリー幻想曲』。(面白いレコードですよね。チェルカスキーにしてはおとなしい演奏ですが、それでもカラヤンがヨタヨタずっこけながら懸命に付けているって感じ。)

(おじさんのコンチェルトはいつもエキサイティング、というよりもスリリングでしたね。協奏曲というよりも競争曲といった感じでした。指揮者泣かせって言うのでしょうか。いつオケが止まって、指揮者と殴り合いのケンカが始まるか、はらはらしながら聴いたものです。)

<64616>ここでちょっと毛色の違った話題が割り込みました。「現代最高のピアニスト」は誰か、という話です。ここらへんストレートな投稿が多いですね。キーシンはどうかという投稿に対して、Henry Fogel氏はキャリアとレパートリーが最高のピアニストであるためのガイドラインであるが、キーシンにはこれらが欠けていると言ってます。「現代最高のピアニスト」として彼が挙げているのは、ポリーニ、 ブレンデル、 バレンボイム、 (生前の)チェルカスキーです。リヒテルも生きてるけど田舎でしか弾いていないから・・・なんて曰うております。

<64631>またレコーディングの話です。ルービンシュタインの協奏曲第4番とラフマニノフの3番が出るはずだと言ってます。さすがにイギリスからの投稿で事情通のようです。

(ルービンシュタインの協奏曲第4番はジャケットにはリリースが96年となっていますが、昨年末には日本でもう売られていましたね。アシュケナージがすてきなバックを付けています。晩年のチェルカスキーはロマン派の曲を弾いても、モーツァルトや晩年のベートーベンの曲のような透明な音を紡ぎ出すことがありました。普通なら枯れたというのかもしれませんが、色彩豊かでしかも透明な音楽です。このCDにはそんな音が入ってます。)

<64664>おやおや。最初の投稿以前にチェルカスキー死去の第一報が入っていたようです。ニュースグループの流れ方はよくわかりませんが、どこかで止まっていたのでしょう。Henry Fogel氏が嘆き悲しんでおります。おじさんの人柄と芸術を偲んでます。 his recitals were an eventだったと言ってます。

<64708>おじさんの死因について。実はヴァカンスで日に当たりすぎ脱水症状を起こしたんだと言ってます。一時回復したが、最後には呼吸障害で亡くなったそうです。

<64712>チェルカスキー追悼文です。

<64759>南アから死因に関する投稿です。南アのラジオでは手術の後、呼吸器の合併症を起こして死亡したと伝えたそうです。

<64872>レコードの話題。ルービンシュタインのコンチェルトがシリーズになるか、という問に対して、ありえないといってます。(当たり前だよね)

<64890>シカゴの雑誌記者のような人の投稿。例のスタインウェイ50万台記念コンサートの際にインタヴューした・・・チェルカスキーはシカゴでもよく演奏した・・・

地元のタワー・レコードではDeccaのシリーズがvol.5まで出ている・・・ (東京では去年の秋にvol.8まで揃っていましたね)

<64939>最初に白血病云々と書き込んだGeneさんがガセネタを詫びてます。CompuServeのMusic Forumからの情報を鵜呑みにしてたんだとか・・・(ったく)。

<64959>オーストラリアから追悼文。

<64973>チェルカスキーがCompuServeのクラシック・グループに投稿していたらしい???

<65038>ロンドンでの葬儀の予定などが投稿されました。個人の意志により供花の儀は固辞したい、the Musicians' Benevolent Fund or the American Friends of the Odessa Philharmonic Orchestra(???)への寄付を募るといった内容。

<65436>追悼文。シューベルトのD664が好きな人みたいです。

<65678>Nimbusの録音も忘れちゃ行けない。チェルカスキーがCompuServeに投稿していたと言いだした本人のようです。(ここらへん流れてくる順番がメチャクチャです)この人はホロヴィッツ、ミケランジェリ、 ホロショフスキーとならんで生前には聞けなかったと残念がっています(ご愁傷様)。あとはリヒテルだけ・・・?

<65711>チェルカスキーがCompuServeに投稿していたんだったら、こちらにもひとつ転載してくれって言ってます。

<65816>ルービンシュタインのコンチェルトの話。

<65820>ラフマニノフのコンチェルトは9月リリースの予定。

おじさんの死因は喉に何かがつまって切開手術を受けたが、肺病を併発し亡くなったそうです。最後は眠ったまま亡くなったそうです。(アーメンだニャー。)


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