バンベルク交響楽団

指揮:ホルスト・シュタイン

ヴァイオリン:諏訪内 晶子

メンデルスゾーン:序曲<静かな海と楽しい航海>op.27
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 op.53
ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 op.68

10月30日 長岡市立劇場



(新潟のGreatPenguinさんのご投稿です)
みなさま、こん○○は。。
「デデの小部屋」fanの一羽であります「GreatPenguin」と申しますぅ。 一羽といっても私は猫ではなく「Penguin」ですぅ。 ま、「動物の友」というデデさんの好意で今回ゲスト出演させていただくこと になりました。

ちなみに私はクラシックコンサートというものをお腹の腹巻きに入れている 「がま口財布」からお金を出して見にいくということ自体が初体験でした。  従いまして批評など本来してはいけない「Penguin」がデデさんのページに 登場させていただきますことは非常に光栄である反面、莫大な緊張感もあるわ けなのですが。。。。げほげほ。。。

えっとぉ、このコンサートに行こうと思ったきっかけは「諏訪内 晶子」が 6,7年ぶりに新潟に来ることが決定したことがはじまりでした。 前回は「モスクワ交響楽団」との共演で来演してた記憶がありますぅ。 「諏訪内信者」である私は「これは見に行かねば!」という気持ちはあったの ですが、その時は仕事の都合でどうしても行くことができなかったわけです。 ま、「仕事なんてどうでもいいや!」などという感はあったのですが… 本音を言えば20代前半だった私が「クラシックコンサート」に行くのは結構 な抵抗もあったわけですが…

で、今回は名門バンベルク(といっても名前ぐらいしか知らなかった)との 共演が決定した時、「これだけは絶対行かねば!」という気持ちが「抵抗」と いう2文字との葛藤に打ち勝ち見事見に行くことができました。ぱちぱち。。。 CDで彼女の「パガニーニ」なんかを聴いていた私が、今回「生」で「お嬢」 を見れるというのは大変貴重な体験でした。 なんせ演奏シーンはほとんど見たことなかったもので… おっとぉ、全然批評してないでっせぇ。。そろそろ本題に入らねば。。。

え、開演して団員が席に着き静まり返った状況の中「とぼとぼ」とどこかの村 の長老らしき人物が歩いて参りましたですぅ。 そうですぅ、この人がかの「ホルスト・シュタイン」名誉指揮者さんですぅ。 今年で70歳を迎えられたそうですがまだまだ現役バリバリですぅ。 しかし、あの歩くスピードはドジャースのラ・ソーダ前監督より遅いかも… 仮に走っても遅いかも…(^^ゞオイオイ 呼吸してるのかなぁ???<謎>

え、それでは演奏批評に入らせていただきますぅ。
一曲目の「メンデルスゾーン」なんですが、ヴァイオリンのゆったりとした 旋律に「柔らかさ」みたいなものを感じました。 とにかく音に濁りがなく澄みきった心地よい音に私は酔いしれてしまいました。 誰かが言ってたなぁ。。。「やさしくやさしくやさしくね!」と… 本当にそれぐらいやさしく旋律を奏でていました。

バンベルクというオケはいっせいに音を鳴らすのではなく多少ずれを作って 「柔らかさ」みたいなものを作っているようですね。 最初、素人の私がじっと第1バイオリンのコンサートマスター周辺ばかり見て ました。<要するにそこが一番よく見えたから… で、コンサートマスターの隣のブロンズ髪の女性が「どうも遅れてるぞ!」と思ったわけ です。今思うとあれは完全に意識的に遅らしてたんではないか?と感じていま す。ただ、これは「音が合っていない」というのではなく「バラツキがある」 という程度の遅れですぅ。 これがバンベルクの持ち味なんですか? >デデさん 解説お願いします。。<…>

で、いよいよ2曲目のドヴォルザークですね。 グレーに薄い紫がかったシルクのドレスに身を包み、「ストラディヴァリウ ス」を片手に持った女性がステージ中央まで歩いてきました。 まるでいつもやっているごく当たり前の日常生活の一部のように。。。 ソリスト「諏訪内 晶子」さんのご登場ですぅ。ひゅーひゅー。。。 以下彼女のことは「お嬢」と呼ばせていただきますですぅ。 演奏が始まるやいなや周囲の和やかな空気は一変。 緊張感みたいなものが漂いはじめました。 周囲の空気に動じるどころか完全に自分の世界に変える力を持っている。 そんな気さえしました。

で、生で見た「お嬢」のプレイアビリティーについて書かせていただきますぅ。 まず気づいた点は「肩」と「肘」が完全に独立しているという点。。。 「肘で弓を使い、肩で弓の角度をつける。」 肘は90度以上は決して曲げない。肩は必要以上に動かさない。 弦へかける力は手首のみという感じですね。 オケのヴァイオリニストと比較してもそれは明白でした。<個々でバラバラ 次に気づいた点は独自のステップを踏み、重心移動させながら弓を押す時は 体を仰け反らせ(左足重心)、引く時はかがむ(右足重心)ことで背骨の回転 を利用して体いっぱいで弾くということ。

「お嬢」は「ヴァイオリン」の他に「クラシックバレェ」も子供の頃から学ん でいるらしいのですが、そいうのも演奏に生きているわけですねぇ。 ここですごいことはあれだけの重心移動をしてもバイオリンは左右には動くも のの上下には決してぶれない。ヴァイオリンだけ見てるとあたかも「空中浮遊」 してるような錯覚にとらわれます。肩に無駄な力が入ってない証拠ですぅ。 要するに演奏においての彼女の動きは「一切無駄がない」ということですね。 「抜くところは抜く」、「入れるところは入れる」。 なんか分析しててなんなんですが、これってゴルフスウィングに似てるよう な気がしますですぅ。 余計な力を入れるとクリーンにヒットしてくれないし、思うようなところに飛 んでくれない。地軸がぶれると基本形が分からなくなる。 「お嬢」も練習では先生によく演奏スタイルをチェックしてもらっているらし いですね。

次に「お嬢」の表現力について書きたいと思いますぅ。 「お嬢」の持ち味といえば「ビブラート」の細かな使い分けと「音切れ」の良 さ、それと「強弱の付け方のうまさ」だと私は思ってますぅ。 そんで愛機「ストラディヴァリウス」のツヤツヤしてて澄んだ音ですかぁ。 ビブラートは出した音を耳で聴き、脳にフィードバックさせてから指先に気持 ちを入れることの繰り返しですが、これは耳が受け止める得意の周波数にもよ るので個々で差が出るわけですぅ。当然反射神経の善し悪しもあるんですが… 技術面で凡人か非凡人かというのは耳がかなり左右するわけですね。 もちろん技術面に加えて感性と経験に磨きをかけなければいけないのですが… そいったすべてを持ち合わせてはじめてあいう演奏を生み出すんだと思います ぅ。

で、チャイココンクールで優勝する以前の演奏CDを私は所有しててずっと愛 聴してたんですが、それと比べると今回は遙かに成長してたと思いますぅ。 あいうコンクールで若くして優勝すると止まっちゃう人が多いんですけどね。 実際、彼女も方向性失った時期もあったらしいですぅ。 で、2年間活動を休止した。それが効を奏したと取ればよいのか? 特に強弱の付け方とビブラートの成長ぶりは本当に非凡さを感じました。 「音が伸びる伸びるぅ〜〜〜〜!」 今回の選曲(ドヴォルザーク)も彼女の能力にマッチしてたのかもしれません。。。 今、「パガニーニ」を演ってもきっと彼女自身物足りなさを感じるんじゃない のかなぁ?(でもあのコンチェルト第1番はすごいけど…)

で、最近、「お嬢」のスタジオアルバムで「メロディー」というのを愛聴して るんですが… 一曲目にチャイコフスキーの「懐かしい思い出の土地」をやってるんですねぇ。 これがとても「泣ける」んです。ウルウル。。。 強弱の付け方が無茶苦茶うまい! もし興味ある方いらしたら是非お試しを!

話を演奏に戻しますが、休符区間で彼女はホルストさんに何か特別な眼差し を送ってましたね。それも「不敵な笑み」を浮かべながら… 妙に挑戦的というか何というか… 経験と実力と名誉を兼ね備えている余裕みたいなものが感じられました。 私は演奏時のすごさより休符間での「しぐさ」のほうが気になって仕方ありま せんでしたですぅ。

で、肝心の「お嬢」と「バンベルク」のマッチングなんですが… 「お嬢」はどちらかというと「激」で「バンベルク」は「静」だと思いますぅ。 これは受け止める側にもよるんですが、私はギャップが大きすぎるような気が しました。実際、「お嬢」が演奏はじめると空気が一変してしまいましたし。。。 低重心のオケと派手な演奏のソリスト。 クラシック初体験の私にはちょっと評価しがたいところがあります。<逃げる

「お嬢」の演奏が終わり15分間の休憩の後、席は1割ほど減っちゃいました。 やっぱり「お嬢」目当ての人は多いんですねぇ。 というわけで私は席を少し移動(3席真ん中より)しました。 最初の席はどちらかというと右よりでBASSの真ん前だったんですぅ。 あ、この公演のチケットについてのエピソードを1つ。。 私は当日券で場所はどこでもいいという気持ちでいました。 で、当日券売場でチケットを買おうとしていたら横から初老の2人組が私の方 へ駆け寄ってきました。

初老Aさん>あの失礼ですがチケットをお買いになるんですか?
G★P>はい、そうですぅ。(実際はこんな口調は使いません。)
初老B>ただ横で私を見つめているだけ
初老A>あのチケット3枚買ったんですけれども1人都合悪くなってこれなく なっちゃったんです。よかったら私どもの隣になりますが1枚買っていただけ ないでしょうか?
G★P>はい、是非お譲りください。

というわけで私は必然的に場所を選ばずチケットを買ってしまいました。 でもこいうのもいいですよねぇ。 なんか1人より隣に知り合いがいるような気がして… あ、関係ないこと書いちゃいましたですぅ。(笑)

じゃ、「ブラームス」の批評行ってみますですぅ。 ドイツといえば「ブラームス」、「バンベルク」といえばドイツ。。 風土が生んだ音楽家とオーケストラ。。 当然オケは最後の曲にこだわったわけですぅ。。 私は「ブラームス」についてはそんなに好きではないのですが(理由は特にな い)この演奏を聴いた後、オケの熱意みたいなものがヒシヒシと感じています ぅ。ホルストさんも自信満々に指揮棒振ってましたね。 曲の途中でコンサートマスターの「ピーター氏」がソロをとる箇所があるんで すぅ。もう顔を真っ赤にしてですねぇ、熱演してました。 最初に演ったメンデルスゾーンは、冒頭でも述べたように「やさしく」演奏し てたわけですが、ブラームスはそれに加えて「力強さ」みたいなものを感じま したですねぇ。

ただ、ホールが狭いせいなのか?そとが雨だったせいなのか?。。。 残念なことにヴァイオリンが熱演すればするほど、歪みみたいなものがおきち ゃっていました。音抜けの悪いホールなのかもしれません。 でも気持ちは十分に伝わってきましたですねぇ。。

え、アンコールもあったんですが、私が特筆するべきではないですぅ。 ま、曲を知らないというのが正直なところなんですが…(自爆) というわけで「デデさん」も「バンベルク」を見に行ったらしいので そちらの方を参照して頂きたいと思いますぅ。 きっと辛口なんだろうなぁ。。。 私と正反対のこと書いてたりして…(笑)

というわけでクラシックコンサート初体験で何もかもが新鮮で衝撃的だった今 回の公演ですが、本当に貴重な体験だったと思いますぅ。 もう抵抗みたいなものはありませんね。 今度は気合い入れて見に行くよりは、肩の力抜いて行きたいと思いますぅ。 はやく「ちょっとブラっと行って来るかなぁ。」程度で行けるようになりたい ですねぇ。そうなるまでに時間かかりそうですが… え、意味不明な表現に加え読みづらい文章、勝手極まりない私的見解で不愉快 になられた方もおられるかと思うんですが、最後まで読んでいただきありがと うございました。




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