仲道郁代の音楽学校

ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番「悲愴」
シューベルト:即興曲 op. 142-3
メンデルスゾーン:「厳格な変奏曲」
田中カレン:「星のどうぶつたち」より

9月1日 カザルスホール

(東京のニムさんのご投稿です)



カザルスでの「仲道郁代の音楽学校」と言うのに行って来ました。 前半は仲道さん普段着で演劇の人と組んでの「音楽家と解釈」について。 後半はドレスにお着替えして、その演奏版でした。

仲道さんは林峰男さん、宗なんたらさんたちとブラームスのピアノカルテットをきい たことがあります。みかけが可愛らしいので、お嬢さん芸の延長かなあと思ったら、 思いがけずとても良かった。ピアノは良く鳴るし、響きは素敵だし。そのなかでは、リズムがいちばん不安定かもしれない。よくわかんないけど。

シューマンやシューベルト、ラヴェルなどが得意なんじゃないかナーと思っていましたがディスコグラフィをみたらやっぱりそうらしい。じつはわたし「クープランの墓」とか「謝肉祭」、「交響的練習曲」とか、そのへんがとても好きなんです。ルビンシュタインとか、アラウとか、フランソワとか、デ・ラローチャとか。ブレン デルもいいけど。ちょっと古いか。ルプーとか。そういえばちらしで、エル・バシャの名を久しぶりに見ました。

でもって、「悲愴」ソナタ、シューベルト、メンデルスゾーン、こどものための新作 (田中カレン) というプログラムでしたが、 なかでも初めて聴いたメンデルスゾーンの「厳格な変奏曲」が印象的でした。 なんかもうひきこまれてしまって、曲が終わったとき、そこから気持ちを取り戻すの が大変でした。 ところが、仲道さんは、曲が終わったときこそ消耗しきった様子だったけれど、 2、3回出はいりしただけであっさり次の曲・・・しかもしずかーに始まる曲を弾きだ したのだ。 うーん、演奏家のそういう時の精神的なコントロールって、どうなっているのでしょう。 私にはちょっとインターバルが短すぎて、つらかったナー。

席がちょっと前すぎたかな、でもまた聴いてみたいピアニストです。

あと、プログラムのうちさいごの 田中カレン「星のどうぶつたち」 というこどものためのピアノ曲集(全20曲からの抜粋)が佳品で、 かつ仲道さんに良くあっていたのでこれも聴きものでしたよ。 田中さんが住んでいるのはパリだそうですが、 そのせいか「クープランの墓」などを連想させるフランス的なハーモニーが聴かれた ので、 私はこれも気に入ったのでした。

ロビーでCDとともにこの譜面も売っており、バイエル程度から始まって少しずつ難 度があがって行くという内容なので、それこそバイエル+αしか習ったことのない私 もちょっと気分を味わえるかなと思って買って帰りました。



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